2013年5月23日木曜日

2013 INDYCAR レポート 第97回インディー500 5月21日:エド・カーペンターのインディー・ポール その2 「229mphのラップを出せるか? 100パーセントの自信はない」

ファスト9でアタックするエド。それまでトップタイムをマークしていたマルコを上回る228.762mph平均を叩き出す Photo*INDYCAR(Bret Kelley)クリックして拡大

ファスト9の1周目に229mph台をマーク!
4周平均228.762mphでマルコのタイムを更新
強敵エリオ、ハンター-レイもエドのタイムを更新できず!


 エドはポール候補から外れたかに見えていた。ファスト9入りを決めた後も、「229mphのラップを出せるか? 100パーセントの自信はない」とエドは話していた。
 それが、実際にはファスト9で彼は229mph台を1周目に出し、4ラップ平均を228.762mphとしてみせた。この瞬間、マルコのポール獲得の夢が潰えた。第1セグメントのスピードが遅かった順のアタックで、エドのアタックは5番目。その前までで最速だったのはマルコの228.261mphだった。


 エドの次はエリオ。彼のアタックは1周目が228.770mphと、エドの4ラップ平均を下回った。そこからの逆転はほとんど100パーセント無理。去年も今年もみんなアタックは1ラップ目が最も速く、4ラップ目に向けて徐々にスピードが落ちて行くパターンになってるからだ。エリオの3ラップ目は227mph台に落ち込んだ。ポールが無理だとわかって緊張感が途絶えたんだと思う。リック・メアーズの通算6回はこのままだと破れそうもない。

 ムニョスはルーキーとは思えない落ち着きぶりで、ファスト9でも228.342mphの奮闘ぶり。それでもエドには0.42mph届かず。
  次がハンター-レイ。ピットで強敵のコースインを見ていたエドはいったい何を考えていたのか……。注目の1周目……は228.77mph。エドの4周アベ レージより極僅かに速いだけ。これまたトップに立つのは難しいと見えた。2周目からは自分の不利を知ってより激しくアタックしたんだろうけど、そういうの は大抵逆効果。3周目は227mph台前半までガックリとダウン。記録は227.904mphでムニョスよりひとつ後ろのに3位となった。ポールじゃない なら2位も3位も一緒ってとこか。
本命、ウィル・パワー、1周目のタイムを229mph台に入れたが……
2周目からラップタイムは急速にダウン!ポールポジションはエドの手に


 そして、パワーによる今年最後のポール・デイ・アタックが始まった。
  ウォーム・アップは220mph台に抑えられていた。少し抑え過ぎにも見えた。エドのウォーム・アップは227mph台に入っていたからだ。それでも、パ ワーの1周目は229.119mphでスタンドが沸いた。第1セグメントに続き、パワーは2ラップ連続で229mphを出してくるのか? 自身のイン ディー500初ポールを獲得するのか?
 2周目は228.375mph(!) 一転、エドが優位になった。2周の平均がすでにエドの4周の数字を 下回ったから。ハンター-レイ同様にドライビングでの挽回を目指し過ぎたんだと思う。パワーの3周目は227mph台にダウンし、4周目は 227.246mphにまで落ち込んだ。パワーとすれば、またしても栄光を取り逃がしたとの思いがあっただろう。今年最速の4ラップは、彼が第1セグメン トで実現した228.844mph。しかし、インディーのポールポジションは彼のものにならなかった。本当の勝負はファスト9でのアタックで決する。それ がルールだからだ。そして、今年は2回目、3回目のアタックのチャンスは与えられないルールともなっていた。


歓喜に沸くエド・カーペンターチームのピット Photo:INDYCAR

その3に続く

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