2013年6月23日日曜日

2013 INDYCARレポート 第10戦アイオワ Day1 予選レース1,2,3:シングルカー・クオリファイと予選ヒート・レースx3 ポールポジションはエリオ・カストロネベスのものに!佐藤琢磨は7位

Photo:INDYCAR(Chris Jones)クリックして拡大
改良された予選フォーマットはエキサイティングで大成功!

 去年から始まった予選レースだが、今年はアレコレと改良が施され、とても良い予選フォーマットになっていた。アイオワだけにとどめておくのがもったいないぐらいかもしれない。それとも、今後もアイオワだけの特徴として使っていくべきか?
 改良点1。シングルカー・クオリファイの導入。去年はプラクティス2でのタイムを基準にしていたが、今年はキッチリと1台ずつアタックをさせて順位をつけることにした。ただし、アタックは1周のみ。これまた特徴になっていてオモシロいのでは? インディー500は4周、他は2周、ただしアイオワだけは1周!と。

 改良点2。シングルカー・クオリファイのトップ6がヒート3に直接進む。去年はプラクティス2のタイムを基準に上位8人がヒート3へ進み、その8人だけがレースを行う方式だった。プラクティス2回目のラップタイムで出場全車を3つにグループ分けしてレースを行うだけだった。それが今年の場合は、先に行う2ヒートのレースでの1位と2位の合計4人を、敗者復活的にヒート3へと進出されるルールが加えられた=改良点3。最初の2ヒートのグループ分けは、シングルカー予選での7位以下は順位が奇数か偶数かで行う。偶数組がヒート1、奇数組がヒート2で戦う。
 そして、改良点4。ヒート・レースはどれも50周となった。去年の30周は短過ぎて何も起こらなかったからだ。
 予選でもシリーズ・ポイントが与えられること。それが12位までであることも、シングルカー+3ヒートの予選をエキサイティングにしていた。ヒート3には進めなくとも、ヒート1&2で3位に入れば1点が稼げる。24台出走の今回の場合、トップ6を抜いた18人が2グループに分かれたので、ヒート1&2は9人ずつが戦い、トップ3に入れば予選でのシリーズ・ポイント獲得がなり、4位以下はゼロとなっていた。


シングルカー・クオリファイのトップはカストロネベス

 シングルカー・クオリファイのトップはエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)で、2位がマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)。3位から6位は、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)、オリオール・セルビア(パンサー・レーシング)という順だった。この面々はヒート3へと出場を自動的に決めたカタチ。同時に、彼らは最低4点のシリーズポイント獲得も決めたのである。
 これらの6人に加わってヒート3を戦うのは、スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)、佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、グレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、そしてエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)の4人と決まった。この4人の下克上がなるか? は大きな注目点だった。


ヒート1で復調ぶりを見せつけたディクソン
ヒート2を制したレイホールは2年連続の優勝


 ヒート1、ヒート2を振り返ろう。
 ヒート1はポールポジションからディクソンが逃げ切った。琢磨は2位スタートからポジションをキープ。アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート・ウィズ・カーブ-アガジェニアン)が序盤にアタックしてきたが、2位をキープし続けると逆に相手のペースがガックリ落ちた。そこからの琢磨はディクソンとの差を縮めてゴールまで走った。
 ヒート2はヒート1よりエキサイティングなバトルとなった。ポール・スタートのカーペンターは順調にレースをリードしていたが、終盤に入ってスピードアップしたレイホールが大逆転! 昨年に続いてのヒートレース優勝を飾ったのだった。レイホールの走りはコーナーで高いラインを保つものだった。
 ヒート2では今日唯一のアクシデントも発生した。ジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がゴール目前の49周目にクラッシュ。イエローフラッグ下でレースは終わった。
 ヒート1でのライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)は9人中の8番手からスタートしたが、グリーンフラッグ直後に一気に4番手までジャンプアップ! しかし、そのまま4位でのゴールとなった。レース終盤にはタグリアーニに迫ったが攻略はならず。4位だったために1ポイントも獲得できなかった。
 その一方で最後尾スタートだったアナ・ベアトリス(デイル・コイン・レーシング)はフランキッティ、セバスチャン・サーベドラ(ドラゴン・レーシング)、セバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)の3人をパスする奮闘を見せて6位でフィニッシュした。逆に、ダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は大アンダーステアに悩まされ、7番手スタートから最後尾の9位でゴールした。
 ヒート2ではレイホールの躍進が最も目立っていたが、ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)も8番手スタートから4位までポジションを上げる好走を見せていた。
 逆にヒート2で順位を下げたのはジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)とヴィソだった。ニューガーデンは3位スタートで5位フィニッシュ、ヴィソは5位スタートで7位フィニッシュだった。

 シモーナ・デ・シルベストロ(KVレーシング・テクノロジー)は原因不明のハンドリング不調で3ラップ・ダウンでのゴール。ジェイクスは4番手スタートで8位となった。

ヒート3でもカストロネベスは盤石の走り
パワーも2位となり、ぺンスキーがワンツー


 ヒート3。10台による50周レース。
 スタートからカストロネベスは盤石だった。一度もトップを明け渡すことなく完全優勝。アンドレッティ勢に衝撃を与えた。アンドレッティは2位スタートで4位フィニッシュ。「セッティングが慎重に過ぎた」と敗因を語っていた。彼はチームメイトのヒンチクリフにも先行を許し、獲得ポイントは6点。ポイントリーダーのカストロネベスにまた差を3点広げられてしまった。ヒンチの前でゴールできていれば、それを2点に抑えることができたのだが……。
 2位は3番手スタートだったパワー。ペンスキーが1-2で勝利したのだ。対するアンドレッティ勢は3、4位でのゴールとなった。
 5位はディクソンのものとなった。序盤に2位を走ったカナーンは大アンダーステアが出て大幅に後退し、8位でのゴールとなった。
 6位はカーペンターで、7位は琢磨だった。琢磨はスタートで8位にジャンプしたが、セルビアとディクソンに抜かれた一旦最後尾の10位に後退。そこから7位まで這い上がった。抜いた相手はセルビア、レイホール、カナーンだった。
 ヒート3の結果ではシボレーがトップ4を占めていたが、シングルカーでのトップ7独占と比べると、ホンダ勢のパフォーマンスは向上していた。中でもディクソンの走りは非常に良く、明日のレースでの活躍に期待が寄せられている。琢磨も悪くないレースを戦っており、7位でのゴールとなった。
 逆にヒート3で苦戦をしていたのがセルビアとカナーンだった。どちらもハンドリングにトラブルが出ていた。

以上

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