インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
インディアナ州インディアナポリス
1周2マイル(=約3.218km)×200周
5月11日 オープニングデイ プラクティス1 217.734mph(=約350.334km/h) 13位 29周走行
初日、使用したタイヤは1セットのみ
いよいよインディー500のプラクティスが始まった。今日、ヴェテラン勢に与えられる走行時間は4時間。AJ・フォイトもインディー入りしてピットで見守る中、佐藤琢磨は29周を走行し、217.734mphというベストで13番手につけた。いきなりトップタイム……という派手なスタートではなかった。しかし、新車をジックリとシェイクダウン。ジリジリとスピードを上げて行った。使ったタイヤは1セットのみ。琢磨&フォイトのコンビで戦う初インディーは、まずはスムーズな滑り出しを実現したといっていいだろう。
「今日のマシンは完全なブランニュー」
Jack Amano(以下――):今年も始まりましたね、インディー500が。どうでしたか、走行1日目は?
佐藤琢磨:久しぶりだったんで、やっぱりスピード感を感じました。500特有のフィーリングっていうんですかね? テキサスでテストを今年やってるんだけど、インディー特有のこのクルマが持つフィーリングがようやく戻ってきたかなっていう感じです。
――今日のプログラムはどんなものだったんですか?
佐藤琢磨:今日乗ったクルマは完全なブランニューなんですよ。1マイルも走ってないものだったんです。この冬の間、4ヵ月間かけてチームが準備してきたクルマを今日シェイクダウンしたので、すべてのパラメーターをチェックする、それが今日の主なメニューでした。
――じゃ、今日はスピードはまったく気にしない……という1日だったんですね?
佐藤琢磨:もちろん、そうです。ただ、同じようなウィングアングルで走っている人たちのスピードは見てましたけど、それ以上に、根本的なライドハイトなどの基本的なところを見てました。
――AJ・フォイト・チームのインディ用マシンはどうでしたか? まだ1日目で、評価をするのは早いかもしれませんが。
佐藤琢磨:いいです。いいけど、まだちょっと時期尚早ですね、その話をするには。まだトラフィックは使ってないし、まだ全力で走っている感じもしてないので。まぁ、余裕がある走りをしている中ではフィーリングとしては悪くない。最初っからいいところにいる感じがしています。
――ROPが間に2時間入る変則的スケジュールの走行初日でしたが、今日は体慣らしといった1日ともいえるものでしたか?
佐藤琢磨:うん、そうですね、全体にね。ドライバーだけじゃなく、チームもエンジニアも全員が500にモードを合わせるためのシェイクダウンといった感じでした。慣らしっていっていいものだったと思います。クルマそのものも今日は慎重にチェックして、チェックしてって感じ。それでも217マイル台には入れた。それはすごくポジティブだったと思います。
「早くもう1台のマシン、チームメイトが走り出してほしいです」
――長い長いイベントであるインディー500を今年の佐藤選手は新たなチームと戦います。今日を迎えるにあたってミーティング、打ち合わせもあったと思いますが、今までのチームとはまた違いますか?
佐藤琢磨:いや、今までと基本は変わらないですね。ただ、ロードコース、ストリートでのこれまでの4戦とは違うので、それを一度みんな白紙に戻して、全体的にリセットしてやっています。僕としては、早くもう1台のマシン、チームメイトが走り出して欲しいですね。
――41号車のことですね。コナー・デイリーは今週末、スペインでGP3を戦ってるとか?
佐藤琢磨:そうなんですよ。早くインディーに来て欲しいですね。2台で比べながらテストプログラムをやりたいので。
――今日の自分たちを評価すると、どうなりますか?
佐藤琢磨:今日はちょっと雨が降ったけど、夕方はコンディションもすごく良くて、そういう中で走れたことはポジティブでした。
――明日から天気は当分良さそうという予報ですね?
佐藤琢磨:でも、ちょっと寒いんですよね、予報だと水曜日ぐらいまでが。そこをどうするか、ですよね。クルマ作りをする上では、コンディションが安定していることが大事なんですけど。
「毎年、どんどん慎重になっていきますね」
――今の時点では、予選や決勝がどんな天候、コンディションになるかはハッキリわかりません。
佐藤琢磨:予報だと暑くなるんですよね、決勝は。プラクティス、予選までは結構涼しくて、来週以降は一気に気温が上がってくるらしいんですよ。まぁ、そのあたりは慎重に見ながらクルマを作っていきたいです。とにかく大事に、大事に手塩にかけて作り上げたクルマだから、もうすごく、いつも以上に慎重でしたね、今日は。僕の500に入るのも、1年目から毎年どんどん慎重になってきてます。毎年2倍ぐらい慎重になってる感じですね、フィーリング的には。やっぱり、最初はどんな感じかわからないっていうのもあるし、怖いもの知らずってこともある。500の怖さを知らないから。そういう意味では、さっきの話のように、慣らしっていうのか、ランニングインていうのをすごい低空飛行でやってます。
――もう知っている世界なので焦りはないってことですね?
佐藤琢磨:そうだ思います。クルマもそうだし、体も、ここではフィーリングが重要ですから。すべてのセンサー、センシングっていうのが奇麗に整ってからじゃないと、あんまりクルマをいじっても意味がないんです。実際にトラックを走っているクルマと、パッドの上に乗ったクルマに施す変更、去年のデータとの比較……そこにどういうオフセットがあるのかというチェックを今日もやっていました。
――明日のプログラムは?
佐藤琢磨:まぁ、今日と変わらない、スローなペースで着実にやって行く1日になると思います。ただ、もうちょっと攻め込むっていうとおかしいけど、もうちょっとシッカリと色々な方向にマシンを振ってみて、クルマがどうなるかっていうのを見ると思います。
以上
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