2012年5月12日土曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:シボレーの抗議は再度却下、ホンダのターボハウジングが有効であると正式決定。ホンダを攻めたシボレーの狙いはどこにあった?

インディーカーのターボ問題が解決された。ロングビーチでの第2戦前に下されていた決定は覆らず、ホンダ=シングルターボ方式=が使用するターボハウジングは、0.71A/Rというサイズのものが合法であるとの裁定が下された。

「我々に何も報告なしにライバルメーカーに新パーツ使用を許可するとは、受け入れ難い」というのがシボレーの最初の抗議の理由と見えていた。実際、このトラブルの発端はそこにあったようだ。

2012 INDYCARレポート:アレジ大幅にスピードアップ、ルーキーテスト第2段階を通過。Indy500出場可能まであと一歩

5月11日
天候:快晴
気温:24〜25℃

 ジャン・アレジのインディー500挑戦2日目は、初日より断然スムーズに進んだ。夕方の4時半から6時まで、アレジに与えられたのは90分間しかなかったが、無事にフェーズ2通過を果たしたのだ。

 実際には、アレジが205mph〜210mphでの15周連続走行を終えてピットに戻ったのは、チェッカー・フラッグが振られる1分前だった。ハラハラ・ドキドキの時間切れギリギリだったのだ。

2012年5月11日金曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:ホンダが、体制縮小のロータスに見捨てられた昨年度INDY500優勝チームをサポート。BHAへエンジン供給決定

第96回インディー500の公式練習が始まるギリギリ2日前になって、ブライアン・ハーター・オートスポート(BHA)の使用エンジンがホンダへと変わることが決まり、発表された。ロータスがエンジン供給をギブアップしたため、第4戦ブラジルから使用エンジンがなくなってしまっていたBHAだったが、ホンダからのエンジン供給を受ける話が何とかまとまった。これでホンダのインディー500へのエントリーは15台目である。なお、このエンジン供給はインディー500以降、今シーズンの最終戦まで続けられる。

2012 INDYCAR・フォトレポート:Indy500ルーキー・オリエンテーション6/スーパースピードウェイのリヤウイングは極小の1枚翼


これがスーパースピードウェイ仕様のリヤウィング。タイヤとほぼ同じ高さにセットされる。下のはバンパーを保持するためのステー。カーナンバーが載るスペースが小さ過ぎ。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2012 INDYCAR・フォトレポート:Indy500ルーキー・オリエンテーション5/Indy500ペースカーのシボレーがブリックヤードに納品


あんまり誰も走らない時間がなかなか経たないなぁ……なんてボーッとしていたら、今年のペースカーがトレーラーでスピードウェイに届けられた。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2012 INDYCAR・フォトレポート:Indy500ルーキー・オリエンテーション4/琢磨のチームメイト、ジョルダインJr.のマシン


ミチェル・ジョルダイン号は、メキシコ国旗のトリコロールで、とてもスッキリしたグッド・デザイン。佐藤琢磨のチームメイトとしての働きにも期待が寄せられている。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2012 INDYCAR・フォトレポート:Indy500ルーキー・オリエンテーション3/2度のIndy500覇者ルイェンダイクも“往年のドライバー”の風格が


ドライバー・コーチを務めるアリー・ルイェンダイクと、スプリント&ミジェットからのチャレンジャー、ブライアン・クロウソン。アリーもティムも年季入ってますね。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2012 INDYCAR・フォトレポート:Indy500ルーキー・オリエンテーション2/アレジのインディー挑戦を支える実績あるエンジニア


走行を終えてアレジがフィーリングを伝えているのは、今回のプロジェクトに雇われたレースエンジニアのティム・ワードロップ。アリー・ルイェンダイクのインディー500での二度の優勝を支えた実績の持ち主だ。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2012 INDYCAR・フォトレポート:Indy500ルーキー・オリエンテーション1/ロータスカラーのマシンの前でキメるアレジ


ロータス・ワークスをアピールする黒と金のカラーリング。スポンサーはスイスの高級腕時計メーカーのフランソワ・ポール・ジュルヌ(初めて聞いた)。ミラーのサングラスにキャスケット……47歳でもフレンチは違うなぁ。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)

2012 INDYCARレポート:Indy500ルーキーテスト実施。アレジは出場条件クリアできず追試が急遽、行われることに

第96回インディー500向けたルーキー・オリエンテーション・プログラム(ROP)は、午前9時にグリーンフラッグが振られたが、気温が12℃と低く、走行が本格化したのは11時過ぎだった。このため、午後2時半で終了の予定が午後2時50分まで走行時間は延長され、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、ジェイムス・ジェイクス(デイル・コイン・レーシング)、ルーベンス・バリケロ(KVレーシングテクノロジー)、シモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)、ブライアン・クロウソン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が全3フェーズを終了、インディー500への挑戦権を手にした。96年以来のインディアナポリス走行となるミチェル・ジョルダインJr.(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はルーキーではないが、ROPに参加してスピードテストをパスした。

2012年5月10日木曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:5月9日 ドラゴン・レーシングが460万ドルの賠償金を求めてロータスを告訴

ロータスの基幹チームだったドラゴンが……

 ドラマチック・インディー500。今年はルーキー・オリエンテーション・プログラムが始まる前から早くもドラマチックな様相を呈しております。
 走行開始目前で、ドラゴン・レーシングがロータスを契約違反のかどで告訴との情報が! カリフォルニアの裁判所に提訴がされたのは先週末の模様。ドラゴンの要求する賠償額は、「最低でも4.6ミリオンダラー(=約3億6655万円)」。裁判沙汰の通例なんだろうけど、驚くほどの巨額だ。

 ドラゴンはロータスと頑張り続けて行くはずじゃなかったのか? なかったんですね。ブラジルのレースの前、「4チーム、5台は無理そうだから、2チーム、3台へと供給数を減らさせて」とロータスは申し出、ブライアン・ハータ・オートスポートとドレイヤー&レインボールド・レーシング(DRR)はロータス陣営を離れた。残ったのがドラゴンと、アンカーチーム(メインとなるチーム)のHVMレーシングだった。その2チームのうちのひとつからロータスは訴えられた。ハータかDRRによって……というのならまだ話はわかり易かったが。

ドラゴンの視野にはシボレー? イルモアの供給能力は?
 驚いたことに、すでにドラゴンはロータスに全エンジンを送り返し、今週末に始まるインディー500を他のエンジンで戦おう意向。他のエンジン? それはシボレー以外には考えられない。ドラゴンのオーナー、ジェイ・ペンスキーの父親の名前はロジャーだから。彼はイルモア・エンジニアリングの創設者の一人で、今でも大株主。“キャプテン”の口添えがあれば、セバスチャン・ブルデイとキャサリン・レッグを走らせるためのエンジンは何とかなっちゃう? DRRとハータは何とかエンジンを手に入れたのに、「ドラゴンだけはアウト」じゃ、主催者のインディーカーとしても困る。シボレー&イルモアは、ここでもうひと頑張りができるか?
 シボレーが16台まで体制を拡大しても、まだエントリー台数はグリッド数と同じ33台。もう1台要る。しかし、それをシボレーに頼るのは難しくなってしまうかもしれない。
 そこで思いつくのがMSRインディーだけれど、こんなロータスのエンジンでも出場する意思、あるんだろうか? あるなら、ドラゴンが叩き返したエンジンがあると思うけど。

2012年5月9日水曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:5月9日 ジャン・アレジのインディー500エントリー確定 なんとインディーライツのチームから!


まったく実力未知数のファン・フォース・ユナイテッドとは??
 ジャン・アレジはインディアナポリス入りし、8日に正式にエントリーを行った。
 ニューマン-ハース・レーシングという古豪からの出場が御破算になり、ファン・フォース・ユナイテッドというインディーライツのチームからの参戦になるということだ。
 複数のオーナーが共同経営するこのチームの実力は、果たしてどれほどのものだろう? オーナーのひとりは、インディアナやオハイオの片田舎でスプリント&ミジェットを走らせていたタイス・カールソン(選手層の薄いIRL時代の初期にインディー500に出場したことがある)。アレジと以前から関連があったなど、まったく想像もつかない。
 同チームの救いは、アリー・ルイェンダイクを二度インディー500で勝たせているティム・ワードロップをエンジニアとして確保したというところ。チーム・マネジャーには松田秀士や中野信治を走らせたことのある元チーム・オーナーのグレッグ・ベックが雇い入れられようだ。


アレジのインディー500参戦は大変なビッグニュース
だからこそ不安なロータスエンジンのパフォーマンス

 それにしても、このチームを選んだのは、いったい誰なのだろうか? アレジが彼らとコンタクトがあるとは、一切考えられない。ロータスが選んだ? だとしたら、それはどういう基準で?? 
 レーシングチームとしての実績なら十分なものがあるはずのMSRインディーは、もう随分と前にシャシーを購入し、スポンサーも見つけ、シリーズ出場を訴えて来ているのにエンジンの提供を受けられないでいる。ところが、ほぼ実績のないと言っていいインディーライツのチームにはポイッとロータスエンジンが供給される。まったく理解に苦しむ。理不尽さを強く感ずる。
 アレジの参戦決定は大きなニュースだ。アメリカ以外の注目度もこれで上がるだろう。そこで願うのは、ロータスエンジンがインディー500でユーザーたちに多くの走行時間を与るに十分な性能を発揮してくれることだ。ライバルたちの走行にも支障を及ぼさないようであって欲しい。

2012 INDYCARレポート:5月7日 テキサスでの新シャシー能力判定テストが終了 低ダウンフォース化で安全性向上に一定の成果

テキサスでのテストに臨んだブリスコー車。
リヤウイングのシンプルな形状に注目。
Photo:INDYCAR
DW12、集団での接近戦が難しい空力パッケージに
 10台のマシンを集めて行われたテキサス・モーター・スピードウェイでのテストは5月7日、無事に終了した。参加ドライバーは12人だったが、このうちのトニー・カナーンはルーキーテストを受けるルーベンス・バリケロのマシンセットアップ係としてで、20周しか走らなかった。
 DW12の高速オーバル用空力パッケージでの走行は、2台、3台までの接近戦は可能だが、それ以上の台数となると難しい……というものとなっていたようだ。今回のテストを開催した結果、新型シャシーでのレースはテキサスのハイバンクにおいてでさえ、そういうものになりそう=安全性は向上する=という答えにインディーカー、及び参加ドライバーたちは至ったようだ。
 「前のテスト時とは異なる空力パッケージで、ダウンフォースは小さくされていた。それによってドライビングはより一層チャレンジングになった。また、タイヤの性能低下が前よりも早く訪れるようにもなっている」と2010年テキサスウィナーのライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)は語った。
 トップタイムを出したスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)は、「マシンにオプションが用意されているのは、僕としては嬉しい驚きだ」と語った。「全員のリヤウィングが10度に決まっていた。それがパックレーシングの元凶だったと思う。我々にはウィングの角度を自ら決定し、それによって作戦を組み立てる権利が与えられていなかった。走り始めの20周では速いが、ラップを重ねるとアクセルオフが必要になる……といったオプションが与えられている。スティントを走り通すのが難しい。それは良いことだと思う」。
 戦闘力比較にはなりにくいが、参考のため、トップ5のラップタイム&平均スピードを以下に掲載。

1 スコット・ディクソン  24.6644秒=212.371mph
2 チャーリー・キンボール 24.7859秒=2111.339mph
3 ダリオ・フランキッティ 24.8807秒=210.525mph
4 ウィル・パワー 24.8994秒=210.367mph
5 エド・カーペンター 24.9335秒=210.078mph

2012年5月8日火曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:5月7日 テキサス・モーター・スピードウェイで2回目の合同テスト。ハイバンク1.5マイルオーバルでのパックレーシングの検証が目的

今年の2月に引き続いてのテキサスでのテスト 

 去年の最終戦ラスヴェガスでダン・ウェルドンが事故死した。インディーカーは集団でのアクセル全開レース、所謂パックレーシングの危険性について再考し、その結果として、2012年のカレンダーに1.5マイルオーバルはテキサス・モーター・スピードウェイ(TMS)しか載らなくなった。ラスヴェガスが落っこちたのは当然だったが、ケンタッキーも外れた。
 その代わりに……ではないが、インディーカーは全長2マイルのフォンタナ(カリフォルニア州)を新たにカレンダー入りさせ、1マイルのミルウォーキーも開催不能から一転、カレンダー復帰を果たした。こちらはコースの危険性云々ではなく、プロモーターの事情だったが、「危険なのはハイバンクの1.5マイルオーバル」との結論が出てしまったようなものだった。
 しかし、開催を決定していたレースを辞めるのは、そうそう簡単ではない。特に、訴訟天国のアメリカでは。そこでインディーカーは、今年から新しくされているシャシーに一縷の望みを賭けることになった。超超接近戦にならないエアロパッケージとすることを目指したのだ。
 今年の2月、インディーカーはトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)と、ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)の2台をTMSで走らせた。まずは、DW12のハイバンクオーバルでの特性に対して評価を行った。多くの空力データが収集され、リヤバンパーの大型化など、必要と思われる対策がなされることになった。

ペンスキーとガナッシは全ドライバー参加
 そして今回、インディーカーは2回目のテストを開催し、今度は10台を同時走行させ、どの程度マシン同士が接近したまま走れるかをチェックすることになった。1日だけのテストだが、走行時間は朝の8時半から夕方の5時半までという長さが用意されるという。参加ドライバーは以下のとおり。

ライアン・ブリスコー     (チーム・ペンスキー)
エリオ・カストロネベス (チーム・ペンスキー)
ウィル・パワー              (チーム・ペンスキー)
スコット・ディクソン       (チップ・ガナッシ・レーシング)
ダリオ・フランキッティ  (チップ・ガナッシ・レーシング)
グレアム・レイホール   (チップ・ガナッシ・レーシング)
チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)
マイク・コンウェイ         (AJ・フォイト・エンタープライゼス)
ウェイド・カニンガム     (AJ・フォイト・エンタープライゼス) 
エド・カーペンター        (エド・カーペンター・レーシング)
ルーベンス・バリケロ  (KVレーシング・テクノロジー)


 ペンスキーとガナッシが全ドライバーを参加させることからも、このテストの持つ有効性の高さは明らかだ。しかし、アンドレッティ・オートスポートは不参加と決め、佐藤琢磨の名前もリストにない。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、インディー500にスポット参戦させるミチェル・ジョルダインJr.用のマシンの準備などで忙しくしているということなのだろう。
 なお、カニンガムの同テスト参加は、チームメイトのコンウェイとマシンをシェアして行われ、バリケロは今回のテスト前日にインディーカーによるオーバルテストを受けることになっている。

ジャック・アマノのインディーな一日:オハイオの友人宅にてアメリカンディッシュを満喫

ステーキ&ケイジャン・ポテト。オイシそうでしょ?
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati

ブラジルからアメリカに戻って食欲を一気に解放 オハイオ州の友人宅にて、嬉しいことに今年からワイファイが開通! 近頃よく来るという息子さん夫婦のおかげ。メールやネットが好きな時に好きなだけできるようになった。去年までだと、隣家の微弱電波を苦労しながら無断で拝借するか、1マイル弱の距離にあるマクドナルドまで出かけてた。
 アメリカのマクドナルドは、無料ワイファイを装備してくれてる。それをテレビCMで見て感動。以来、アリガタく使わせてもらってる。日本の街中は、電波が飛んでても有料のがまだ多いでしょ? 改善を希望します。

 この友人宅では、もっと嬉しいことがある=食事。グルメで料理上手だから、美味しいものを出してもらえる。時折、スパイス効き過ぎだけど。
 ブラジルはラテンの国だから食べ物がオイシく、アメリカにはウマイものが少ないってのが定説。しかし、ブラジルで街に泊まったのは1晩だけで、一人だったからシュラスコを食べには行けなかった。翌日からはサーキット内のホテル泊で、三晩ともロビーのバーでピザかサンドイッチ。朝は代わり映えしないコンチネンタルブレックファストを食べ続けるしかなかった。まぁ、ご飯食べにブラジルまで行ったワケじゃないワケだけどね。

キッチンにはオブンとガス・コンロがあって、グリルはパティオに設置っていうの
アメリカの家庭じゃ結構フツーみたい。
Photo:Masahiko\ Amano Amano e Associati

 そんな事情から、アメリカに来て反動が出た。到着した日にランチでタイ料理屋行って、自宅でバーベキュー・チキン(当然スパイシー)&ポテト、インディアン、メキシカン、韓国料理とピリ辛好き氏の好みも反映されてエスニック系が多くなったが、美味しいものにありついている。
 で、今日、日曜の晩は家でステーキ。友人宅はポーチに大きなガスのグリルがある。日本の我が家にも欲しい。でも、ネットで探したが、いいのは売ってない。
 グルメ氏がチョイスした付け合わせは、ケイジャンポテト。これまたスパイスが効いた料理だったが、旨かった。
 夏時間で、まだ日の残ってるうちにディナー。明るい中で晩飯食べるのにも、さすがにもう慣れた。外で食べるのはいまだにあまり好きじゃないけど。今晩は贅沢をして、プロセッコとジンファンデルも飲んじゃいました。

2012年5月7日月曜日

ジャック・アマノのインディな一日:オフの週末、テレビでケンタッキー・ダービーを観戦 あたりはもう初夏の雰囲気


もうクリーブランド界隈でも初夏といっていい陽気。
友人宅の庭も緑は青々、幾種類かの花も咲いている。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati
インディー500よりも歴史ある、まさにクラシックイベント

 滞在中のオハイオ州クリーブランド近郊は、好い天気が続いてる。昨日も今日も、もう夏が来たみたい。
 今いるのはオハイオ州でも北側だけど、オハイオのすぐ南の州で昨日、アメリカ一番の競馬のレースが行われた。
 ケンタッキー・ダービー。それをテレビで見た。今年で138回目の開催と知った。インディーより40回以上も多い開催数。1.5倍とかの歴史の長さか。観客は、16万5,000人以上も集まっていた。新記録だそうだ。
 ケンタッキー・ダービーをリアル・タイムで見るのは、今回がテレビででさえ初めて。甚だ勉強不足で……。観戦席は、丸い柱とか、白塗りのところとか、歴史を感じさせる格好良さ。でも、そこに人が鈴なりになっていて、強度はダイジョブなのかと心配になった。芝生がすごくキレイだった。レースは薄茶色の砂の上で行われてたけど。
 今回のもう一つの発見。競馬には、自動車レースの「ジェントルメン、スタート・ユア・エンジンズ!」に共通するような掛け声があるんだね。ジョッキーたちに、「騎乗してください」って言ってる感じのだった。何てフレーズだったか、もう忘れちゃったが……。スタートに向けて場を盛り上げて行くセレモニー、競馬の方が勿論歴史は長いんだろうけど、それを土台にしてるインディー500の方が演出はうまいね。
 出場は20頭。多くない? これが普通なのか。
 騎手の多くはラテン系だった。日系アメリカンも一人いた。やっぱり小柄じゃないと駄目なんだな。
 レースは先行逃げ切りタイプの1頭がとても速く、ゴール前で勝負を挑めたのは意外や1頭だけだった(20頭も出てたのに)。で、その追い込みタイプが逆転勝ち。「アイ・ル・ハヴ・アナザー」(同じものをもう一杯……とでも訳す?)なんて変わった名前の馬だった。
 ケンタッキーの空、見事に晴れ渡ってた。汗ばむぐらいの陽気だった模様。今年のインディー500決勝も、そうなって欲しい。まだ少し先だけど。
 

2012年5月6日日曜日

ジャック・アマノのインディーな1日:ブラジルの旧日本人街の喫茶店で、石川遼、羽賀研二、岩崎宏美、小柳ルミ子、山崎ハコ

日本から30時間かけてブラジルのサンパウロ空港に到着。タクシーでダウンタウンのリベルダージ地区へ。その晩の宿の予約は Liau Hotels Ginzaという、現在は中国人経営になってるらしい元・日系ホテルにとってあった。空港で前払いしたタクシー代は100レアル程度=5000円ぐらいか。
 3回目のサンパウロで初めて訪れる日本人街改め東洋人街となっているリベルダージ、その目抜き通りをかなり下った四つ角にKIDOAIRAKUという店はあった。お目当ての日本人移民博物館からすぐのところだ。

「KIDOAIRAKU」の雰囲気のある外観。70〜80年代の軽井沢とかのイメージ? リベルダージは少々荒廃気味という印象。大阪橋、そこにある鳥居、提灯をイメージした赤い柱の街灯……どれも傷みがひどい。新しい日本食屋さんもオープンしてるようだったけど。
Photo:Masahiko Amano(Amano e Associati)