USACプレジデントのケビン・ミラーとHondaのスティーブ・エリクセンががっちりと握手 Photo:INDYCAR(Jim Haines) |
ホンダのUSACでの活動は、かなり大々的になるようだ。「最大の目的は、インディー500の2016年の第100回大会にUSACのチャンピオンを出場させること」とアメリカン・ホンダのモータースポーツ・マネジャー、T.E.マクヘイルはいっていたが、「今日の発表は、今後幾つか行われる予定のホンダとUSACのパートナーシッププログラムの最初のもの」とも話していた。
ホンダによれば、まずはアメリカ全土で行なわれるミジェット・チャンピオンシップの幾つかで冠スポンサーを務め、次にはUSACイグナイト・ミジェット・シリーズでホンダは公式エンジン・サプライヤーとなり、さらには2014年からナショナル・ミジェット、イグナイト・ミジェット、クォーター・ミジェット・シリーズで冠スポンサーに。この時、イグナイト・ミジェットは”ホンダ・ミジェット”へと名称が変更される。ホンダの名を冠したシリーズがダートオーバルの世界で開催されることになるとは……。
目標はあくまで伝統的アメリカンモーターレーシングの振興
USACのミジェット系を一気に全面カバーしてしまいそうなホンダの勢いだが、ダートオーバルの主役はビッグマシンのスプリントカー=昔のインディーカーがそのまま生き残ったようなフロントエンジンのマシン。そちらはアメリカの自動車メーカーや、長年活動をしてきているチームや関連企業(エンジン・チューナーとか)をリスペクトし、ホンダは出張ってはいかない。すでにそこにいるライバルたちを打ち倒すのがホンダの目的ではなく、アメリカ伝統のモーターレーシングの振興を目指している。ミジェット&スプリントの世界はかなり古めかしく見える面があり、実際にそうした部分は少なくない。しかし、アメリカのグラスルーツがそこにあることは間違いなく、いまだに人気は根強い。参加型モータースポーツとして多くの人々、子供たちまでも含めた家族がレースを自分たちで、実際に身をもって楽しんでいる。それをアメリカのビッグスリーはずっとサポートしてきているし、トヨタも活動をしてきている。インディー500を彼らのモータースポーツ活動の頂点に据えているホンダは、フォーミュラカー系でモータースポーツの裾野拡大活動を始め、今年からダート・オーバルへと進出。インディーへと繋がるどちらのルートでもサポート体制をガッチリ作り上げる意向なのだ。
それにしても、発表の前の週末に行われたインディーの予選でUSAC出身のエド・カーペンターがポールを獲得したばかりと、タイミングがよかった。
*カーペンターのような才能がUSACの世界に少なくないことは、昨年サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシングからインディー500にスポット参戦したブライアン・クロウソンの活躍ぶりからも明らか。そのクロウソンは今年もインディー出場を目指していたが、残年ながら実現できなかった。今年の彼にはシボレー・エンジンで走る必要があった=シボレー・チームでUSACシリーズに参戦しているため。そして、インディーカーのシボレー軍団の中ではエド・カーペンター・レーシング(ECR)がエントリーした「40」と「40T」にクロウソンの乗れるチャンスがあった。しかし、ECRは最終的にそれらを走らせない決断を下した。「自分たちに2カーに体制を拡大する余裕がないと結論し、クロウソンを乗せる話は検討したが断念した」と予選後にオーナー兼ドライバーのエドは語っていた。USACの後輩にチャンスを与えたいという考えは持っていたが、チームの力を1台に集中したことでエドはポールを獲得できた。チームの判断は正しかった。クロウソンには来年またチャレンジして欲しい。
以上
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