2013年10月7日月曜日

2013 INDYCARレポート 第18戦ヒューストン RaceDay 決勝:ウィル・パワーが今季2勝目!スコット・ディクソンが2位フィニッシュでポイント・リーダーに!!

ディクソンとの激しいバトルを制したパワー。久々にファイターの本領発揮 Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
9番グリッドからスタートのパワー、ディクソンとの激戦を制す
 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が久しぶりに彼らしいファイターぶりを見せつけての優勝を飾った。9番グリッドからスタートしての優勝だ。中でもスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)に対する40周目のパスは見事だった。リスタート直後のターン3で豪快にインへと飛び込み、パワーはトップに立った。

パワーとディクソンはピットでも激しい争いを繰り広げた Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大

 ディクソンはトロントに続くダブルヘッダー・スウィープを記録するため、最後までチャンスを伺っていた。しかし、チャンピオン争いのまっただ中にいる彼は不必要なリスクを避けねばならず、2位でのゴールを受け入れた。

Photo:INDYCAR (Bret Kelley)
 3位はジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)。昨日はスタンディング・スタートでストールして最下位だったが、今日は今シーズン3勝の実力を発揮して4回目の表彰台に上った。

惜しくも2戦連続の表彰台を逃す4位フィニッシュだったのはジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)。5位は昨日8位だったセバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)。6位は昨日5位だったシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)だった。ウィルソンはポイント・スタンディングで4番手へと浮上し、パジェノーはポイント2位(エリオ)に29点差まで迫った。
キャリア初の表彰台に昨日上ったシモーナ・デ・シルベストロ(KVレーシング・テクノロジー)は17番手スタートから10位でフィニッシュ。昨日、電気系トラブルでリタイア、20位だったたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は、今日はギヤボックスのトラブルが発生して21位フィニッシュとヒューストンの週末は散々なものとなった。


シボレーとホンダ、マニュファクチャラー・タイトルは同点に!
連日のトラブルにみまわれたカストロネベス、執念で7ポイントをゲット


 パワーの優勝=シボレーの9勝目で、マニュファクチャラー・タイトル争いはまたしても同点に。最終戦で勝ったメーカーが今年のチャンピオンになるということだ。両社ともグリッド・ペナルティを受けてもパワー・アップしたニュー・バージョンを投入してくることだろう。
ポールポジションからレースをリードしたカストロネベスだったが、ほどなくトラブル見舞われる Photo:INDYCAR (Bret Kelley)クリックして拡大
 最終戦を迎えるドライバー部門のポイント・スタンディング・トップ5は、1位=ディクシー、2位=エリオ、3位=パジェノー、4位=ジャスティン、5位=マルコとなった。それにしても驚きなのは、シーズン第2戦終了時点からポイントトップを守り続けて来たエリオがヒューストンでその座から転げ落ちたこと。最終戦目前のダブルヘッダー1戦目にギヤボックス内部のトラブルに見舞われて18位フィニッシュを余儀なくされた彼は、その翌日のレースではギヤボックス・ハウジングの破損という極めて珍しいトラブルによってスタートから10周目にしてストップした。
Photo:INDYCAR (Chris Jones)
 それでも、チーム・ペンスキーは今日もまた絶対に諦めない姿勢を発揮、ガレージに運ばれたマシンのエンジンより後方セクションを素早く取り外し、22周遅れで3号車をレースに復帰させた。その時点では最後尾の24位だったエリオだったが、33周目にクラッシュでリタイアしたカナーンを抜き、23位でゴール、8点を加算した。レース復帰をしなかった場合より僅かに1点だが多く獲得できたわけだ。この1点がチャンピオン争いでものを言う可能性はある。ポイント・スタンディングは最終戦を前に2番手へと後退し、ディクソンとの差は25点となったエリオだが、まだ彼にタイトル獲得の可能性は十分に残されている。
失意のどん底にあるだろう今のエリオだが、クルーたちだけでなく、チームメイト・ドライバーも大きなアシストをしてくれた。パワーがディクソンをパスして優勝していなかったら、最多リードラップとともに優勝したディクソンに38点もの差をつけられてフォンタナに向わねばならなかった。

惜しまれる佐藤琢磨、最終ラップのクラッシュでトップ10フィニッシュを逃す

最終ラップで佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)はクラッシュした。15番手スタートから7位まで順位を上げるレースを戦っていたが、ターン5でタイヤカスを拾ったマシンがスライド。すぐ後ろにつけていたダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が接触し、琢磨はスライドしてコンクリート・ウォールにクラッシュし、後続のEJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)がそこに突っ込んだ。フランキッティは琢磨の左後輪に乗り上げて宙へと舞い上がり、コンクリート・ウォールの上のキャッチ・フェンスにヒット。コース上に大破したマシンとともに着地した。幸いにも琢磨に怪我はなく、フランキッティに関しても、レース後にチップ・ガナッシが、「幾つかの場所の傷みを訴えてはいるが、ダリオは大丈夫」とコメントしており、両ドライバーとも大きな怪我はなかった模様だ。琢磨の最終順位は14位、フランキッティは15位となった。

以上

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