2012年4月18日水曜日

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント14:R3 トヨタ・グランプリ・オフ・ロングビーチ Race Day 「あとはストレートだけというところで、エドモントンの2回目が来るとは思わなかった。マシンもストラテジーも良かっただけに残念」

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach

ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月15日 決勝
8位 リードラップ2回(計16周)

レース後、インタビューに応える琢磨。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati
気合でとにかくレッドのマシンについて行こうと頑張っていました

Jack Amano(以下――):レースを振り返ってください。

佐藤琢磨:まずはスタートですが、ブラックタイヤで行くっていう作戦、あのポジションからブラックで行くっていうのはかなり勇気のいることでした。前は全員レッドタイヤだったし、後ろもレッドだし。だけど、もう行くしかなかったですね。

――最初のスタート、うまくポジションを守ってました。

佐藤琢磨:気合いでした。気合いで1コーナーでポジションをホールドして、次のリスタートでは逆にポジションを上げることができました。その後は、とにかく前を行くマシンに追いついて行こうって走ってました。だから、フューエルセーブはレースの最後の方だけでしたね、やってたのは。もう必死でレッドに離されないように頑張っていました。そうすれば、自分がレッドになってからポジティブな展開にできるから、と。

――1回目のピットストップでそのレッドを装着しました。

佐藤琢磨:はい。そこからは本当に攻めまくりました。トラフィックの中からのスタートとなってたけど、ウィル・パワーとかも抜いてって、どんどん前へ出てって自力でレースをリードして行きました。そこからフューエルセーブを始めました。

――チームの作戦も良かった。

佐藤琢磨:そうですね。ストラテジーとしても、自分たちは攻めて行ったし、内容も非常に良かったと思います。最後のスティントも途中まではすごく良く行ってました。それが、すごい悪いタイミングで周回後れに追いついちゃった。ヘアピンで相手はほぼ止まってるような状態で、僕としては出口で抜かなきゃならなかった。その時は後ろからウィル・パワーが来ていて、あっさりストレートで抜かれてしまった。ペースとしては、自分としてはもっと上げられたんだけど、燃料がもう持たなかったので、ピットから出される数字の指示を実現するように走っていました。数字との戦いでしたね。レース終盤は、さらに厳しい数字を実現しなくちゃらなくなって、シモンは3ストップでフューセルセーブなしの作戦だったから、こちらとしてはどうしようもなかった。それでも、もうラスト1周というところまで来て、ストレートではフルパワーにして、何とか逃げ切るつもりでした。1コーナーも抜けたし、後はバックストレートだけって思っていたんだけど、まさかね、エドモントンの2回目が来るとは思わなかった。

チームもまとまってきて今後への手ごたえを感じた一戦となった。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati
マシンのハンドリングは今まででベスト

――燃費を気にしなければ、かなり速いペースで走れるマシンになっていたんですね?

佐藤琢磨:パワーはわからないけど、パジェノーとは同じペースで走れていました。実際、パジェノーより前を走れていたし、リードも広げることができていたんですから。朝のウォームアップではマシンが良くないものになっていたけれど、それを昨日の予選のセットアップに戻して、昨日の時点での不具合というか、もうちょっと良くしたいってところをチューニングしました。マシンのハンドリングとしては、今週末で一番良くなっていました。だから、攻めて行く時のクルマの反応っていうのも良かったと感じてました。タイヤもうまく使えてました。いやぁ、残念! ……あと、今回のレースでのチームとしての反省点としては、燃料の消費に関してはレースの前半のうちからもうちょっと抑えることができていれば……というところですよね。ライアン・ハンター−レイは僕らより1周遅く最後のピットストップに入った。その分、最後の最後で燃費が効いてきてましたよね。開幕戦のセント・ピータースバーグでの方向性から見ても、シボレー勢はかなりストレッチできていました。

――ハンター−レイにはペナルティが課されました。

佐藤琢磨:はい。でも30秒でしょ? それじゃ短いですよ。もう2回目だもん。

――インディーカーに抗議は出しますか?

佐藤琢磨:チームは、彼がもうペナルティを受けているので、抗議をしても意味はないって言ってましたが、どうなんですかね?

――競技長に対して、自分たちの考えを伝えるべきではないんですか?

佐藤琢磨:言うべきですよね。だから、もうそれはわからない。自分としては1回言いましたから、その先はもうチームの判断に任せます。

――3レースを戦って、チームもまとまって来た感はありますか?

佐藤琢磨:そうですね。まだ幾つか課題、大きな課題はありますけど、山積みですけど、徐々に良くなって来ています。

2012年4月17日火曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:RLL関係者にソノマテスト不参加の理由を聞いてみた

4月8日にお伝えした
2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:4月9日、ソノマでもテスト開催
の記事に関して、下記のコメントをいただきました。JOKRさん、ありがとうございます。
それに対して、ヒトコト返事をジャックからしていますが、チームにテスト不参加の理由を聞くことができましたので、改めてお伝えします。

2012年4月16日月曜日

2012 INDYCAR レポート:R3 トヨタ・グランプリ・オフ・ロングビーチ Race Dayレポート 10グリッド降格も何のその、ウィル・パワーが12番グリッドから快勝し、ランキングトップに

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach

ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月15日 決勝
天候:快晴
気温:17〜18℃

 シボレーはロングビーチでのレースを前に大きな決断を下した。レース中のトラブル発生を心配し、全員のエンジンを改良版へと変更したのだ。1850マイルを走破する前のエンジン交換は、予選順位から10個のグリッド降格という厳しいペナルティを受ける。オーバルでならまだしも、ロードレース、それもストリートでの戦いで10台分も下がってのスタートをさせられるのは大変なことだ。しかし、シボレーは勇気を持って決断を下した。そして、それは英断だった。

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:R3 トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチ:決勝スタート装着タイヤ 佐藤琢磨はチームミスでブラックに

スタートタイヤチョイスは第2戦以上の分裂ぶりに

 予選で上位の成績を出しても、シボレー勢はグリッド降格のペナルティを受ける。そこで重要になってくるのがタイヤマネジメントを含めた作戦だ。第2戦バーバーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)のように、ピットタイミングを巧みにズラし、自分より遅いマシンのペースに付き合わされるのを避けるのだ。
 「2種類のタイヤを双方とも最低2周以上は使うこと」というルールを満足させながら、できる限り高いパフォーマンスを引き出す。それは今回の場合も、第2戦と同じくブラックタイヤでの走行周回数をできる限り少なくするということなのかもしれない。
 決勝日のウォームアップ後に各エントラントが決定したタイヤチョイスは以下のとおり。ソフト・コンパウンドのオルタネートを選んだのがトップ5をはじめとする12人で、ハードコンパウンドのプライマリーを履くのは6番手スタートの佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)を筆頭に14人という分布になった。第2戦バーバーではプライマリーが11台でオルタネートが15台だったが、今回はそれ以上の分裂ぶりとなったのである。
  昨日の予選でマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)はブラックを装着。レッド2セットを新品のまま完全に温存する作戦に出た。彼のスタート時のチョイスは……プライマリーとなった。


1  フランキッティ  オルタネート
2  ニューガーデン  オルタネート
3  ウィルソン    オルタネート
4  パジェノー    オルタネート
5  ディクソン    オルタネート
6  佐藤       プライマリー
7  コンウェイ    オルタネート
8  レイホール    オルタネート
9  キンボール    オルタネート
10 タグリーニ    オルタネート
11 ブリスコー    プライマリー
12 パワー      プライマリー
13 ハンター−レイ   プライマリー
14 ジェイクス    オルタネート
15 ビソ       プライマリー
16 ヒンチクリフ   プライマリー
17 で・シルベストロ プライマリー
18 カストロネベス  プライマリー
19 カナーン     プライマリー
20 ヒルデブランド  オルタネート
21 アンドレッティ  プライマリー
22 バリケロ     プライマリー
23 セルビア     プライマリー
24 カーペンター   プライマリー
25 ブルデイ     プライマリー
26 レッグ      オルタネート


 なお、琢磨陣営がトップ10の中で只一人プライマリーとなっているのは、彼らがそれを選んだからではなく、ウォームアップ終了後1時間という期限内にチームがタイヤチョイスをインディーカーに提出しなかったため。そうした場合にはインディーカーが装着タイヤを選ぶ権利を有することとなり、今回は上記2台にプライマリー装着でのスタートが義務づけられることになった。
 

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント12 :R3 トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチ Day3 予選 「接触があって残念ながらQ1突破できませんでしたが、マシンは割とよかったと思います。決勝はレッドが2セットあり、9番手からのスタートなので正攻法で臨みます」

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach


ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月15日 予選
1分09秒9000 13位(第1セグメント敗退)


天候:快晴
気温:15〜16℃


Q1突破にちょっとだけ足りませんでした

Jack Amano(以下――):コンマ1.4秒ほどの差で惜しくもQ1突破はなりませんでしたが……。

佐藤琢磨:はい、残念ながらQ1突破はまたしてもなりませんでしたね。

――連続して良いラップを重ねていて、タイムも1周ずつ着実に上がって行っていましたが、どんな予選となっていたのでしょうか

佐藤琢磨:そうですね。えーとねぇ、リヤをウォールに当ててしまって、トーリンクがちょと曲がってしまってる状態だったんですよね。ピットに帰ってきても時間内に直すことはできないし、スローパンクチャーするかと思ったけど、とりあえず大丈夫だったので、もう思い切り行くしかなかった。様子を見ながらって感じのアタックになってたんですけど、ちょっとだけ足りなかったですね。

――アウトラップでのアクシデントだったんですか?

佐藤琢磨:いや、2周目だったと思います。
――走り出して間もなくそういうことになっていたとしたら、クルマのフィーリングに対するコメントって難しいですかね?

佐藤琢磨:はい、しにくいですね。
――たらればですが、その状態で7番手、そして僅差でのQ1敗退となったのは、マシンは良かった方だと考えられるんでしょうか?

佐藤琢磨:まぁ、わりとそうだと思います。レッドタイヤに合わせたバランスチェンジって言うのはできていたと思うんですよね。でも、スピードがもうちょっと欲しかった。接触がなければQ1は突破できたと思うけど、上の方の人たちのラップタイムっていうのは自分としては見えてなかったかな。

――レッドタイヤに対する自分なりの評価というのは、どういものになりましたか?

佐藤琢磨:連続してタイムが出ていて、グレイニングみたいのも出なかったし、こないだのセント・ピーターズバーグよりもタイヤの持ちは長いですね。同じタイヤのはずなんだけど。

――ブラックとの差はどう感じましたか? マルコ・アンドレッティが予選をブラックで戦ったんですけど。

佐藤琢磨:そうだったんだ。でも、ダメでしたよね?

――グループの9番手で、やっぱりQ1敗退でした。

佐藤琢磨:ブラックとレッドでラップタイムの差は1秒はあるんじゃないですか? 間違いなくある。


「決勝は6番手なので一番やりやすいスタートになるでしょう」

――予選結果は13番手でしたが、シボレーのグリッド降格があるので、6番手スタートができます。

佐藤琢磨:インチキグリッドだけど、前の方も見える戦いができますね。1コーナーの混乱も少ないところでスタートできます。多分、過去のロングビーチはいろいろと苦労を重ねてきてますけど、今までで一番やり易いスタートになると思います。

――明日のウォームアップについては、どういうことをやるべきと考えてますか?

佐藤琢磨:今日の予選で見切れなかったバランスと、それから、レッドタイヤがかなり長持ちするというのはわかったんだけれども、その先まで行ったらどうなるのかっていうのも見たいですね。だからセミ・ロング・ランみたいな形で試すと思います。あとは、タイヤに優しく行かないといけないんで、そのあたり、クルマのセットアップも変えて行くと思います。

――レッドは新品2セットを残しているので、それを活かして、アドバンテージとして戦いところですね?
佐藤琢磨:はい、残念ながらレッドは2セット残ってます(笑)。明日は、前方グリッドからのスタートなので、遅いマシンに引っかかって……という状態には陥らなくて済むと思います。シェビー勢が後ろから来るだけで。

――作戦的には正攻法で行き易いってことですよね?

佐藤琢磨:そうです。すごく普通にレースができると思います。

2012年4月15日日曜日

2012 INDYCAR レポート:R3 トヨタ・グランプリ・オフ・ロングビーチ Day2 予選レポート「ライアン・ブリスコーがポール獲得。琢磨は惜しくもQ2進出を逃す」

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach

ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月14日 Day3 予選
天候:快晴
気温:17〜18℃

ロング・ビーチのポールはライアン・ブリスコー
 予選日は朝から晴れ。完全ドライだとなった路面でのプラクティス3の60分は非常に重要な時間になるはずだった。しかし、このセッションが赤旗続きで、まともな走行ができたチームはないに等しかった。
 「2周連続で走れたのはたったの1回だった。しかも、その1周がアウト・ラップだったのだから……」とダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)はあきれていた。彼が20位のラップタイムしか出せなかったのは、マシンがとても扱いにくいものになっていたからではなく、こうした状況に陥っていたからだった。
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も同様だった。「まともに走れたのは数周かな……」と彼も話していた。それでも彼は9位につけていたのだが……。
 十分に暖まったタイヤで、グリップレベルもある程度ある路面で、冷静にマシンの挙動を感じ取り、何をどう改善すべきかを検討する……そういう時間はどのドライバーにもほとんど与えられなかったに等しい。通常では考えられない特殊な状況になっていたのだ。昨日の豪雨のために路面に乗っているラバーが非常に少なく、今年は新車での戦いでもある。未知の要素がとても多い事態になっていたということだ。
 それでも、プラクティス3よりマシンを明確に良くして来るのが優秀な、エンジニアリング能力の高いチームだ。そこではドライバーのインプットも大きな意味を持つ。


シボレー勢グリッド降格で、ホンダ勢が一気にトップ10に9台
 そんな今日の予選でトップタイムを出したのはライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)だった。久しぶりに期待に沿ったパフォーマンスを彼が見せた形となった。
 おそらく、10個のグリッド降格というペナルティを受けると決まった時点でパワーのモチベーションはグッと下がったことだろう。そこは彼の弱い部分だ。勝ちたい気持ちが強いのは悪くないことだが、自分は一切のミスをしていないのに不利な立場に立たされる……そういうことを彼は嫌い過ぎる傾向にある。テストでのアタックも本当に気持ちの入りまくったものにはならない。それでも今日の予選では2位のタイムを出したわけだが……。
 バーバー・モータースポーツ・パークでの第2戦、パワーはチームの作戦の巧みさで優勝を手に入れた。彼はチームの力を大きく借りて勝利をつかんだはずだが……。
 シボレー勢全員のグリッド降格により、明日のスターティンググリッドはトップ10のうちの9台がホンダ勢になる。残る1グリッドはロータスのアレックス・タグリアー二のものだ。
 なお、ロータス勢は今日の予選の後、オリオール・セルビア(ロータスDDRレーシング)とキャサリン・レッグ(ロータス・ドラゴン・レーシング)のエンジン交換。彼らもシボレー勢と同じグリッド降格の憂き目に遭うこととなった。かくして現在想定される明日のグリッドは以下の通りとなる。


1 フランキッティ
2 ニューガーデン
3 ウィルソン
4 パジェノー
5 ディクソン
6 琢磨
7 コンウェイ
8 レイホール
9 キンボール
10 タグリアーニ
11 ブリスコー
12 パワー
13 ハンター−レイ
14 ジェイクス
15 ビソ
16 ヒンチクリフ
17 デ・シルベストロ
18 カストロネベス
19 カナーン
20 ヒルデブランド
21 アンドレッティ
22 バリケロ
23 セルビア
24 カーペンター
25 ブルデイ
26 レッグ

琢磨、マシンを痛めてQ2進出はならなかったが……
 琢磨は予選中に壁に後輪をヒット。そのせいでサスペンションが曲がり、思い通りのアタック・ラップを重ねることができなかった。左後輪をターン5で接触させ、そのホイールだけがトーアウトになってしまったようだ。それでも様子を見ながらのアタックでタイムを少しずつ削って行った琢磨の順位は7位だった。惜しいところで第2セグメントへの進出を逃したのである。6位でQ2へと進んだトニー・カナーンとの差は0.1455秒しかなかった。
 今日の走行で明らかになったのは、ソフトコンパウンドのオルタネート・タイヤ=レッド・タイヤのグリップが普段よりも長持ちする点だ。もちろん、それは今日の気温、路面温度がともに低かったことも大きく影響している可能であろうが、予報によれば、明日のプラクティス3もコンディションは大きく変わらない。ウォームアップはさらに気温が低い状態で行われる。摂氏13度程度という話だ。


マルコはQ1でブラックタイヤを選択
 そうした状況を踏まえ、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は、今日のQ1のグループ2でブラックタイヤをチョイスした。全エントラントの中で彼だけがブラックで走った。彼は9位となってセカンドステージ進出を果たせなかったが、それは作戦が失敗したからではなく、レッドを温存するためだったのだ。明日のレース、彼らは新品のレッドを3セット投入して戦うということなのだ。ブラックで走る周回数を少なく抑える作戦が見事に当たれば、レッドで次々とオーバーテイクをして上位へと進出する……ということも可能かもしれない。

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント11:R3 ロングビーチDay2 マシンのバランスはあまりよくないですが、今走ったデータを思いきり活用して、予選に臨みます」

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach

ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周
天候:快晴
気温:15〜16℃

赤旗続出のプラクティス、トップはウィル・パワー


 
 天気予報通りに土曜日は朝から快晴となった。しかし、気温は昨日と変わらずに低いまま。午前10時過ぎにプラクティス3がスタートした時、気温は15度と肌寒いを通り越したレベルにあった。
 走行開始直後にジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)がターン5のタイヤ・ウォールに突っ込んだ。同じタイミングで、ピットロード出口付近でジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)がストップ。最初の赤旗が出された。
 ニューガーデン車の撤去に10分近くもの長い時間がかかった後、グリーン・フラッグで走行再開……と思ったら、シモーナ・デ・シルベストロ(ロータスHVMレーシング)がストップ。で、また赤旗。彼女はマシンとともにピットに戻ったが、二度と走ることができなかった。ロータスは5台がエントリーしているのに、スペアエンジンは1台しかないというが……大丈夫か??
 この後にもトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)のクラッシュ(ヒンチと同じくターン5)、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)のクラッシュ(これもターン5)、セバスチャン・ブルデイ(ロータス・ドラゴン・レーシング)のコース・オフ&ストップで赤旗となり、最後にはジェイムズ・ジェイクス(デイル・コイン・レーシング)が走行終了3分前にクラッシュ。赤旗とチェッカード・フラッグが同時に出された。
 60分のプラクティスセッションは、グリーンが28分弱しかなかった。

「まともに走れたのは数周でした」


Jack Amano(以下――):60分のセッション、グリーンだった時間は30分を切っていました。

佐藤琢磨:そうですねぇ。そこにインラップ入れて、トラフィックタイム入れたら、まともに走れたのって……数周でしたね。タイヤが暖まって来たと思ったら止まっちゃうし……。それに、ちょっと満足のいくバランスではない、正直言って。

――その割にはポジションはいいのでは?

佐藤琢磨:でも9番手? まぁ、もうちょっとかな?

――ターン5でアクシデントが多発していましたが、あの黄色い縁石、去年はなかったんですか?

佐藤琢磨:いや、ありましたよ。あれってランブルストリップっていうんですけど、去年までのよりもちょっと高いのかな? ほぼ一緒だとは思うんですけどね、去年はもうちょっと乗れた。僕も1個目の半分ぐらいまで乗ったらマシンのボトムが当たっちゃったんで、1個に完全に乗ったら飛んでくし、2個乗ったドライバーはみんなタイヤバリアに突っ込んでますね。あそこは結構鬼門になってるというか、危ないですね。

――昨日言っていた、ターボエンジンの、このコースでのフィーリングというのはどうですか?

佐藤琢磨:やっぱり、特にヘアピンの立ち上がりのところではブーストがまったくかかってない状態で、待ちから一気にトルクが上がって来て、それも1速ギヤなんで、ちょっと難しい。やりづらい。

――去年のクルマと比べて、パワー感とかはどう違うのでしょうか?

佐藤琢磨:パワー感というか、全体的なダウンフォースは出てるんでね、間違いなくグリップ感ていうのは高いし、ラップタイムは向上すると思うんですけど、パワーは似たようなもんだと思います。

――今日もまた走行が十分行えなかったとうことで、予選に向けてのマシンセットアップは難しいですね。

佐藤琢磨:予選をどう戦うか。今走ったデータを思い切り活用するしかないですね。何しろ僕らは1台分しかデータがないので、厳しいところです。バランスをもうちょっと良くしたい。完全にバランスが外れちゃってるってことではないのでね、やっぱり幾つか、コーナーによって不満があります。

――予選、期待しています。

佐藤琢磨:はい、頑張ります。

トップ3はシボレー勢が独占
 トップ・タイムはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)の1分10秒7553だった。2番手は昨年度ウィナーのライアン・ハンター−レイ(アンドレッティ・オートスポート)の1分10秒7723。3番手はエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)の1分10秒9687だった。
 以下、4番手はEJ・ビソ(KVレーシング・テクノロジー)、5番手がマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、6番手がスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、7番手がグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)、8番手がカナーン、そして、琢磨は9番手だった。
 意外にも、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)は13周も走りながらベストが1分14秒7912と、パワーに4秒もの差をつけられて20番手と大苦戦を強いられている

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント10:R3 ロングビーチDay1「今日のラップタイムはほとんど参考にはならない。マシンのセットは、プラクティス3でかなりの動きをしないといけないという意味で非常に難しいものになる」

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach
ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月13日
天候:曇り ときどき 雨
気温: 14〜16℃

Jack AMANO(以下——):午後のプラクティスは走れませんでしたね。