2013年6月24日月曜日

2013 INDYCAR レポート 第10戦アイオワ Race Day 決勝:ジェイムズ・ヒンチクリフがオーバル初優勝!
佐藤琢磨はエンジントラブルでレースを終える

Photo:INDYCAR(Chris Jones)
2013年6月23日(日) アイオワ・スピードウェイ
天候:曇り ときどき 晴れ  気温:25~27℃


ヒンチクリフ、シーズン3勝目でランキングも4位に浮上!

 ミルウォーキーではライアン・ハンター・レイ(アンドレッティ・オートスポート)が強さを見せつけた。続くアイオワでは、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)が主役だった。ヒンチはこれで3勝目。ミルウォーキーでチームメイトのRHRが勝利数「2」に並んできたが、すぐさまアイオワでヒンチは彼を突き放した。
 第2戦バーバー、第3戦ロングビーチでの連続26位でポイントを伸ばせずにいたヒンチだが、今日の3勝目によってポイント・ランキングは4位へと浮上させた。トップをいくエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)と間にはまだ66点とそれなりに大きな差がある。しかし、1シーズンに3勝もしたら、そのドライバーはチャンピオン候補。この勢いがあれば逆転タイトルも可能性はある。

ペンスキー、マシンセッティングが合わず苦戦

 予選ではカストロネベスがトップで、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が2位だった。ミルウォーキーで2、3位フィニッシュした彼らがアイオワではアドバンテージを掴んだかに見えていた。しかし、レースに向けてチーム・ペンスキーが施したマシン・セッティングは、今日のコンディションにマッチしていなかった。パワーは序盤こそ上位で粘っていたが、ハンドリングの定まらないマシンで最終的に17位フィニッシュという惨憺たる結果になった。カストロネベスは経験の豊富さからかパワーよりもスピードダウンの幅を小さく抑えていたが、エンジン交換によるペナルティから11番手スタートし、とうとうトップ争いに絡むことなく8位でフィニッシュするのが精一杯だった。
 ヒンチと彼のエンジニア、クレイグ・ハンプソンは27号車を完璧に仕上げた。彼らは250周のうちの226周をリードする圧勝を飾ったのだ。「オーバルで勝てた。とても嬉しい。そして、このような勝利を掴めるのは素晴らしいチームのおかげであるということも今日のレースで強く感じた。本当に速いマシンだった。ピットストップも完璧だった」とヒンチは喜んでいた。


驚異的な追い上げを見せたハンター-レイ 

 2位でゴールしたのがハンター・レイだった。結果だけ聞けば驚きに値しないかもしれないが、彼は序盤にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)をパスしようとして距離感を見誤り、フロントウィングを壊した。その修理でRHRは最後尾まで一端順位を落としたのだ。そこからの2位フィニッシュは、彼の強さ、アンドレッティ・オートスポートの強さを明確に表していた。今日優勝を争った二人、ヒンチとRHRがこのまま今年のチャンピオン争いを繰り広げることになるかもしれない。
 今日のレースではグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の活躍も目立った。6番手スタートで序盤は順位を落とし気味だったが、予選レースから見せていたアウト側のラインを使った走りがレース中盤に彼をスピード・アップさせた。瞬く間に2位までジャンプ・アップ。その勢いでヒンチにアタックしたレイホールだったが、アウト側ラインを封じられ、レイホールはさらにアウトを走ってタイヤカスを拾い、そこからは後退していった。
 「あの走り方はフェアじゃない。僕は絶対にああいう戦い方はしない。だから彼も僕に対してあのような戦い方はすべきじゃない」とレース後のレイホールはヒンチに対して怒っていた。
 3位はトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)が手に入れ、4位には終盤に凄まじい追い上げを見せていたエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)のものとなった。


佐藤琢磨、順調に順位を上げるもエンジントラブル発生

 佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)はエンジン交換をプラクティス後に行ったペナルティを受けて17番グリッドからスタート。序盤の走りはスムーズで、50周をかけて11位にまで順位を上げてみせた。しかし、レース中盤からエンジンがトラブルを出し、162周でリタイアとなった。リタイアの少ないレースだったために琢磨の順位は23位。ポイント・ランキングは4位から8位に落ちた。
 「最初のスティントでのマシンはよくて、ピットストップでもポジションを上げて、リスタートも良かったから更に上に行けました。いい感じで走れていました。ところが、2回目のピットストップ辺りからスピードが乗らなくなって、エンジンのマッピング変更とか、燃料のミクスチャー変更をコクピットで何パターンも試したんだけれど、最後はエンジンが壊れてしまいました。マシンは良いのだけれど、メカニカル・トラブルが続いてしまっています」と琢磨は悔しがっていた。
 次戦は全長2マイル、三角オーバルのポコノ・レースウェイでの第11戦。89年までインディカー・レース(CARTシリーズ)が行われていたスーパー・スピードウェイでのレースだ。

以上

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