冷静な走りでディクソンはレース1を制し、ポコノに続く2連勝。2位のブルデー、久々のポディウムはドラゴンレーシング初表彰台。そして3位のフランキッティには、仮表彰直後にブロッキングのペナルティが下されたが……。Photo:INDYCAR (Shawn Gritzmacher) |
トロント・ストリートコース
1周1.75マイル(=約2.816㎞)
7月13日 Day2 第12戦決勝(レース1)
まさに寝耳に水!前戦の佐藤琢磨の走行に5戦の執行猶予ペナルティ
またもや、あのヤカラの再登場によって……ということらしい。
「パワー持ってんのは俺だよ!」と世間に示したい。それがブライアン・バーンハートって男なんだな。しかし、なぜ彼がレース・コントロールに戻って来ちゃっているのか? インディーカー、血迷っているとしか思えない。
ランディ・バーナードの失脚で、バーンハートがまた暗躍を始め、それが成功しつつあるということなんだな。まったく馬鹿げた話だが、事実は小説より奇なるものと言うし……。ウーン、困ったものだ。
トロントでのスタート直前、前戦ポコノでアクシデントを起こした佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)に対し、彼は5戦の執行猶予を告げた。レースのペナルティを翌週の火曜日に発表するという、なんともとぼけたスタイルを今年になって貫いてきていたインディーカーだが、火曜日までにはお咎めとなる噂さえなかったコトが、1週間後に突然現実化した。水曜日から日曜までに何か議論がされたんでも、ルール変更があったんでもない。間違った男に間違ったパワーが与えられ、その男がすぐさまそれを使ったということだ。
トロントではレース直前にコーナー縁石のルールを変更→撤回
トロントでのレース中には、昨日から今朝の予選までのセッションでずっとオッケーだったコーナー・イン側の縁石ルールが突如として変更された。「4輪全部を乗り上げての走行は禁止!」と彼が言いい始めたためだった。しかし、もしそれを違犯とするなら、ほぼ全員にペナルティを科さねばならなくなったとわかったからなのか、彼は縁石乗り上げはオッケー……と一度発したルールを引っ込めた。こういうの朝令暮改という。指導者としての能力のなさ露呈されている。
その上、リスタートでブルデイのフライングを見逃し
同じく今日のレース中、最後からひとつ前のリスタートでセバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)がフライングしたが、コレは軽~く見逃した。あそこでパスされたディクソンの怒りのコメントをどうぞ。
「この話は前からしてるんだ。問題はスターターが毎回同じじゃないこと。そして、彼らはドライバーズ・ミーティングに毎回出席していない。今日のヤツはミーティングに来てなかった。今日のスターターが誰だったのかも僕は知らないし、その彼があの時点でのレースリーダーが誰だったかを把握していた、という点に僕は自信が持てないね。もしかしたら、彼はただマシンが最終コーナーを回って出て来たのを見ただけだったかもしれない。それじゃダメなんだ。他にも確認されるべきことはたくさんある。リスタートっていうのは多くのポジション・ゲインやポジション・ロスが起こり得るものだけに、今日みたいなことが起こるのは本当に残念だ。去年のボルティモアでライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がライアン・ブリスコー(当時はチーム・ペンスキー)を相手にフライングした。その件を僕らはずっと話し合って来てる。とても重要な問題だから、敢えて指摘する」。
極めつけがフランキッティのペナルティ
なんと発表後たった2時間後にお咎めなしに!
バーンハートはさらにミスを重ねた。最終ラップのリスタート直後、今度は3位を走っていたダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)にブロッキングの判定を下し、彼の3位フィニッシュを13位へと降格させた。……と思ったら約2時間後、それを「お咎めナシよ」とひっくり返した。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングの提出した走行データとビデオをチェックした結果、違犯行為はなかったとの決断に至ったんだという。じゃ、何を見たってんだろう、あの時に彼は……。
今度はフランキッティの怒りのコメントを。
「今日のレースで大きかったのは、最後のデタラメだね。正直言って、今日僕が相手にした全員がターン3でインサイドラインを守っていたよ。前車をパスしたかったらアウトから行くしかなかった。あの時だって、インサイドを走りますよという意思表示を僕は随分前に行っていた。それでも彼はインサイドを走りたかったってことなんだろうね。僕はブレーキを遅らせた。マシンは暴れていた。彼は壁に接触し、こちらのマシンに接触し、タイヤをロックさせてタイヤに突っ込んだ。あの一部始終のどこに僕の責任があるのか、サッパリわからない。こっちはインサイドを守っていた。アウトサイドは彼に与えてあったんだ」。
レース後の記者会見に「3位です」と呼ばれたマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)……アレは一体何だったんだろうか……。
すばらしいレース内容を台無しにするレースコントロールの野放図
思いやられるレース2の行方……
新シャシーになってからのインディーカーは、ホントにいいレースが目白押し。世間に「すごいレースがある!」とアピールする絶好のチャンスだというのに、シリーズ主催者の一部が足を引っ張っている。今すぐやるべきことは、1秒でも早くバーンハートから権力を取り上げることだ。
そしてフォイト陣営は、インディカーに改めて強い抗議を行うべき。そうしたら、琢磨の執行猶予処置もフランキッティの例と同じくナシになるかもしれない。
フランキッティの件が落着した後、今日のレースで実現しなかったスタンディング・スタートに、「明日のレースで再挑戦する!」という無邪気な発表もあった。初トライが流れたのは確かに残念だったが、「じゃ、第2レースで」って実に場当たり的に過ぎやしないか。
今日のレースに関しては、「ディクシー、2連勝&トロント初勝利、おめでとう。ランキング3位浮上もおめでとう」。「セバスチャン、2007年以来となる表彰台、おめでとう」。そして、「ダリオ、今日はクリーンにレースしてたよね」。さらには、「佐藤選手、明日はトラブルなく、アグレッシブな戦いっぷりを期待してるよ」と言いたい。さらに、「コンウェイ、頑張ったね」、「ヒンチ、暴れ過ぎじゃない?」、「チャーリー、いい走りだったよ」とも。
しかし明日、もう1レースが同じ距離で行われる予定とは何やら信じ難い。デトロイトでもう1回経験してるはずのダブルへッダーなのに。
以上
天野さん、Relax!
返信削除「バーンハート競技委員長」は今週限りのバーフィールドさんのreplacementですよ。
Indycarって人材不足なんですかね?ファンもドライバーもみんな彼のことを信頼していないことはわかっているのに。いくらテンポラリーだといっても彼を使うなんて・・・二度と彼が戻ってこないことを祈るばかりです。