チャンピオンチームに異変!ここに来てエンジニア2人が離脱
ライアン・ハンター-レイ(RHR)を2012年のIZODインディーカー・シリーズ・チャンピオンに輝かせたアンドレッティ・オートスポートだが、オフに入って主要エンジニアが次々とチームを離れ、2013年シーズンを戦う体制を良いものに整えられるかどうかが心配な状況となっている。
チーム・グリーン時代から数えて5人目のチャンピオン(1995年=ジャック;ヴィルヌーブ、2004年=トニー・カナーン、2005年=ダン・ウェルドン、2007年=ダリオ・フランキッティに次ぐ)輩出するという素晴らしい業績を成し遂げたというのに、ジェイムズ・ヒンチクリフのレース・エンジニアを務めていたティノ・ベリがシーズン終了後にパンサー・レーシングへと移籍した。
チーム内不協和音は、実は昨シーズンから??
実は、この前段として2012年のシーズン序盤にエディー・ジョーンズがアンドレッティ・オートスポートを離れている。チーム・グリーン時代から15年以上も働き続け、ウェルドンと共にインディー500優勝とタイトル制覇も成し遂げたジョーンズ(マルコ・アンドレッティのルーキー・イヤーの1勝目や、ダニカ・パトリックの唯一のインディーカー優勝でもエンジニアを務めた)がKVレーシング・テクノロジーへと移籍したのだ。既にこの時、アンドレッティ・オートスポートのエンジニアリングスタッフ同志、あるいは、マネジングスタッフとの間に何らかの亀裂が生じていたのだろう。
そしてAAに復帰したばかりのアレン・マクドナルドも……
ジョーンズが抜け、ベリも出て行った。そして今度はエンジニアのトップにいたアレン・マクドナルドが離脱した。彼はシュミット・ハミルトン・モータースポーツ改めシュミット・ピーターソン・モータースポーツへと引っ越して行った。マクドナルドはディレクター・オブ・エンジニアリング兼マルコ・アンドレッティのレースエンジニアだった。
フランキッティをチャンピオンの座に就けたマクドナルドだったが、フランキッティがNASCARへと去り、彼もその後にチームを離れた。そして2011年、マクドナルドはサム・シュミット・モータースポーツ(SSM)で働くようになっていたが、アレックス・タグリアーニに栄えあるインディー500のポールポジションを獲得させた。すると、このインディー500終了後にアンドレッティ・オートスポートがマクドナルドをSSMから引っこ抜いた! 4台エントリーさせたうちの2台が予選落ちしたアンドレッティ・オートスポートとしては、何らかの大きなアクションを起こさなければならなかったのだろうが、この行為は”弱小チームからのスタッフ強奪”として評判は良くなかった(チーム・マネジャーのトム・アンダーソンを解雇=2台予選落ちの責任を負わせて=も賢明な決定とは見えなかった)。
RHR担当のレイ・ガスリンは来年も残留
RHRのレース・エンジニアとして働いて来ているレイ・ガスリンは、2013年もチームに残ってタイトル防衛を目指す。しかし、3人のドライバーのエンジニアのうち2人が離脱するとは、タイトルを獲った直後のチームとしてはかなりの異常事態だと言えるだろう。このピンチをマイケル・アンドレッティ、そして彼のスタッフたちはどう切り抜ける?
以上
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