コナー・デイリー。父、デレックとともに Photo:Amano e Associati |
今シーズンから佐藤琢磨をレギュラーとして走らせているAJ・フォイト・レーシングは今日、インディー500に2台目をエントリーし、ルーキーのコナー・デイリーを走らせると発表した。コナーは元F1ドライバーで、アメリカでもインディーカー、そしてIMSA GTPで活躍したデレック・デイリーの息子。デレックはアイルランド出身だが、コナーの生まれはインディアナポリスの北のノーブルスヴィルで、現在21歳だ。過去2シーズンはGP3に参戦しているコナーは、今年はGP2で戦っているが、GP3、インディーライツ、スター・マツダなど、コナーはこれまで出場してきたすべてのカテゴリーで勝利を記録してきている。
12月の初テストからとんとん拍子に
このオフの12月にフォイトのチームでインディーカー初テストのチャンスを与えられたコナーは、チームに好印象を与え、それがABCサプライ/ダラーラ・ホンダの41号車に乗ってインディーカーへのデビューを果たす話へと発展した。チームのディレクターを務めるラリー・フォイトは、「オフの間に必要なテスト項目が我々にはあったのだが、コナーにセブリングでのテストのチャンスを与えると、とても良い走りをしてくれた。彼は速く、スムーズで、トラブルを起こすこともなかった。マシンのセッティング変更をすぐさま感知し、シャシーセッティングに関しての能力が高いこともわかった。これまでに多くのルーキーを走らせてきたが、コナーならいい仕事をしてくれると思う」と若いドライバーに期待をかけている。
“地元”インディー500参戦にデイリーは興奮
「インディー500でレースを戦うチャンスをもらった。これがどれだけの意味を持つか、ことばでは表し切れないぐらい。去年はモナコでのレースに出場していたので観戦できなかったが、インディー500は現場で毎年見てきた。僕はインディアナポリス周辺で生まれ育ったから、インディーは本当の意味でのホームレース。AJ(・フォイト)とラリー(・フォイト)が世界で最も偉大なレースに出場するチャンスをくれたことに深く感謝している。陳腐な表現だが、僕の今、自分の人生で最も大きな喜びを感じている。このレースは僕にとり、それだけ大きな意味がある」と若いデイリーは感激している。
今年のインディー500参戦ルーキーは4人目
これで今年のインディー500参戦予定ルーキーは4人になった。コナーと、トゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、カーロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)、そしてAJ・アルメンディンガー(チーム・ペンスキー)だ。彼らは4月11日にインディー500のルーキー・オリエンテーション・プログラム(ROP)を受け、3段階あるうちの2段階までをパスしなくてはいけない。ROPは通常ならインディー500のプラクティス開始直前に行なうが、今年はブラジルでの第4戦が5月第1週にあるため、4月中の開催となっている。ROPの第1段階は時速200~205マイル平均での連続10ラップで、同じく205~209mphの10ラップが第2段階。最終段階は、210mphプラスでの連続15周だが、こちらは5月に入ってから、約1週間に及ぶインディー500のプラクティスで通過すればよい。
ラリー・フォイトは、「コナーにインディー500初出場のチャンスを提供できることになり、ワクワクしている。彼のオープンホイールでのキャリアを見てきて、昨年のテキサスでのF1で彼に会い、すぐに我々は意気投合した。セブリングでのテストで、彼がインディーカーで走れることが確認できた。私の父AJからの指導も受けることで、この5月を素晴らしいものにできる可能性は十分だ」とも語っている。そして、息子コナーのマネジャーでもあるデレック・デイリーは、「コナーをAJが選んでくれたことが嬉しい。AJと、彼のチームの才能あるエンジニアたちは、コナーにとってピッタリの学習環境だ」とコメントした。
チームメイト誕生は佐藤琢磨にもメリットが
今年もレギュラーシーズンを1台体制で戦っている佐藤琢磨だが、インディー500では昨年同様にチームメイトを持てることとなった。もちろんデイリーはルーキーのため、琢磨が今年のインディー500でチームメイトの存在から大きなメリットを享受できるとは期待しにくい。しかし、ある程度の仕事は分担が可能で、完全なる1台体制に比べればプラスは大きくある。
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