ポコノ・インディーカー400・フューエルド・バイ・スノコ
ポコノ・レースウェイ
ペンシルバニア州ロングポンド
全長2.5マイル(約4.023Km)×160周
7月7日 Race Day 決勝 22位 66周 コンタクト
「かなりいい感じで前を追えるかな?
と考えていた矢先にアクシデントになってしまいました」
Jack Amano(以下――):アクシデントになってしまいました。ピットロードでライアン・ハンター-レイにぶつかったのですが、佐藤選手も速かったかもしれませんが、ハンター-レイが異様に遅かったようにも見えたんですが?
佐藤琢磨:遅かったように見えましたね。でも、彼はそうは言ってなかったです。
――ブレーキをかけたらマシンが横を向いた……ということですが、すごく急激に接近していった感じでしたね?
佐藤琢磨:そうですね。パイロンと同じぐらい場所に相手はいました。
――あそこまではとてもよいレース展開で、3位までいったん上がって、トニー・カナーンに抜き返されましたが、序盤にして上位に食い込むというのはレース前に話していたとおりのレース運びができていたということだと思います。
佐藤琢磨:スタート直後、エリオと順位争いをして、最終的にリスタートでうまく順位を上げて、レース自体はものすごく安定していたというか、膠着状態になってはいましたけれども、周回遅れが出始めた時に、ピッパ・マンかな? 彼女が周回遅れになった時に一瞬ヒヤッとするシーンがあってTKに先にいかれてしまいました。その後も自分たちのレースをコントロール下に置いていたというか、ペース的には先頭に出ると厳しいけれど、ずっと追いかけることはできるという状態でした。マルコは見えていたし、ハンター-レイも見えていて、目の前がTK。僕としては追いかけている分にはペースがよくって、タイヤマネジメントも非常にうまくいっていました。マシンのバランス自体はすべて完璧というわけではなかったけれど、ピットストップでリヤウィングをちょっと寝かせました。最初はスピードが伸びなさ過ぎてたのでね。1回リヤウィングを寝かせてからは、次のピットで調整をすればかなりいい感じで前を追えるかな? と考えていました。そんな矢先にアクシデントになってしまいました。
「ハンター-レイとの間隔をブレーキで詰めて、
ピットストップで逆転しようと瞬間的に思っていました」
――インラップ、かなりタイム短縮に気合いを入れていたってところでしょうか?
佐藤琢磨:そうですね。アンダーグリーンでのストップだったので。マルコとの距離も縮まっていたので、射程内に入ったというか、頑張りたいって思ってました。特に、最初のストップもグリーン下だったんですが、ものすごくコンサーバティブに止まっていた。むしろ手前過ぎるぐらいだったので、2回目はどんぐらいプッシュすればいいのかはわかっていたつもりだったんですけどね。あの時は、ちょうどTKが目の前でピットに入るってことになっていまいた。彼に合わせて2台でピットに入っていくんだろうなって考えてたんです。ところが、TKの前のハンター-レイがピットに入ったことでTKはもう1周って方針変更しました。それで自分の前がかなりオープンなスペースになってたんです。それでピットに向いました。ハンター-レイとの距離は結構あったんだけど、ブレーキで詰めてって、僕としてはそこで十分に差を縮めて、ピットストップで逆転しようっていう風に瞬間的に思っていました、ウーン、見た感じ、僕のオーバースピード。自分の完全なミスでクルマを横に向けてしまった。リヤがロックしてしまったのでクルマが横に向いてしまって、スライドさせてライアンに当たってしまいましたね。
――バンプがあるとか、リヤがロックしたのには何かキッカケがあったんですか?
佐藤琢磨:いや、バンプがあったかどうかはわからない。ダウンシフトとともにブレーキングしていた時にロックしてスライドしてしまった。ただ、僕自身も限界までブレーキングを我慢してました。で、それによって判断を誤ってしまったというのも事実です。完全に自分のミスですね。
――ポコノの最終コーナーはすごいスピードでアウトにはらんでいきますよね? そこからピットロードへと一気に切り込んでくる。ちょっと他のオーバルとは違うピットインですよね?
佐藤琢磨:インディアナポリスと似ていますね。ある意味、横Gが残っている状態でブレーキなので、左、左に回りながら右側にGが残っている状態でブレーキで、その後にクルマをまっすぐにしなくちゃいけないんだけど、今度はGが左側にいく。その時にリヤが持たなかったみたいでしたね。自分がマシンのコントロールを失っちゃったわけだから、すごく反省しています。残念です。
「まさか後半があのような展開になるとは予想できなかったけど
完全な燃費レースになってもシフトできていたと思います」
――いいレースを戦えていただけに悔しいですね。
佐藤琢磨:あのようなレースの序盤の展開では、まさか後半がこうなるとは考えられませんでしたよね。だからプッシュしてプッシュして、トラック上で自力で前に出ていこうと思ってました。
――意外や、燃費レースになっていましたね? 佐藤選手としては、燃費の方はどうだったんですか?
佐藤琢磨:おそらく、ブッチギれていたと思います。勝ったのは僕と同じホンダ勢でしたからね。序盤はシェビー勢の後ろを走っている時には燃費セーブをしていました。レースが半分ぐらいまできたところで全体像がわかってくるだろうから、チームからの指示が来て、完全な燃費レースになると思ったらシフトできていたと思います。実際、僕が走っていたポジションで見ると、ガナッシ勢はもっとずっと後ろにいたでしょ? そういう意味では僕らに選ぶオプションはたくさんあったと思う。燃費レースにシフトしたければ、リードを保ったままそれを行うことができていたと思います。まぁ、これは後になってるからいえることですけどね。あの時はシボレー勢との燃費がこれほどに違うとはわからなかったし、彼らの圧倒的なスピードというか、それに対抗するのは結構大変だなっていうレースを考えていたので、だからリヤウィングも寝かせましたね。そして、そこからさらに色々調整をしていくつもりでした。
「こういうチャンスがあった時に自分のミスでレースを失ったことはつらいです」
――今日は暑かった。それもシボレー・エンジンに影響があったのかもしれませんね?
佐藤琢磨:もともとクーリングにシビアなのが彼らのエンジンの去年からの傾向ですが、ここ数戦は暑いレースでも向こうのパフォーマンスがかなり高かった。でも、今日はどうだったのかな? ボーダーラインを越えてしまって、一気に厳しくなったのかもしれません。こういうチャンスが結果的にあった時に、自分のミスでレースを失ったというのは非常に辛いです。
以上
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