2012年5月26日土曜日

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント29 第96回インディアナポリス500 5月25日 カーブデイ:「決勝はもっと暑くなるでしょうから、今よりもっとクルマをよくしたいですね」

第96回インディアナポリス500
インディアナ州インディアナポリス
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
1周2.5マイル(=約4.023㎞)×200周


5月25日 カーブデイ
ファイナルプラクティス 4位 221.078mph(=約355.715㎞/h) 43周走行


決勝用エンジンでホンダ勢ジャンプアップ

Photo:Naoki Shigenobu

2012 INDYCAR レポート:5月25日 カーブデイ 最終プラクティス最速はチップ・ガナッシ・レーシング。ホンダ・エンジン搭載で1、2位独占! 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も4位につける

一夜にして変わった?シボレー優位

 予選でポールポジションからの6ポジション=2列目までを独占し、ファスト9=フロントローからグリッド3列目まで=に8台を送り込んだシボレー。予選での彼らのツインターボV6は、シングルターボのホンダV6にパワーで大きく差をつけていた。
木曜日までのプラクティスでは、シボレーとホンダはほぼ互角に見えていたが、金曜日に予選用ブーストで走り出すや差が明らかに。そして不思議なことに、予選後のプラクティスでは差が元に戻らず、決勝モードでもシボレー優位へと変わっていた。今年はシボレーの圧勝か? そう考えてもおかしくない状況だった。
ガレージでは、「シボレーは手の内を明かさない戦い方をしていたんだろう」との分析が聞かれていた。そんな戦い方が果たして可能なのか? フルパワーを出さずにマシンセッティングを進めるなんてことが……。ロード&ストリートコースでの開幕4戦でパワーアドバンテージを確信し、それをインディーではギリギリまで隠しておく作戦に出たということなのか?


ホンダの新エンジンが好感触であることは事実

 今日はレース前に行われる最後のプラクティス。そして、レース用エンジンを搭載しての走行だ。ここで戦況はさらに明らかになるはず。そう考えつつ迎えたセッション……果たしてその結果は?? 意外やシボレーの優位が消えたかのようだった。ホンダ勢が1、2、4位をゲット。もちろん、まだトップ9で見ればシボレー5台vsホンダ4台とシェビーの優勢が保たれているが、状況がまた変わったことは確か。ホンダ勢の不利が小さくなった。 トップはダリオ・フランキッティの222.360mph(=約357.777㎞/h)で、2番手はスコット・ディクソンの222.274mph(=約357.639㎞/h)とチップ・ガナッシ・レーシングのターゲットコンビが1、2位で、3番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)の221.702mph(=約356.718㎞/h)だったが、4番手には佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が221.078mph(=約355.715㎞/h)でつけた。そして、トップ5入りした最後の一人は、ポールシッターのライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)だった。彼のベストスピードは221.025mph(=約355.629㎞/h)。これよりやや低いスピードがレースペースに成るということだろう。 シボレーの優位はどこに消えたのか? 彼らはまた能力を隠す作戦を使っていた? そんなはずはない。パワーアドバンテージを武器として、彼らはウィング・セッティングを立て気味にしていたのかもしれない。その可能性はある。となると、決勝では彼らの方がトラフィック内でのバトルでは有利なのか?
フランキッティは、「今日のマシンはとても良かった。良いセットアップを僕らは手にしたということだろう」と語り、「それにしても、このエンジンが予選で使えていたら良かったのに」と続けた。ホンダのレース用の新エンジンは性能が上がっているらしい。
それでもまだシボレー有利の予想は覆せない。しかし、パワーアドバンテージだけで勝てるほどインディー500は単純じゃない。それもまた事実だ。

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント28:5月24日 「カーブデイは今年はしっかりと1時間走りたいです」

半日単位ではリラックスすることができた数日間でした

Photo:Naoki Shigenobu

Jack Amano(以下――):予選終了から、少しはリラックスした時間を過ごせましたか?

佐藤琢磨:はい。メディアツアーに出かけたり、色々なイベントに出席したりがありましたから、完全な休日っていうのはなかったんですけど、半日単位でリラックスすることができた数日間でした。久しぶりにワークアウトして体を動かしたりとか、久しぶりに8時間ぐらい寝たりとか。

2012年5月25日金曜日

2012 INDYCAR スペシャルインタビュー:ジャン・アレジ「私がインディー500に挑戦する理由」

F1時代に参戦を禁じられたインディー500
あの時なぜ禁じられたのか、その理由が今やっとわかりました


Jack Amano(以下――):インディー500参戦に至った経緯を教えてください。
ジャン・アレジ:それを説明するために、少し前の話からさせてください。私はF1で走っていました。ヨーロッパでレースをしていたんです。当時から、アメリカのレースといえばインディー500でした。私は子供の頃からレースをしていて、インディー500は毎年見ていました。そして、私がフェラーリで走っていた91年、ついにインディアナポリスに来ることになりました。その時に私は、チームマネジャーに「インディー500に出場したい」と申し出たんです。彼は笑って、「それはダメだ」と言いました。ダメだと言われるとやって見たくなるものですよね? 私はなぜダメなのかを考えました。そして今、私は彼があの時に言った言葉の意味がようやくわかりました。自分で実際に走ってみて。
インディアナポリス・モーター・スピードウェイがどんなものなのか、それはヨーロッパの人々には想像することすらできませんよ。テレビで見ているだけでは、絶対にわかりません。それはファンだけでなく、F1ドライバーであっても同じだと思います。このコースを走ることの難しさは、グランプリに数多く出場した人々でさえ想像することもできないでしょう。

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2012年5月24日木曜日

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Photo:Naoki Shigenobu

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2012 IZOD INDYCARシリーズ インサイド情報&ニュース:5月23日 インディー500決勝でのロータスの特別扱いはナシに

全エンジンのブーストは規定の130kPaに
 予選が終わり、決勝が行われる前に、インディーカーが今年のレースに関するルールの発表を行った。それは、「ブースト圧は既定の130kPaに留める」というもの。「この日曜日に開催されるインディアナポリス500で使用されるエンジンのターボ圧は、すべて130kPaとする」というのだ。
 「幾つもの対策を検討し、エンジンマニュファクチャラーとも協議した結果、競技の面からも、安全性の面からも、現行のスーパー・スピードウェイ用ブーストレベルをロータスエンジンを使うエントラントにおいても維持するのが一番良いという結論に至りました」とインディーカーの技術担当副社長であるウィル・フィリップスはコメントした。「現時点では、レースの全行程でエンジンに既定以上に高いブースト圧を保たせることに関して、我々が完全に把握していない要素がまだ数多く存在しているので、さらなる調査が必要です。シーズンを始める際に、6月18日まではレギュレーション改訂は行わない、と自ら決めました。その時間枠を守ることとします」。

ロータスユーザーは105%ルールをクリアできるのか?
 インディーカーの競技担当・新社長のボー・バーフィールドも、「安全性という見地から、レース中の各マシンのスピードを注視して行くつもりです。走行しているすべてのマシンが、トップ集団のラップタイムの105パーセント以内を保つように」と、レースの運営面からのコメントも行った。
 パワーが出せていないロータスは、決勝でも予選用ブーストでオーケー、という話はナシになったということ。「予選用ブーストありでも6mphは遅いぐらいと思う」とロータス・HVMレーシングのシモーナ・デ・シルベストロは言っていた。大幅に遅いマシンの存在はレースを危険にする。それを回避するためにロータス・ユーザーには高ブーストを……ということだったが、万が一それで優勝されてしまったら、ルール通りに戦っているシボレーやホンダに面目が立たない、ということだ。
 ロータス勢は、スタートしてすぐに黒旗を出され、今年のレースからは御引き取りをお願いします、となるかもしれない。

2012年5月23日水曜日

2012 IZOD INDYCARシリーズ インディー500を考える その1:5月22日 予選でのターボのブースト圧をアップ、賛成? 反対??

予選前日の金曜からいきなりの高ブーストは??
 今年のインディー500予選での新ルールには、ターボのブースト圧を決勝用と違えるというものがあった。予選は大きなパワーで、より高いスピードで競ってもらいたい……というのがインディーカー、そしてインディー500の希望だったということか??
 高ブーストで走っていいのは、予選前日の金曜からだ。全員が同じ条件なのだから、フェアといえばフェアである。しかし、予選と決勝でエンジン、つまりはマシンまで違ってしまう(同じマシンだが、性能やキャラクターがまったく異なってしまう)のは、果たして良いことなのか、悪いことなのか??


これって、レッドタイヤによく似たパターンだが……
 インディーカーではロードレースで、レッドタイヤを採用。しかし、そのタイヤはプライベートでも、合同テストでもトライはさせてもらえない。予選で初めて使って評価するしかない。
 インディーでの予選のターボ圧変更は、レッドタイヤの場合と状況が似ている。異なる条件に敏感に反応し、最も優れた対応を行った者が好成績を収めるられる、という考え方に基づいている。
 私としては、レッドタイヤはプラクティスでも1セットは使ってよいことにすべきで、と考える。データが全くない状態で予選を迎えさせるのは酷だからだ。臨機応変をする能力は確かに重要で、そこにチーム間の競争が生まれるのも悪いことではない。しかし、現状ではアンノウンに過ぎるという印象だ。
 みなさんは上記、今年のターボ圧変更、どう感じていらっしゃいますか?

2012年5月22日火曜日

2012 IZOD INDYCAR シリーズ インサイド情報&ニュース:5月21日 スピードウェイの壁に広告! 芝生にも!!


サウスシュートのイン側の芝生はこんな感じに……
Photo:Naoki Shigenobu
決勝までに、まだまだ増えていくかも?

 インディアナポリス・モーター・スピードウェイの伝統が、またひとつ……消えた。コース内に点在する電光掲示板以外には広告を出さないのがブリックヤードの伝統だったけれど、ターン3とターン4の間、インディーで言うところのノースシュート外側の真っ白い壁に、今年はファジーズ・ウォッカとシェルVパワーのロゴがそれぞれ4つずつペイントされている。

ノースシュートのフェンスにはFUZZY’Sの広告が入って、
ここだけ見るとまるでインディーとは思えない雰囲気になってしまった
Photo:Naoki Shigenobu
 サウスシュートもだ。イン側の芝生にNTBのロゴがデカデカとペインティングされた。これからレースまでの間に、さらに広告は増えて行くのかもしれない。

2012 IZOD INDYCAR シリーズ レースアナリシス:暑さの中で行われた予選 ダウンフォースが減少し、ラップダウンが多くなるコンディションの下、シュートアウトで明暗を分けたブリスコーの冷静なアタックと、入れ込みすぎてしまったヒンチクリフ

湿度が高く真夏のように暑かったポールデイ
 今年のポールデイは暑かった。最高気温は摂氏31度に達した。真夏のような1日だった。しかも、湿度も高かった。インディアナでは結構フツーに有り得る天候だ。西海岸みたくカラリッて日ばかりじゃないのだ。
 そんなコンディション下で予選は延々と行われた。スタートは午前11時で、近頃は夕方に30分間走行ナシの時間があるものの、伝統に従って午後6時まで続いた。
 4時半、トップ9による予選第2ラウンドがスタートした。しかし、まだ夕方なんて雰囲気はゼロだった。昼間と変わらない。近頃のインディアナ州はサマータイムなので……。当然、気温の下がる気配もナシ。午後5時を過ぎて逆に気温が上がっちゃう日さえあるぐらいで、この日はそんな1日だった。


とっ散らかったアンドレッティ・オートスポーツと
チーム・ペンスキーの最初の予選アタック


 4周のアタックの中では1周ごとにラップタイムが落ちて行く。タイヤの摩耗=グリップダウンするので仕方がない。その落ち幅をどれだけ小さくできるかが勝敗の分かれ目となっている。
 今年のポールデイは、プラクティスが行われた7日間と比べても暑く、湿度も高かった。ダウンフォースが小さくなるコンディションで、予選アタックを更に難しくしていた。ラップタイムの1周ごとの落ち幅が大きくなり易くなっていたワケだ。
 今年は2チームが3人ずつのドライバーをトップ9に送り込んだ。この2チームの真っ向勝負の様相となった。それらは、チーム・ペンスキーとアンドレッティ・オートスポートだった。
 彼らの戦いを振り返ると、最初のアタックでは、6人中の4人が1ラップずつスピードダウンをして行っていた。残る2人はアタック中にミスがあった。ライアン・ブリスコー(ペンスキー)は2周目が遅く、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ)は2周目がワーストで3周目がベストと、完全にアタックがとっ散らかっていた。
 迎えたトップ9によるシュートアウト方式の予選、ここでの両チームのドライバーたちが4ラップを完了させたアタック=7回のすべてが、1ラップ毎にスピードダウンするパターンだった。これらのアタックは、ほぼミスなしで4周が終えられたという意味だ。
 ここで決め手になって来るのが、4周の振れ幅だ。ベストとワーストの差が大きいより、いかに4ラップをハイレベルで安定させるかが重要だ。
 もうひとつ言える重大なのは、計測1周目が遅かったらアウトだっていうこと。2周目からの踏ん張りで逆転……というケースはほとんどを起こり得ないのだ


光ったブリスコーの冷静なアタック。入れ込みすぎたヒンチクリフ
 ブリスコーの4時過ぎの4ラップは見事に安定していた。2チーム、6人のドライバーたちが完成させたアタック=7回の中で、ダントツの最小差の4周となっていた。ベストとワーストの差は0.287mph(=約0.461km/h)しかなかったのだ。
 ブリスコーのアタックは、マシンのセッティングが良かった上に、ウォームアップラップでのタイヤへの熱の入れ方が良く、4周の間には常にマシンが次にどのような変化を起こすのか、先回りしてコクピット内のツール(ウェイトジャッカーやスタビライザー)を操作していた。

 「あの4周目が僕らをポールポジションへと到達させた」と走行を終えたブリスコーは話していた。落ち込みが激しくなりそうな雰囲気を払拭するセッティング変更をコクピットから行い、それが狙い通りの効果を発揮したということだろう」

 悔しいミスを冒したのは、アンドレッティ・オートスポートで今年から走るヒンチクリフだった。彼はウォーム・アップ・ラップでスピードを上げ過ぎてしまった。227.009mph(=約365.257km/h)も出した。もし、この227mph台のラップが1周となっていたら、過は残る3周でよほどのミスをしない限り、ポールを手にできていたはずだ。この日、マシンをベストに仕上げていたのはヒンチだったのだ。彼はまだインディーは2度目の出場ながら、ポール獲得という凄いチャンスが巡って来た。マシンの仕上がりは上々。それで入れ込み過ぎてしまったのだろう。

 対するブリスコーは、先輩チームメイトとの戦いに破れてインディーのポール獲得を逃したこともある。今年の彼は、予選第1ラウンドでのアタックでは、2周目のツール操作がうまく行かずにマシンのバランスを崩していた。しかし、そこでの経験を彼は活かしたのだった。第2ラウンドの予選アタックでは、全ての操作を絶妙のタイミングで行った。計測4周目、ブリスコーはマシンがどう変化するかを見事に読み切り、それに合わせたツール調整を成し遂げた。それでタイムの落ち込みが最小限に抑えられ、ポール獲得がなった。もうベテランと呼ばれる域に入っているブリスコーは、近頃は同じオーストラリア出身のチームメイトの陰に隠れがちだったが、培って来た経験とスキルをフルに発揮して戦い、栄えあるインディー・ポールを初めて手に入れた。

2012年5月21日月曜日

ジャック・アマノのINDYCARレポート メールマガジン 配信準備テストにご協力ください!

ジャック・アマノのINDYCARレポート メールマガジンをINDY500決勝に向けて準備中です。
現地からのレポートをダイレクトにメールで配信するサービスのテストを兼ねて、無料版のメールマガジンを開設しました。現在実施中のポールデイの模様を都度、配信をします。

2012 IZOD INDYCAR 佐藤琢磨コメント27:第96回インディアナポリス500 5月20日 Bump Day 「今日はトラフィックの中での走行でレース用セットアップに集中しましたが、気温が上がってその結果ダウンフォースが減ったことと、シボレー勢が速いことから決勝は非常に厳しいレースになりそうです。ただ、今日は90周も走れてトラフィックのデータを十分に得ることができたので、少しでも力強く走れるパッケージにして金曜の走行に備えたいですね」


Photo:Naoki Shigenobu

ホンダ勢、いきなり思わぬ苦境に

 プラクティス6日間を順調に進め、上位で戦える確信を掴んでいた佐藤琢磨とレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)だったが、ブースト圧を高める予選用の特別ルールでは、ホンダ・エンジンが突如としてシボレー・エンジンに対して不利に陥り、予選結果は不本意な19位に終わった。その不利な状況は予選でだけで済み、競争力をレースでは取り戻せるもの……との期待もあったが、予選2日目のバンプデイに、すでに予選アタックを終えている者がコースで決勝用セッティングを施して走り出すと、実はシボレー勢のパワーアドバンテージが決勝モードでも存在することが判明した。インディアナポリスでの走行開始以来、ずっとパワーを隠したまま戦っていたのだとしたら、彼らのその作戦は見事な威力を決勝レースでも発揮しそうである。思わぬ苦境に追い込まれたホンダ陣営、RRL、そして琢磨は、これからの1週間で、逆襲のためにどんな策を用意できるだろうか?


「シボレー勢の速さはショッキングでした」

Jack Amano(以下――):今日は90周も走りました。今日のプログラムを教えてください。

佐藤琢磨:予選を終えて、今日はレース用セットアップに集中しました。先週の予選トリムを始める前のマシンに戻し、予選に向けた木曜、金曜のデータも使って今日は走りました。ほとんどがトラフィックの中での走行でした。単独走行はエアロバランスとか、その他のパラメーターをチェックするだけで、あとはトラフィックを探して走っていました。

――成果については、どう評価していますか?

佐藤琢磨:成果は……非常に厳しいレースになりそうだ、というのがわかったことでした。

2012 IZON INDYCAR レポート:5月20日 バンプデイ1 午後2時すぎに今年のインディー500の全グリッドが確定

予選2日目のトップタイムはセバスチャン・ブルデイ

 エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)が彼のTカー、カー・ナンバー20Tで4周平均222.324mphの4ラップを終えた午後2時7分、今年のインディー500に出場する33台のグリッドがすべて決定した。 予選2日目の最速はセバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)の223.760mphで、これは昨日だったら15位に食い込めている素晴らしいスピードだった。

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント26:第96回インディアナポリス500 5月19日 Pole Day「このポジションはまったく喜べないし、悔しい。でも、うまく行けば1列グリッドが上がるかもしれないけれど、それをやることの労力とリスクとを考えて、レースに集中しようということに決めた」

第5戦 第96回インディアナポリス500マイルレース
Round 5 Indianapolis 500 mile Race

Indianapolis Motor Speedway
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
インディアナ州 インディアナポリス
全長:2.5マイル(=約4.023km)×200周
コースタイプ:オーバル

Race Day 5月19日
天候:晴れ
気温:26〜31℃

Photo:Naoki Shigenobu

予選前日に明らかになった高ブースト仕様でのシボレーエンジンの優勢は、予選当日になっても揺るがなかった。ホンダも短時間でできる限りの対策を施したというが、トップ9に食い込めたのがひとりだけという数字が示す通りに、インディー500での予選におけるパフォーマンス勝負は、今年はシボレーの圧勝ということとなった。
佐藤琢磨の予選は、エンジン面にプラスして、マシンセッティングもライバル勢を凌ぐものとはできず、19位という結果を得るにとどまった。初のトップ9入り、そして、ポールポジションを目指した戦いも可能! とプラクティス中には感じられたいただけに、悔しいポールデイとなった。

2012年5月20日日曜日

2012 IZOD INDYCAR シリーズレポート:5月19日 第96回インディアナポリス500 ポールデイ予選/伝統のレースの予選は史上最小0.0023秒差で決着、ブリスコーがポール。佐藤琢磨は19位

第5戦 第96回インディアナポリス500マイルレース
Round 5 Indianapolis 500 mile Race

Indianapolis Motor Speedway
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
インディアナ州 インディアナポリス
全長:2.5マイル(=約4.023km)×200周
コースタイプ:オーバル

Pole Day 5月19日
天候:晴れ
気温:26〜31℃
Photo:Naoki Shigenobu
今年もポールデイの予選システムは二段階。午前11時から午後4時までで24番グリッドまでを決定し、その中のトップ9が4時半から1時間半のポール争いを繰り広げる。

予選第一段階でトップに立ったのは、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポーツ)だった。スピードは225.746mph。暑さのせいで227mph台には遠く及ばなかった。トップ5は2チームによって占拠された。2番手はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の225.399mphで、3番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ)の22225.289mph。以下、4位はエリオ・カストロネベス(ペンスキー)、5位はライアン・ブリスコー(ペンスキー)だった。

2012 IZOD INDYCAR シリーズレポート:5月19日 第96回インディアナポリス500 ポールデイ プラクティス8回目/カストロネベスがトップタイム。2番手は女性ドライバーのベアトリス。佐藤琢磨はセッション序盤にギアトラブルで23番手

ポール・デイ。天気はまたしても晴れ。アンビリーバブル! ルーキーの走行開始から10日連続ドライコンディションで、今日の降雨確率は0パーセント。

 走行は朝8時に開始された。2グループに分かれて、それぞれが1時間ずつ。アクシデントもエンジンブローもなく、両セッションが終了した。