Photo:INDYCAR(Jim Haines)クリックして拡大 |
そのタービュランスで一気にコントロールを失って、スピンしてしまいました」
Jack Amano(以下――):57周目のスピンまでとその後と、ふたつのレースになっていたように見えました。
佐藤琢磨:そうですね。まぁスピンの前は順調といえば順調だったんですけど、トラックがグリーンな状態では結構よくて少しずつポジションを上げていたし、ペースそのものも悪くなかったと思うんです。ただ、ちょっと兆候が見えていたんです。他のクルマの後ろに入るとマシンがナーバスになる。そういうところが見え隠れしていたので、かなり気になっていました。
――スピンが起きたのは?
佐藤琢磨:カルロス・ムニョスは独特のラインを使っては走ってたでしょう? 彼は2コーナーで前のクルマを狙ってたのかコースの内側に入った後に急に外に出てきて、そのタービュランスで一気にコントロールを失って、スピンしてしまいました。
――壁にはまったくぶつかりませんでした。
佐藤琢磨:はい。あそこで何のダメージもなくレースに戻れたのはよかった。でも、ラップダウンになってしまったんですよね。それはピットストップのシークエンスを変えることで取り戻せたんですが、今度はタイヤにブリスターが出てしまって、何とか追い上げをと試みたんですが、バランスが悪くて、グリップダウンも激しくて、厳しいレースでした。それで真ん中までポジションを戻してゴールするのが精一杯でした。
「走り出しはよかったんですが、路面ができあがってきてからのスピード感が悪かった」
――ピットストップやコクピット内での調整による対処はどうでしたか?
佐藤琢磨:セカンド、サードスティントでかなり苦労しました。一時期は1スティントを走り切る前にタイヤの摩耗、ブリスターが激し過ぎて1回ピットストップを行いました。それによってピットストップのタイミングが他とズレてしまった。それでも、1回ピットに入ると周回遅れになって、みんながピット作業に向うとリードラップに戻るという展開が続きました。
――抜きつ抜かれつのレースが続きましたね?
佐藤琢磨:エキサイティングなレースになっていました。常に、もう200周ずっとバトルをしていまたからね。今日は単独で走ってるシーンは1回もなかったんじゃないかな。すごいトラフィックだったので、アッという間といえばアッという間でしたけど、最後の方は時間がなかった。もうちょっとリスタートで順位を上げられれば良かったんだけど……。
――今日のマシンセッティングは走り出しからコンディションに少しだけれどズレがあったというところですか?
佐藤琢磨:いや、走り出しはよかったんです。でも、路面ができ上がってからのスピード感が少し悪かったですね。
「ブリスターに悩まされて、ほとんどのスティントで
後半にスピードダウンを余儀なくされていました」
――問題点は?
佐藤琢磨:ひとつはダウンフォースの設定でしたね。ウチは結構強めで最初は出ていって、コンディションが上がってクルマができ上がってきたらダウンフォースを落としてスピードを上げるつもりでした。しかし、ブリスターに非常に悩まされしまって、ほとんどのスティントで後半にスピードダウンを余儀なくされていました。ダウンフォースをあれ以上減らすことはできませんでした。
――ブリスターはプラクティスでは出てませんでしたよね?
佐藤琢磨:出てなかったです。
――決勝で突然出たのは?
佐藤琢磨:結局、パックで走って、相対的にレス・ダウンフォースになる。クルマのスライド量が多くて、その状態でタイヤが悲鳴を上げてしまいましたね。プラクティスでブリスターが出なかったのは、ほとんどパックでの走行ができなかっていうのがあるし、ウ~ン、原因究明って意味では、これからエンジニアとデータを見ないとわからないです。今日はそういう症状が出ていたので、その対策としてリヤタイヤを守るためにフロントのダウンフォースを少なくしていったんだけれども、すると今度は前のクルマに追いつくのが非常に厳しくなるっていう、どっちにもいけないという非常に厳しい状態でした。
――プラクティスの間にもうちょっとパックで走りたかったということですね。
佐藤琢磨:まぁそうですね。それによって、もう少し早めに色々なことがわかっていれば、また違っていたかもしれません。でも、チームはできる限りのことをしてくれていました。ピットストップも非常に良かった。あとはクルマ作り。インディーでのレースは本当に勉強になったので、今後のレースに繋げたいと思います。
――完走したのはポイントの面からは大きいと思います。
佐藤琢磨:そうですね。もちろん500だし、去年のレースがあった後なので、13番手っていうのは非常に悔しいです。でも仕方ないですね。またチャンピオンシップ争いも熾烈になってくるだろうし、またリードを取り戻すために今後のレースもシッカリ頑張ります!
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