Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano)クリックして拡大 |
――パワーはアッサリ抜けましたが、ハンター-レイには長いこと引っかかっていましたね?
佐藤琢磨:そうですね、彼はレッドタイヤを履いていて、曲がりにくそうにしていました。レッドタイヤのトラクションを活かして出口が彼は速かった。でも、ずっと狙っていて、プッシュ・トゥ・パスを使って追い抜けた時は、すごく嬉しかったですね。ブラックタイヤで順位を上げるっていうのは、なかなか難しいことなんです。スタート前に僕らの立てていた目標は、順位をホールドすることでしたから、順位をゲインできたのはすごく嬉しかった。
その後に、ダリオに近づて行けたことにもすごく勇気づけられました。そして最後、ピットに入ったタイミングもホントに素晴らしかったんで、リスタートもまったく心配はなかったです。
「チームはプレッシャーの中で素晴らしい仕事をしてくれました」
――2回ともピットストップが超速でした。
佐藤琢磨:開幕からの2レースでは、メカニカルトラブルもあったけれど、ピットで問題が起きて順位を下げていました。ずっとここまで、うまくできなかった分、チームもホントに練習を重ねたし、プレッシャーもあった中で素晴らしい仕事をしてくれました。本当にチームには感謝しています。
「最後のスティントはうまくいきました
速く走ったというより、かわらない走りをずっと続けていました」
――グレアム・レイホールが終盤にプレッシャーをかけてくるシーンもありました。
佐藤琢磨:あのあたりはスリップに入られたらまずいと考えてました。彼の方が速いのは知ってたんだけども、落ち着いて燃料をセーブしながら、タイヤも労って走っていました。で、彼が近づいてきてからは同じペースで走って、最後のスティントは、うまくいったというか、バランスも最後までほとんど替わらないように走れたし、そうですね、僕は速く走ったというよりも、変わらない走りをずっとしていました。
――そうしたら相手が遠ざかっていった。
佐藤琢磨:はい。タイヤのデグラデーションとか、燃費がその原因に考えられるんでしょうね。逆に言えば、僕もフューエルセーブをちょっとしてたんですけども、すごくうまういきました。
――キンボールのクラッシュ以外、不安を感じたシーンはありましたか?
佐藤琢磨:不安は、スタートからゴールまでずっとありました。
最後の最後、ファイナルラップでうまくいかなくなったことも自分の経験の中にあったし、去年のここがそうでしたよね。だからホントに気は抜けない。もしかしたらメカニカルトラブルが出るかもしれない。ただ、ホントにここまでずっと順調だったので、プラクティス中に出たギヤボックスのトラブルもシッカリと改善ができたので、そういうあたりの不安はなかったです。
その3に続く
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