第3戦 ホンダ・インディー・グランプリ・オブ・アラバマ
バーバー・モータースポーツ・パーク
アラバマ州バーミングハム
全長:2.30マイル(=約3.70㎞)
4月6日 Day2 予選 12位 1分08秒9650 セカンドステージ敗退
ファイナルステージ開始直前にタイムモニターから14が消滅
「Q3に簡単に進めることはないだろうけど……」とプラクティス3回目を終えた佐藤琢磨(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は語っていた。そのプラクティスでは1周をうまくまとめ上げることができず、24番手のタイムを出すに留まった。しかし、彼は手応えをガッチリと掴んでいたのだ。
予選での琢磨は見事な走りでファーストステージをクリアし、セカンドステージでも4番手に入る堂々たるラップタイムをマーク。開幕から2戦連続のファイアストン・ファスト6進出を果たしたかに見えた。
ところが、ファイナルステージが始まる直前、カー・ナンバー14がタイム・モニター上から消え、カー・ナンバー55が最下段の6番目に現れた。セカンド・ステージで7番手だったトゥリスタン・ヴォーティエ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が、琢磨に代わってファイナルを走る権利を繰り上がりで与えられたのだ。
「僕自身もアタックラップだったので納得いかないです」
Jack Amano(以下――):Q2で4番手のタイムを出し、Q3進出を果たしたと思ったんですが、何があったんでしょう?
佐藤琢磨:ペナルティでふたつのファステストラップを取り消されて、Q3に上がったのも取り消されて、12位ということになりました。
――Q2のビリってことになったんですね? ベスト2ラップ取られたら、誰でもそうなっちゃいますね。
佐藤琢磨:はい、そうです。
――何のペナルティですか?
佐藤琢磨:予選アタック中のクルマの進路妨害ってことになるらしいんですけど、納得が行かないのは、確かに近い状態ではあったんだけど、僕自身もアタックラップでバックオフしなくちゃいけなかった。僕の前にはジェイムズ・ジェイクスがいて、追いついてしまったので、ターン5のヘアピンの出口からターン7の下り坂のところまででスペースを空けようとしたんです。最初のセグメントもタイムを出すために2周ぐらいバックオフしたし、セカンドセグメントも2周バックオフしなくちゃならなかった。みんなそうやってるんですよね。みんな自分のラップを守るために、前のクルマに追いつき過ぎないようにスペースを空けてアタックする、そういう形でやってる。あの時はまだタイヤ履いて1回目のアタックをしていたところだったから、まだ3回ぐらいは行けた。ジャスティンも同じ状況だったんですよね、残りが5分だったから、みんな同じ状況だった。だから、ジャスティンが僕と同じように見て、バックオフすればペナルティにはならなかったらしいんですけど、彼がアタックを続行して僕に近づいたことで、僕がペナルティを受けるという理論なんです。
――ジャスティンとの間に接触とかはなかったんですよね?
佐藤琢磨:接触はないです。
「自分としてはジャスティンにレースラインを譲ったつもりなんだけど
その前にすでに影響があったということでペナルティの対象に」
――そのラップが遅くなっただけでペナルティなんですか?
佐藤琢磨:あそこは一番見えにくいセクションで、僕としてはジャスティンがミラーに映った瞬間に内側のラインに逃げて、彼にレースラインを譲ったつもりなんだけど、その前に影響がすでにあったということでジャスティンが抗議して、それで僕がペナルティの対象になった。僕自身が例えばジェイクスにくっついて行ってたら、ジェックスがペナルティだったらしいんですよね。
――このペナルティに琢磨選手は納得ができてないんですね?
佐藤琢磨:納得はできてないけど、そういうルールっていうことで、もう仕方がないです。これまではそうじゃなかったから、自分もトラフィックに引っかかるのは嫌だから、クリア・ラップを取りたいから間隔を空けてたんですけどね。これからは、後ろからバーッと誰かに近づいていって、スピード差がふたりの間にあって、前がどかなければ、その人がペナルティってことらしいんですよ。
――今までずっと、ロードコースの予選で進路妨害のペナルティなんて誰も課されてなかったのに。
佐藤琢磨:ないです。
――何か新しいルールができたってことですか?
佐藤琢磨:うーん、わかんない。
――見ていても全然納得が行きませんでした。
佐藤琢磨:納得行かないです。だからチームも全員が抗議に行きました。
「明確なルールを作らないといけない」
――今回の結果が覆らないのは、もう仕方がないところはあります。
佐藤琢磨:そうですね、もうこの結果を直すことはできないのでね。でもおかしいのは、今度からは、もう間隔を空けずにそこのけそこのけでバーッと行ったら、他のドライバーは避けないといけない。そうしないとペナルティの対象になるってこと。だから、今後の対策としては、後方何秒にクルマがいて……っていうのをチーム側からも、これからは情報をもらうようにしなければいけないってことです。
――佐藤選手としては、ドライバーズミーティングなどでドライバー仲間にも何か主張したいところがあるんじゃないですか?
佐藤琢磨:明確なルールを作らないと。これまでこういうペナルティってなかった。それが、これまでにない厳しい裁定を今回の僕は受けた。それによって、他のドライバーもこれからは気をつけろって、そういうことみたいですよね。
――何かちょっと生け贄っぽいですね。
佐藤琢磨:はい(苦笑)。
――この後、ロング・ビーチ、サン・パウロとストリートレースが続きます。予選の戦い方、見方が今までと変わってきちゃうぐらいの話です。
佐藤琢磨:そうですね。そんなに大きくは変わらないと思うけれど。
「今日の状態を見ればほんとに2列目も狙えたかもしれない」
――12位までの降格は厳しいペナルティですね。
佐藤琢磨:ストリートだったら何とか挽回できるけど、ここでのこのペナルティはキツいですね。まして、トップ6には残れてたわけだから、どんなに悪くてもP6からスタートできていた。今日の状態を見れば、ホントに2列目も狙えてたかもしれない。それだけに残念ですね。
――去年はレッドタイヤで苦しむレースとなっていましたが、今年はレッド装着の予選で速いタイムが出ていた。何か掴めたということですか?
佐藤琢磨:3回のプラクティス・セッションまで、今回はあまりうまく行ってなかったですけど、そのうまく行ってない部分が見えて、予選に向けた対策を施した。もうヤルしかないって状態でしたね。それで、うまくオイシイところに着地できたので、ある意味で予選は思い切り攻める走りができていたと思うし、すごく予選を戦ってて気持ちがよかったし、楽しかったですね。そして、じゃぁ最終セグメントも頑張ろう! って意気込んでたところだったので、とっても残念です。
「予選セッションでいいものを見つかられ、
スピードにつなげることができました」
――レッドタイヤでうまく走れていたことは、ブラックでの走りにもプラスの影響がありますか?
佐藤琢磨:はい。ひとつ、この予選セッションでいいものが見つけられ、スピードに繋げることができたので、明日のウォームアップでこれまでのプラクティスで不具合があったところを補正していって、両方のタイヤでうまく走れるマシンにしたいですね。
――レッドタイヤの耐久性はどうでしょう?
佐藤琢磨:やっぱり結構ドロップオフは大きいですね。アタック3~4周目には大きく落ちてしまうので、その後のタイや劣化も厳しいと思います。
――去年までだと、レッドを2セット投入するのがセオリー的でしたが、今年もそれは変わらずですか? それも検討し直す必要がありますか?
佐藤琢磨:うーん、まだわからない。ちょっとレッドタイヤのデグレデーションを(明日のウォームアップで)見て、それで決めるかな?
以上
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