今シーズン、いまいち走りに精彩を欠いていたフランキッティが、通算31回目のポールを獲得 Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大 |
シボレー・インディー・デュアル・イン・デトロイト
レースウェイ・アット・ベルアイル・パーク
5月31日 Day1 予選
天候:雨 のち 曇り
気温:26~27℃
予選セグメント1開始直前に激しい雨
第1グループはフルウェットでコースイン
新しい試み、ダブルヘッダー。予選も当然2回行われる。
土曜決勝のシリーズ第6戦用の予選は、いつも通りの3段階方式で争われた。
セグメント1開始直前に雨。コレが結構激しく、路面は完全なるウェットに。第1グループはフルウェットで走り出し、徐々に乾いて行く展開になった。
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第2グループのセグメント1を制したのは琢磨!!
ここで早々に、そして意外にも敗退したのがウェットが得意なはずのセバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)と、ポイント・リーダーのマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。今年2勝のジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)もセグメント1突破に失敗した。
セグメント1のグループ2は、まだウェットコンディションの場所がかなり残っている状態で始まり、どんどん乾いて行く中での戦いになった。こうなるとセッション終盤にタイムが良くなるのが当然だが、クラッシュ一発でレッドフラッグの可能性も高いため、みんながアタックを続けた。トップはウェット大得意の佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)。2番手が今年二度目のスポット参戦を今度はデイル・コイン・レーシングから果たすマイク・コンウェイ。今年のロング・ビーチでも最初から速かったが、今日も絶好調で、2番時計で楽々とセグメント2に進んだ。以下、3番手がウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、4番手がEJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)で、5番手はセバスチャン・サーヴェドラ(ドラゴン・レーシング)。そして、6番手はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)だった。
こちらのグループでの脱落者の中には、去年のデトロイト・ウィナー=スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、インディー500ウィナーのトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)がいた。
佐藤琢磨、オフィシャルの不可解な判断でセグメント2のアタックのチャンスを逃す
セグメント2はハーフ・ウェットとドライ・コンディションが半々といった印象。ここではカストロネベスが走行を始めて間もなくスピンし、コース上にストップした。しかし、オフィシャルは彼を放置した。赤旗が出てもまったく不思議ではない状況だったが、延々とローカルイエローが出され、エリオはマシンから降りた。赤旗が出ないまま長い時間が経過。そして、多くのドライバーたちがエリオのマシンを横目にアタックを行っていると、突然赤旗になった。
この不可解なオフィシャルの判断によって、琢磨、パワー、パジェノーらがアタックのチャンスを失い、ファイナル進出を阻まれた。
予選ファイナル=ファイアストン・ファスト6へと駒を進めたのはハンター-レイ、フランキッティ、コンウェイ、タグリアーニ、ビソ、そしてジェイクスだった。
計測開始からコンウェイとタグリアーニはラップを重ね、他の4人は終盤のアタック一発にかける作戦に出た。そして、満を持してのコース・インを行ったフランキッティがトップタイムをマークした。
予選2位はビソのものに。3位はコンウェイで、4位はファイナル初進出だったジェイクスで、もちろん自己ベストの予選リザルト獲得。5位はアウトラップにコースオフしたハンター-レイ。タグリアーニが6位となった。
フランキッティ、不振を跳ね返す31回目のポール獲得
開幕からの4戦でほとんど目立った走りを見せて来ていないフランキッティだが、ウェットからドライというコンディションの変化にマシンとドライビングを合わせ、同時に、デトロイトのコースをCART時代から走っている経験を活かし、今年最初のポール獲得を成し遂げた。キャリア31個目のポールは、デトロイトでは初めてのものだ。
「難しく、チャレンジのしがいがある予選になっていた。コンディションの変化し続けた。そして迎えたファイナル、路面はドライになっていたが、まだグリップは低く、滑り易かった」とフランキッティは話し、「今日の予選では、マシンをコントロールするのが大変だった。それぐらいハードにアタックした。このコースはアグレッシブに走らないとタイムが出ないのでね」と彼はポール獲得の秘密を語った。
ビソは2位でも満足顔だった。フランキッティはインディーでのエンジン交換のペナルティで10グリッド降格。明日のレースはビソがポールスタートを切れるのだ。
なお、今年のコース・レイアウトは去年までのものとは違っている。ターン2の先のストレートが長くされ、コースの全長は昨年までの2.07マイルから2.35マイルへと伸ばされている。CART時代の後半に使われたコース・レイアウトだ。長くされたストレートの先はタイトな右コーナー。ハードブレーキが必要なのでオーバーテイクのチャンスが生まれる。
インディーではホンダ・エンジンが苦戦していたが、今週のストリートレースではホンダ勢がアドバンテージを持っているかのようだ。チーム力、ドライバー力によるところが大きいとも言えるが、ホンダ・ドライバーがトップ6に4人、トップ10に7人いるのだ。
予選8位となった琢磨は不満を露わにしていた。オフィシャルの判断が不可解だったためだ。赤旗を出すなら出す、出さないなら最後まで出さないというように、一度出した方針を彼らは変えるべきではなかったからだ。
「ずっとローカル・イエローだったのに、こっちがアタックを始めたら突然赤旗。一度もアタックできないうちに予選が終わってしまった」と琢磨。プラクティスでは不調だったセッティングも予選で良い方向に進み始めたようで、ドライコンディションでも速いタイムを出せる状態になっていただけに悔しい予選となったのだ。
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