Photo:INDYCAR(Chris Jones) |
シリーズ唯一の1.5マイル・オーバル、テキサス・モーター・スピードウェイでのレース=ファイアストン550の予選ではウィル・パワー(チーム・ペンスキー)がポール・ポジションを獲得した。
2周連続アタックの予選でパワーが記録したのは219.182mphという平均スピード。これは2位のマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)に1.6mph以上の差をつきつける圧倒的パフォーマンスだった。パワーただ一人が219mph台。2位以下は217mph台だったのだ。
今年2個目、キャリア31個目のポールは。ダリオ・フランキッティとセバスチャン・ブルデイに並ぶ歴代7位タイのポール獲得数となったが、今回のポールはパワーがオーバルでも飛び抜けた走りを実現可能だと世間に知らしめた。
「ドライビング能力が差を生みだしている」と語るパワーだが……
「1周だけでなく、2周でも僕らのマシンはとても速く、ハンドリングも素晴らしかった」とパワーは全面的に満足していた。「パック(集団)・レーシングでの僕らドライバーはマシンにただ乗っているだけだった。しかし、今のルールでの僕らはマシンを自分たちのテクニックを使ってコントロールしている。以前のレースはアクセル全開で、自分が幸運、あるいは自分のマシンがライバル勢より少し速いことを祈ることしかできなったが、今はレースがレースのあるべき姿になっていて、ドライビング能力の違いが差を生み出している」とダウンフォースの少ないマシンでの戦い大歓迎といったコメントをしていた。
パワーはさらに、「レースはおもしろいものになる。ダウンフォースの量は僕らがいいレースを戦うのに適したものになっている」と語ったが、「マシンによってはより大きなダウンフォースをつけてくる。それが思わぬ結果を呼ぶことも起こり得る。大きめのダウンフォースで走るドライバーがフレッシュタイヤを装着して最後のリスタートを迎え、彼ら以外のチームがタイヤを交換しない作戦に出たとしたら、新品タイヤにしたチームが大きくポジションを上げる……というように」と、思わぬ展開から勝利を飾れない可能性についても触れていた。パワーはそういうレースを数多く経験してきているからだ。
しかし、不運に見舞われたレースを悔やむより、オーバルでの確実性アップを彼は実現すべきだろう。昨年の最終戦フォンタナは、彼は優勝するパフォーマンスを必要としていなかった。ごく普通にレースを完走すれば、おそらく初のタイトル獲得ができていたはずだ。しかし、彼は単独クラッシュを起こし、チャンピオンシップを3年連続で逃すことになった。
パワーのオーバルでの勝利は、一昨年のテキサスでのレース2のみだ。あの2ヒート制レースは2レース目のスターティンググリッドをクジ引きで決めるとう愚かなルールが採用されており、あの日最速だったダリオ・フランキッティ(レース1で優勝)が最後尾に近いポジションからスタート。大き過ぎるハンディを跳ね除け切れず、前方グリッドからスタートするくじ運の強さを持っていたパワーが勝利した。あのレースでのパワーは強いくじ運を持っていたわけだ。
明日のレース、パワーは予選で見せた差をライバルたちに対して保ち続けることができるのだろうか? オーバルでも強い……というドライバーへの変身が明日は実現されるのか。注目だ。
以上
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