フォンタナ初代ウイナーはマーク・ブランデル
オート・クラブ・スピードウェイ=カリフォルニア・スピードウェイは、全長2マイルのスーパースピードウェイ。所在地はカリフォルニア州ロサンゼルス郊外(といっても結構遠い)のフォンタナです。
このコースでインディーカー・レースが行われ始めたのは、CART時代の1997年でしたね。アメリカ・レース界がちょっとしたバブル景気にあった頃で、次々とオーバルコースがオープンした、その中のひとつでした。
栄えある最初のウィナーとなったのはマーク・ブランデル。元F1ドライバーも今やポッチャリ体型になり、マイク・コンウェイのマネージャーなんぞを務めております。ヒューストンにも来ておりました。
その後のウィナーたちを見ると、1998年が現KVレーシング・テクノロジー共同オーナーのジミー・バッサー。1999年は元チーム・オーナーのエイドリアン・フェルナンデス。2000年はクリスチャン・フィッティパルディ、2001年はクリスチアーノ・ダ・マッタと続きます。
複数回優勝はエイドリアン・フェルナンデスとサム・ホーニッシュJr.
2002年はCARTとIRLの両方がレースを開催して、CARTではバッサーが2勝目。IRLでは今やストックカー・ドライバーとなっているサム・ホーニッシュJr.が優勝しました。
2003年はIRLだけの開催で、サムホが連覇。この頃の彼は一昨年とかのロードコースにおけるウィル・パワーぐらい強烈に速かったぁ……ストックカーだとクラッシュばっかりのサムホだけど。
2004年にはフェルナンデスが2勝目。そして2005年にはダリオ・フランキッティが勝って、いったんフォンタナでのレース開催はストップになりました。このコースがNASCAR系列の所で、インディーカーは商売敵だってことで地元でのプロモーションをほとんどやらなかったんです。それに腹を立てたインディーカーの社長=ラインディ・バーナードが英断を下し、NASCAR系コースでのレース開催を全面的にストップしたんです。彼の前任者にはそういう勇気ある決断、全然できなかったんですけどね。ブライアン・バーンハートって名前の人です。
その後、NASCARとインディーカーの間の確執も幾分和らいで、フォンタナのコースの改修もなって、2012年からインディーカーのレースがまた行われるようになっています。インディーカーというメジャー・シリーズのレースを開催、盛り上げさせれば利益が上がる。そんな当たり前のことに彼らもようやく気づいたというか、NASCAR人気の上にあぐらをかいてると儲からなくなっちゃう……という危機感を近頃は抱いているってコトでしょう。
7年ぶり復活の昨年はDW12でエキサイティングな高速バトルに
去年のフォンタナは、チャンピオン争いも緊迫した状況だった上に、新型シャシーと新エアロ・パッケージによって、「これこそインディーカー!」という高速オーバルレースが繰り広げられました。そして、このバトルで勝利したのが、なんと、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)だったんです。そして、タイトル争いはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が制しました。2位はフランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、3位はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)。因みに、ポールシッターはマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)でした。ポイントトップでフォンタナ入りしたパワーは、序盤にしてクラッシュ、リタイアという一人相撲。見かけによらずプレッシャーに弱いじゃないか……との印象を世間に与えました。
ペンスキー、意外にもフォンタナ未勝利!
今年もフォンタナは最終戦で、チャンピオン争いは決着がついていません。ポイントリーダーはディクソンで、2位はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)。大雑把に言うと、上位でフィニッシュした方がチャンピオンになるという状況……より若干ディクソンが優位って感じになってます。
マニュファクチャラーズタイトルもかかった戦い、果たしてシボレー・エンジンはフォンタナでもパワーで優位にあるんでしょうか? それとも、燃費のアドバンテージを持つホンダが新スペックでパワー面でも巻き返して来るのでしょうか??
ガナッシ対ペンスキーという観点からですと、フォンタナでガナッシは勝ってますが、ペンスキーは意外や優勝経験がないんです(このコースを作ったのはペンスキー系列だったんですけどねぇ)。去年のフォンタナでの2チームを比較すると、ガナッシの方が成績は良かったんです。2人が表彰台に上りましたから。ところが、今年の高速オーバルでの成績で比べますと、ペンスキーはエリオがテキサスで1勝してまして、インディーでもペンスキー勢の方がパフォーマンスは良かったんです。さぁて、プレッシャーが大きくのしかかる状況での両者、今年のフォンタナでは果たしてどんな戦いぶりを見せてくれるんでしょうか。
タイトル経験のないカストロネベスの走りに注目
エリオはタイトル未経験で、ディクソンはすでに二度獲ってます。ペンスキー勢の最後のタイトルは2006年のサムホ。彼の後、ブリスコーとパワーがあと一歩のところでタイトルを取り逃してます。「ビッグタイトルってのは、来た最初のチャンスにズバッと一発で獲らないとダメ」という説があります。ブリスコーはペンスキーから放出され、パワーは三度取り逃した後(これはこれですごいんですが……)はランキングトップ10入りも危ういシーズンを過ごしました(今年)。
なお、今年のフォンタナでは、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)=今年のインディー500ウィナーかディクソン=今年のポコノ400ウィナーが勝つと25万ドルもの賞金がファジーズ・ウォッカから贈られます=トリプル・クラウンのうちの2レースを勝ったということで。
以上
0 件のコメント:
コメントを投稿