Photo:INDYCAR(Bret Kelley) |
見応えある予選だった。
ポールを争ったのは、ファイナルへと駒を進めた6人のうちの3人だったが、彼らは三者三様の戦いぶりを見せた。
今週末はずっとマシンセッティングが決まりきらないでいるウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。彼は周回数を増やしてベストラップを手に入れようとしていた。そして、ファイナルステージの最終ラップに、彼は思惑通りに自己ベストを出した。しかし、結果は2位だった。
開幕戦とは打って変わって、金曜の走り出しから好調のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は、予選ファーストステージで1分6秒7750をマーク! セカンドステージでも1分6秒9095を出した。6秒台に突入できたのは彼だけだ。しかし予選ファイナル、ディクソンはポールを獲るに足るラップタイムをユーズドレッドでは出せず、予選結果は4位となった。
一発勝負でポールポジションを得たハンター‐レイ
ポールポジションを手に入れたのは、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)だった。彼は昨日のプラクティス2回で12番手のタイムしか記録できていなかったが、「タイヤを温存しているだけで、すべては計画どおり。マシンの仕上がりは非常にいい」と自信を見せていた。
今朝のプラクティス3で4番手につけたハンター-レイは、予選では路面コンディションが整ったタイミングに短いアタックをして勝負する作戦に出た。ファーストステージでは4周のみ、 セカンドステージは2周で通過してみせた。ファイナルでも彼は同じく2ラップ、加速1周+アタック1周でポールを獲りに行った。セカンドチャンスなしの一発勝負を行うだけの自信を持っていたということだ。そして、ミスのないアタックラップを達成、今季初のポールポジションをその手に掴んだ。セッションごとに変化する路面コンディションに対し、アンドレッティ・オートスポートのエンジニアたちが的確な調整を行なったことも彼のポール獲得に繋がった。
ヴォーティエ、開幕2戦連続でファスト6進出!
予選3位はトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がゲット。佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)が走路妨害のペナルティを受けたことでファイナル進出を果たしたルーキーは、ディクソンをも上回ってホンダ・ユーザー最速となった。まだデビュー2戦目だというのに、目覚しい働きぶりだ。ルーキーにとっては予選でファイナルに進むだけでもすごいことなのに、彼は開幕2戦連続でそれを達成している。今年は第2戦にして、ファイナル進出を続けているのはパワー、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)とヴォーティエの3人だけとなっている。
佐藤琢磨、不可解な進路妨害裁定を下される
琢磨は前述のとおり、セカンド・ステージ中にジャスティン・ウィルソンに対して走路妨害を行なったとして予選タイムを認められず、セカンド・ベストだったラップも取り上げられて、予選12位となった。セカンド・ステージ終了時点での彼は1分7秒2337のベストで4番手につけており、グリッド2列目に食い込んで行く可能性は十分期待できる状況にあった。3段階の予選が採用されて以来、走路妨害でペナルティを受けた例は記憶になく、何やら意図的な、そして不透明な裁定と感じざるを得ない。パワーの走りに対し、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)が意図的なブロッキングがあったとの苦情を呈していたが、そちらは何のお咎めもなし。審議がされたかさえも疑問だ。
予選5位はチャーリー・キンボール(ノヴォ・ノルディスク・チップ・ガナッシ・レーシング)。デビュー3シーズン目で初めてのファイナル進出だ。
予選6位はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)。去年のアラバマ・ウィナーはファイナル進出を果たしたもののトップ6の中では最下位となった。
コース路面の改修、新コンパウンドと新コンストラクションを採用したファイアストン・タイヤ、各チームのダラーラDW12への習熟、そしてパワー競争展開中の2メーカーによるエンジンの性能アップがラップ・タイムの大幅向上を実現した。今日のポール・タイムは、一昨年記録されたコース・レコードより2.7658秒も速かった。そして、出場26人全員がレコードを破っていた。
シモーナとバジェノーは何とファーストステージで敗退
決勝直前のプラクティス3で最速だったシモーナ・デ・シルヴェストロ(KVレーシング・テクノロジー)と、同セッションで2番手につけたシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)は、どちらも予選ファーストステージでまさかの敗退を喫した。どちらも僅差での7位となって次のステージへとギリギリで進めなかったのだ。
開幕戦でキャリア初優勝を飾ったばかりのジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)も、タイトル獲得4回のダリオ・フランキッティ(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)も、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)もセカンドステージに進めなかった。
開幕戦3位のマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は、ファイナル進出を惜しくも逃して予選7位だった。
今日の予選では、セバスチャン・サーヴェドラ(ドラゴン・レーシング)が9位、ジェイムズ・ジェイクス(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が11位に食い込んだ。サーヴェドラはセバスチャン・ブルデイという先輩、ジェイクスはグレアム・レイホールというチームメイトより好結果を残したのだ。また、スポット参戦のAJ・アルメンディンガー(チーム・ペンスキー)も、ロングビーチ戦への参戦を発表した後の予選で10番手とまずまずの結果を残した。
以上
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