いざ走ろうとなったらトラブルが出てしまいした
Jack Amano(以下――):今日は走れた量が少なかったですね?
佐藤琢磨:そうですね。午前中は気温が低かったのと、コンディションは昨日が雨だったためにあまり良くなかったので少し様子見をしてて、他のチームが走り出してラップタイムを見ていました。それから、いざ走ろうとなったらトラブルが出て、インストレーションラップしかできなかった。で、午後になって3、4回走れたんだけど、結構バランスが満足の行かない状態だったので、それを早めに直そうと1回テントに戻って、クルマを直して出て来たら今度はギヤボックスに問題が生じて、また暫く走れなかった。最後にはニュータイヤをもう1回入れて走ることができましたけど。
――最終的に、今日のクルマは良い仕上がりになっていたのですか?
佐藤琢磨:うーん、大きく手直ししたいところがある。でも、時間の関係でできなかった部分があるので、それをやれば大分感触としては良くなるはずなんだけど。シーズンオフの間にコースのサーフェイスが全部削られて、フレッシュな路面になってグリップが増して、今年のロードコース用タイヤはコンストラクションもコンパウンドも変わってる。その両方の影響でラップ・タイムが凄い勢いで速くなってますね。それでクルマの動きも去年までと違うのと、細かいセッティングの煮詰めみたいなもののが今日はまだ全然できてなくて、方向性を大きく振って、それがどうなるかを見たかった……そんな1日でした。
――トップは去年のポールタイムより2.5秒以上も速くなってます。
佐藤琢磨:はい。すごく速くなってますね。
――去年までとは、走ってて全然違うフィーリングになっているわけですか?
佐藤琢磨:そうですね。
方向性だけを固めて、明日きっちりやっていきたいですね
――自分たちの現状として、マシンを速くするためにどういうところが見えていて、どういうところが見えてないですか?
佐藤琢磨:さっき言った通り、ちょっとやりたい部分があって、それをやればバランスは良くなると思うんだけど、実際にラップタイムがどれだけ速くなるかは未知数なんですよね。今の状態はあんまり良くない。トップとのタイム差もある(0.8252秒差)。明日、うまくまず方向性だけはキッチリ固めて、そこから詰めて行きたい。そういう感触です。
――今日はタイヤは2セット使用ですか?
佐藤琢磨:はい。今日は2セット。時間ももうなかったし。だから明日は4セットある。
――4セット全部使って走り込みたいところですね?
佐藤琢磨:そうです。もう間違いなく、4セットを使うと思います。
全体的なグリップが飛躍的に上がって、ギヤレもやり直さなければいけない状況でした
――今年のホンダ・エンジンはどうですか? 去年のものと比べて、どんな違いを感じますか?
佐藤琢磨:少し違うんでしょうけど、2月にセブリングで走った時と今回とでは大分コンディションが違うので、エンジン自体も違うから、あんまり比較にならないかな。パワーも出ているんでしょうけれど、ここでのラップタイムが2秒以上も速くなっているので、エンジンそのものよりも、全体的なグリップが上がっちゃってることの影響が大きい。ギヤレシオも全部、特に上の方は組み直しをしないといけない状況でしたから。スピードが全然違うのでね。コーナーから出て来る速度が全然違う。
――今日はシボレーの1-2-3で、ホンダ勢はマイク・コンウェイの4番手がトップでしたが? 性能差はあるんでしょうか?
佐藤琢磨:うーん、まだわからない。
車のことをよくわかっているエンジニアで、とてもやりやすいです
――フォイト・チームのベテランエンジニア、ドン・ハリデイとのコンビネーションはどうですか?
佐藤琢磨:セブリングでのテストプログラムがハッキリしてたので、それに沿って走ってクルマを良くして行ったって感じでしたけど、それに比べて、今日はやりたいことがほとんどできなかったって感じですね。やっぱり、まずは多くのラップを走れなかったということ、そして、今日持って来たベースとなるセットアップと、路面が速くなったというコンディションとがうまくマッチしていなかったので、それを追いかける状況になってたから。でも、追いかけると言っても、セッティングを煮詰めて行くというより、結構大きく振って、もっとこうしたいな、というところはもう1回テントに戻って、30分から45分ぐらいかかる変更をしたかったけど、そうする時間がなかったので、明日に持ち越しです。
――ドンはどういうタイプのエンジニアと感じてますか?
佐藤琢磨:KVレーシング時代のギャレット・マザシードに方向としては似てますね。ひらめきでやるのではなくて、キッチリと理論に基づいて、実際に自分たちが持っているメニューと、現状とを照らし合わせて少しずつ進めるタイプです。クルマのことをよくわかっているのですごくやり易いですよね。大きく外すこともないと思うので。去年のAJ・フォイトのクルマを見ていても、そう感じてました。安定しているので、いかにそこからスピードをつけて行くかですね。
――結局、今日はトラブルが出たのがもったいなかった、というところですね。
佐藤琢磨:はい。今日は不完全燃焼な1日かな。止まってる時間が長かった。こないだのセブリングに比べたら全然正反対の感じだった。でも、少なくとも、まだ明日があるので。今日、これである程度わかった。それだけでも良かったかな。
以上
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