PPを獲得し、カーペンターは歓喜の輪に包まれる Photo:INDYCAR(Tim Holle)クリックして拡大 |
天候:雨 のち 曇り
気温:21~27℃
ファスト9進出は全車シボレーに
雨によってルール変更がなされた。
午後4時までのスピードでトップ24グリッドを決め、そのうちの上位9人がポール争いを4時半から6時まで行うという予選システムが、全員による順位争いを6時まで続け、6時半からトップ9によるポール争いを行うこととされた。そして、トップ9は3回までではなく、たった1回のアタックのチャンスしか与えられないことになった。リーズナブルなルール変更だと言えた。ファンはトップ9によるシュートアウトを見ることができる。一発勝負ならではのおもしろさも生まれた。
午後6時までの予選でトップ・スピードを記録したのは、計測4周のうちの2周を229mphに載せたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だった。228.844mphという堂々たる数字を彼はマークしていた。
2番手にはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がつけ、3番手には走行初日から好調を保ち続けてきているルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)だった。
残るトップ9も全員紹介すると、エリオ・カストロネヴェス(チーム・ペンスキー)、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、AJ・アルメンディンガー、EJ・ビソ(アンドレッティ・オートスポート)、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)というメンバーだった。
4番目アタッカーのカーペンター、4周平均228.762mphをマークしてトップに立つ
ファスト9のシュートアウトは、6時までの予選で遅かった順。まずはヒンチクリフがアタックし、それを次のビソが上回った。次のディンガーはビソを上回れなかったが、4番目のアタッカーだったマルコがトップを奪った。マルコのスピードは228.261mphだった。
マルコの次にコース・インしたのはカーペンターだった。彼は1周目に229mph台をマーク。4周目は227mph台にギリギリ落ち込んでしまったが、4周平均を228.762mphとしてトップに躍り出た。この瞬間、マルコのポール獲得の夢は潰えた。
エドの次はエリオ。過去4回のポール獲得経験者は3周目が227mph台、4周目は226mph台へと落ち込むアタックとなってしまい、9人中の8位二沈んだ。
残るは3人。ルーキーのムニョスは素晴らしい安定感で228.342mph平均を出す。しかし、エドだけは敗れずの2位となった。チームオーナーの息子、マルコは上回った。
その次はハンター-レイ。彼は3ラップ目に失速し、初のインディー・ポール獲得の夢破れた。
ラストアタッカーのパワー、計測2周目から失速
最後はパワー。229mphを出した実績を持つ彼は、この大事なアタックでも1周目い229.119mphを叩き出す。しかし、2周目は228.375mphまで大きく落ち込み、ここまでの平均でエドの記録を下回った。3周目は227mph台へとダウン。これでポール獲得の目はなくなった。結局、パワーは1周目終了時点のトップから、6番手まで順位を下げて予選を終えた。
インディアナ州出身ドライバーによるPP獲得!
「229mph台を出せる確信はなかった。それを僕らはファスト9のアタックで2周も出せた」とカーペンターは喜んでいたが、実際に229mphに乗っかったのは1ラップ目だけだった。それでも、彼は栄誉あるポールポジション獲得をやってのけたのだった。「楽しいアタックだった。チャンスがあるとは感じていたけれど、本当に僕らがポールを獲れるなんて信じられない。これはものすごく大きな栄誉だ。今の競争の激しさを考えると、うれしさは更に大きい」とエドは語った。トニー・ジョージの義理の息子として、インディアナ出身、ダート・オーバル育ちのドライバーとして、スピードウェイでのポールポジション獲得はこれ以上ない喜びだろう。
インディーでの予選におけるホンダとシボレーの対決は、今年もシボレーが圧勝した。ボウタイ軍団がトップ10を独占したのだ。去年のホンダは1台をトップ9に食い込ませたが、今年はゼロで、アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)による11位がベストだった。ホンダ勢2番手はジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)の14位。ホンダのエース・チーム、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングはスコット・ディクソンが16位、ダリオ・フランキッティが17位だった。
佐藤琢磨、アタック順が裏目に出て18位に終わる
佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は、去年よりひとつ上の予選18位だった。クジ引きによる2番手アタックは、路面コンディションが悪いネガティヴ要素を抱えていた。湿気の高いコンディションでは、ホンダ・エンジンがベストのパフォーマンスを発揮していなかったようでもあった。全員のアタック終了後、琢磨陣営は再アタックも検討したが、大きなゲインが見込めないために練習走行も行わなかった。
「今日やれることは全部やりました」と琢磨は語った。「昨日までとは大きく異なる天候のコンディションとなって、それにマシンを合わせるのは難しかったと思います。アタック中のタイヤの消耗と、ラップタイムのダウンをできる限り少なくするようセットアップをし、走りでも注意を払っていました。走りにもミスはありませんでした」とも琢磨はコメントした。しかし、「決勝用のセッティングは良い感じに仕上がっています」と気持ちを切り替えていた。「明日とカーブ・デイ、2日間の走行でマシンをさらに高いレベルに仕上げたいと思います」と琢磨。去年と同様のレースでの大躍進を期待したい。
以上
0 件のコメント:
コメントを投稿