Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大 |
6月15日 Race Day
天候:晴れ
気温:23~24℃
琢磨とカストロネベス、ハンター-レイ
三つ巴の戦いの期待が高まった終盤戦
ザ・ミルウォーキー・マイルで佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)がレース中盤に見せた速さは圧倒的だった。しかし、日本人インディーカー・ドライバーによるオーバル初勝利に手を届かせることはできなかった。
序盤のフルコースコーション利用によるピットストップは、後方スタート集団から琢磨とエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)をトップ争いへと引き上げた。彼らは2番手スタートからスピードを見せ続けたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)とゴール前に三つどもえのバトルを見せる……そんな可能性が高まって行っていた。
170周目あたりから琢磨のハンドリングがオーバーへと急転
ピットタイミングを早める作戦に切り替えたが……
Photo:INDYCAR(Shawn Gritzmacher) |
しかし、130周目辺りからエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)やチャーリー・キンボール(ノボ・ノルディスク・チップ・ガナッシ・レーシング)といった面々が琢磨の目の前に立ち塞がった。リードラップにとどまり続けようと彼らは琢磨にパスされないようにと執拗に抵抗した。琢磨はカストロネベスに対して6秒ものリードを築いていたが、それを吐き出した。そして、250周のレースが170周を越えたあたりからはハンドリングが大きくオーバーステアに振れた。
183周目のターン4、琢磨は壁に向って滑って行った。しかし、これを何とかコントロールした。タイヤにダメージを与えた琢磨はカストロネベスとハンター-レイに先行を許し、作戦を切り替えた。最後のピットストップを行うタイミングを早め、逆転優勝を狙うことにしたのだ。ライバル勢も必ずあと1回はピットストップを行う必要があった。琢磨に勝機はあったのだ。
201周目に琢磨はピット。そして211周目、ターン4でアナ・ベアトリス(デイル・コイン・レーシング)がクラッシュ。このフルコースコーションは琢磨の逆転勝利のチャンスを潰すこととなった。
ライバル勢は皆フルコース・コーション中にピットできることになったからだ。
スピードに勝るハンター-レイが最後危なげなく2年連続優勝
琢磨抜きのトップ争いはシンプルだった。レースを通してスピードを見せ続けていたハンター-レイが、カストロネベスを突き放してゴールまで突っ走ったのだ。結果は4.8059秒の大差によるミルウォーキー2年連続優勝。シーズン2勝目。ポイント争いでも2番手へとひとつ浮上。カストロネベスとの差は16点にまで縮まった。
「変化する路面に対応してマシンを合わせること、それを完璧にこなしていたのが今日の僕らだった。チームが最高の仕事をしてくれた結果の勝利だ」とハンター-レイは喜んでいた。
カストロネベスは、「後方スタートでの2位は悪くない結果だ。僕らのセッティングは慎重だった。我慢強く走る必要もあった。今日は2位でハッピーだ」と話した。
琢磨は7位フィニッシュで悔しがっていた。「レース中盤は本当にマシンが速く、ドライビングを楽しんでいました。それがどうしてオーバーステアになったのか。それも急激に……・。何か原因があるはずです。いいマシンが最後までいいままじゃなかった。そこがとても悔しい」と琢磨。それでも彼は今季4回目のトップ10フィニッシュでポイント・スタンディングを5番手から4番手へとアップさせた。
以上
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