ダブルヘッダーの見どころはずばりタイトル争い
今週のみどころといえば、やはりエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が初タイトルにどこまで近づくかだろう。1998年からインディーカーで走って来ている大ベテランは、今年は信じられないほどの安定したパフォーマンスをシーズンを通して見せ続けてきており、シリーズ・チャンピオンの座に手を届かせようとしている。ポイント2位につけるスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)との差は49点。このまま逃げ切る可能性が高いとの見方がされている。ポイント3位はシモン・パジェノー(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。エリオとの差は70点もあり、デビュー2シーズン目のドライバーとしては目覚しいものだが、チャンピオン争いはエリオ対ディクシー、ペンスキー対ガナッシに絞り込まれていると見ていいだろう。
ストリートレース2連戦がエリオにどう影響するか??
今シーズンのエリオは1回しか優勝していない。テキサス・モーター・スピードウェイ=1.5マイルの高速オーバルでのものだけだ。最終戦は2マイルの高速オーバル=フォンタナなので、テキサスでの圧倒的勝利は精神的にプラスに働くだろうが、最終戦ならではのプレッシャーもあるだろうし、初めてのタイトルがかかった戦い、それも500マイルもの長い戦いでは何が起こるかわからない。エリオとすれば、今週末のヒューストンでタイトルに向けて大きな前進を果たしたいところだ。
しかし、今週末のレースはストリート。エリオの分は決して良くない。今年の彼のストリートでのパフォーマンス(下記)を見ると、「優勝したダラスと同じテキサス州でのレースだから、何か幸運が待ち受けていて欲しい」。そう願わずにはいられないだろう。
開幕戦セント・ピーターズバーグ:予選5位、決勝2位。
第3戦ロング・ビーチGP:予選6位、決勝10位。
第4戦サン・パウロ:予選18位、決勝13位(今年ただ1回のトップ10圏外! なぜか母国で……)
デトロイト#1:予選12位、決勝5位。
デトロイト#2:予選9位、決勝8位。
トロント#1:予選8位、決勝6位。
トロント#2:予選3位、決勝2位。
ボルティモア:予選7位、決勝9位。
というのがエリオの今年のストリートでのパフォーマンスだ。表彰台に上れたのはセント・ピートとトロントの2回だけ。驚異的粘り強さを成績に結びつけて来ているものの、ストリートではポールポジションもないし、予選だけでなく、レースでも速さを発揮したと言える戦いは少ない。
対するディクソンは、ストリートで速さと安定度を誇るが……
追う立場のディクシーの成績はというと、
開幕戦セント・ピーターズバーグ:予選20位、決勝5位。
第3戦ロング・ビーチGP:予選27位、決勝11位。
第4戦サン・パウロ:予選6位、決勝18位
デトロイト#1:予選16位、決勝4位。
デトロイト#2:予選7位、決勝4位。
トロント#1:予選6位、決勝・優勝。
トロント#2:予選ポールポジション、決勝・優勝。
ボルティモア:予選ポールポジション、決勝19位。
優勝もポールポジションも2回ある。サン・パウロでの18位とボルティモアでの19位が足を引っ張っていて、勝てなかったレースでは表彰台に上れていないが、ストリートレースでのポテンシャルは明らかにエリオより上だ。獲得ポイントを比較すると、エリオの225点を上回る242点をディクシーは稼いで来ているほどだ。こうしたところからもエリオがスンナリと逃げ切り、というワケには行かなさそうなのだ。アベレージ・フィニッシュで見ると、エリオが6.875位で、ディクシーは7.875位と安定感の高いエリオが良い数字を残しているが……。
以上
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