Streets of Long Beach
ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周
4月15日 決勝
8位 リードラップ2回(計16周)
レース後、インタビューに応える琢磨。 Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati |
Jack Amano(以下――):レースを振り返ってください。
佐藤琢磨:まずはスタートですが、ブラックタイヤで行くっていう作戦、あのポジションからブラックで行くっていうのはかなり勇気のいることでした。前は全員レッドタイヤだったし、後ろもレッドだし。だけど、もう行くしかなかったですね。
――最初のスタート、うまくポジションを守ってました。
佐藤琢磨:気合いでした。気合いで1コーナーでポジションをホールドして、次のリスタートでは逆にポジションを上げることができました。その後は、とにかく前を行くマシンに追いついて行こうって走ってました。だから、フューエルセーブはレースの最後の方だけでしたね、やってたのは。もう必死でレッドに離されないように頑張っていました。そうすれば、自分がレッドになってからポジティブな展開にできるから、と。
――1回目のピットストップでそのレッドを装着しました。
佐藤琢磨:はい。そこからは本当に攻めまくりました。トラフィックの中からのスタートとなってたけど、ウィル・パワーとかも抜いてって、どんどん前へ出てって自力でレースをリードして行きました。そこからフューエルセーブを始めました。
――チームの作戦も良かった。
佐藤琢磨:そうですね。ストラテジーとしても、自分たちは攻めて行ったし、内容も非常に良かったと思います。最後のスティントも途中まではすごく良く行ってました。それが、すごい悪いタイミングで周回後れに追いついちゃった。ヘアピンで相手はほぼ止まってるような状態で、僕としては出口で抜かなきゃならなかった。その時は後ろからウィル・パワーが来ていて、あっさりストレートで抜かれてしまった。ペースとしては、自分としてはもっと上げられたんだけど、燃料がもう持たなかったので、ピットから出される数字の指示を実現するように走っていました。数字との戦いでしたね。レース終盤は、さらに厳しい数字を実現しなくちゃらなくなって、シモンは3ストップでフューセルセーブなしの作戦だったから、こちらとしてはどうしようもなかった。それでも、もうラスト1周というところまで来て、ストレートではフルパワーにして、何とか逃げ切るつもりでした。1コーナーも抜けたし、後はバックストレートだけって思っていたんだけど、まさかね、エドモントンの2回目が来るとは思わなかった。
チームもまとまってきて今後への手ごたえを感じた一戦となった。 Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati |
――燃費を気にしなければ、かなり速いペースで走れるマシンになっていたんですね?
佐藤琢磨:パワーはわからないけど、パジェノーとは同じペースで走れていました。実際、パジェノーより前を走れていたし、リードも広げることができていたんですから。朝のウォームアップではマシンが良くないものになっていたけれど、それを昨日の予選のセットアップに戻して、昨日の時点での不具合というか、もうちょっと良くしたいってところをチューニングしました。マシンのハンドリングとしては、今週末で一番良くなっていました。だから、攻めて行く時のクルマの反応っていうのも良かったと感じてました。タイヤもうまく使えてました。いやぁ、残念! ……あと、今回のレースでのチームとしての反省点としては、燃料の消費に関してはレースの前半のうちからもうちょっと抑えることができていれば……というところですよね。ライアン・ハンター−レイは僕らより1周遅く最後のピットストップに入った。その分、最後の最後で燃費が効いてきてましたよね。開幕戦のセント・ピータースバーグでの方向性から見ても、シボレー勢はかなりストレッチできていました。
――ハンター−レイにはペナルティが課されました。
佐藤琢磨:はい。でも30秒でしょ? それじゃ短いですよ。もう2回目だもん。
――インディーカーに抗議は出しますか?
佐藤琢磨:チームは、彼がもうペナルティを受けているので、抗議をしても意味はないって言ってましたが、どうなんですかね?
――競技長に対して、自分たちの考えを伝えるべきではないんですか?
佐藤琢磨:言うべきですよね。だから、もうそれはわからない。自分としては1回言いましたから、その先はもうチームの判断に任せます。
――3レースを戦って、チームもまとまって来た感はありますか?
佐藤琢磨:そうですね。まだ幾つか課題、大きな課題はありますけど、山積みですけど、徐々に良くなって来ています。