Photo:Amano e Associati(Masahiko Amano) |
ライアン・ハンター-レイ(RHR)に初タイトルを獲得させたアンドレッティ・オートスポートだが、シーズンオフにチームのテクニカルディレクターのアレン・マクドナルドがシュミット・ピーターソン・モータースポーツへ去り、長年働いてきたベテランエンジニアのティノ・ベリもパンサーレーシングへと移っていった。チャンピオンチームのエンジニアリング部門は崩壊したのだ。
それでもチームオーナーのマイケル・アンドレッティは、去年から1台増で4カー体制への復帰を果たした。「4カーが理想的」というポリシーを彼は持っているからだ。
そして、新シーズンの開幕戦、アンドレッティ・オートスポートは優勝と3位で2人を表彰台に上げ、1台はリタイアとなったが、4台目も7フィニッシュと、ほぼ文句のつけようがない結果を手にした。
4人のドライバーと組むエンジニアたちの陣容は?
チャンピオンのRHRは、当然のことながら今年もレイ・ガスリンと組む。コンビを組んで4年目になる彼らの息はピッタリだ。
ジェイムズ・ヒンチクリフ担当は、ニューマン-ハース・レーシング(NHR)から移籍してきたクレイグ・ハンプソン。去年がインディーカー2年目だったヒンチは、ベテランのベリが担当エンジニアで、経験の少なさをカバーしていた。しかし、ベリはいなくなってしまった。次のエンジニアとのコンビとなれば、スムーズに仕事が運ぶようになるまでに時間がかかる。ヒンチとしてはあまり歓迎したくない状況に追い込まれていたのだ。しかし、マイケルはヒンチがNHRにいた時の担当、ハンプソンを引っ張ってくることに成功。ヒンチは関係確立に手間取る心配がなくなった。去年のNHRはドラゴン・レーシングのエンジニアリングをサポートしていたので、ハンプソンは新しいインディカー・シャシーについても、エンジンについても十分に経験を積んでいる。このコンビが開幕戦でイキナリの優勝を掴んだ。
マルコ・アンドレッティにはパンサー・レーシングとアンドレッティ・オートスポートでインディライツのエンジニアを長年務めてきていたブレア・パーチバッカーが充てがわれることになった。武藤英紀のインディライツ時代(シリーズ2位)の担当エンジニアだ。インディーカーでの初コンビで3位表彰台は悪くない結果。今年のマルコはトップ・コンテンダーに完全復活するかもしれない。
そして、新加入のEJ・ヴィソは、HVMレーシング時代に組んでいたマイケル・キャノンとのコンビを再結成している。彼の開幕戦の戦いぶりは、プラクティスで一度クラッシュしたあたりは相変わらずだが、KV時代と比べても良くなっているように映っていた。
さらにアンドレッティ・オートスポートは、先行開発プロジェクトなどを担当するエンジニアとして、KVレーシング・テクノロジーからギャレット・マザーシードもこのオフの間に雇い入れたという。実績あるベテラン・エンジニア2人を失って一気に弱体化されてしまったエンジニアリング部門を、逆に強化。ピンチをチャンスに換えてみせた。去年タイトルを獲得したエンジニアのガスリンは、このオフの間にチーム内でテクニカル・ディレクターへとプロモートされてもいる。マイケル、オーナーとしてかなりいい仕事してます!
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