2012年4月14日土曜日

2012 INDCAR レポート:R3 トヨタ・グランプリ・オフ・ロングビーチ「悪天候のロング・ビーチ、佐藤琢磨がこの日の2番手タイム!」

Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach
ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周

4月13日
天候:曇り ときどき 雨
気温: 14〜16℃

トップタイムはマルコ・アンドレッティ

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好調なスタートを切ったマルコ
Photo:INDYCAR\LAT USA
  第38回トヨタ・グランプリ・オブ・ロング・ビーチの金曜日は生憎の雨となった。気温15℃以下という、およそ南カリフォルニアらしくない寒さの中でプラクティス1はハーフウェットコンディションで始まり、セッション後半はドライタイヤでの走行も可能となったが、完全ドライにはとうとう最後までならなかった。
 午後のプラクティス2回目を前にスコールのような雨が降り、路面は完全ウェットへと変わった。そして、まったく回復の見込みが立たないままセッションはスタート。ここで走ったのはターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングのダリオ・フランキッティとスコット・ディクソンのみだった。フランキッティはゆっくりと2ラップしただけでピットに戻ると、すぐさまマシンを降りた。その後にコースインしたのがディクソンで、彼は1ラップの後に若干のスピードアップ。すると、ター1イン側の水たまりが思いの外深く、見事に足を取られてターンインできず、アウト側の壁にまっすぐ突っ込んだ。ディクソンのマシンはフロントノーズと右フロントサスペンションまでダメージを被った。
 結局、彼ら以外はピットにさえ姿を見せず、プラクティス2は終了した。そして、今日のベストタイムはプラクティス1にマルコ・アンドレッティが出した1分17秒2298となったのだが、これは去年のウィル・パワーによるポールポジションタイム=1分9秒0649より8秒以上も遅いものだった。


ハーフウェットの走行でキレを見せる琢磨の走り
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クラッシュも経験したが2番手タイムの琢磨
Photo:INDYCAR\LAT USA


佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、朝のプラクティス1で1分17秒9448をマーク。今日の2番手だった。開幕2戦ともにウェット及び、ハーフ・ウェットでの走行ではキレを見せてきている琢磨。今回もそれは同じだった。しかし、走行8周目にシフトミスからスピン。マシンを壁にヒットさせてしまった。ノーズからまっすぐぶつかる形だったため、ノーズコーンこそ大きく傷んだが、フロントウィングへのダメージは小さく、サスペンションには被害がなかった。
 プラクティス1では出場26台のうちの19台が走行。走らなかったのはフランキッティ、ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)、ジェイムズ・ジェイクス(デイル・コイン・レーシング)、グレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、シモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)、チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)の7人。この中からフランキッティはプラクティス2を走ったが、ほかの6人は走なかった。


明日は予選偶数組で今季初のQ2進出を目指す
 明日の予選、Q1のグループ分けは今日の各自のベスト・ラップによって決定される。琢磨は2番手だったので、偶数順位グループに組み入れられるが、その主な顔ぶれは、ディクソン、ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)、トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)、ルーベンス・バリケロ(KVRT)といったところで、奇数順位グループに比べると幾分競争はラクと見られる。奇数組にはストリートが大の得意で一昨年のロング・ビーチで優勝しているライアン・ハンター・レイ(アンドレッティ・オートスポート)、今日トップだったアンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)、開幕戦ウィナーのエリオ・カストロネベス(ペンスキー)、08年(チャンプカー)にここで勝っているウィル・パワー(ペンスキー)、去年のウィナーのマイク・コンウェイ(AJ・フォイト・レーシング)、09年優勝のフランキッティらがいるのだ。今年は まだQ2への進出も果たせていない琢磨だが、3度目の出走となるロング・ビーチでそれが達成される期待・大だ。そして、今年初の予選ファイナル=ファイアストン・ファスト6で戦うチャンスも十分に考えられる。

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:シボレー全車10グリッド降格、第3戦を前に全車エンジンを交換

開幕2連勝中のシボレーが、第3戦ロングビーチを前に全エントラント=11台のエンジンを交換することになった。今年からのルールにより、規定マイレッジ=1850マイル到達前の“予定外のエンジン交換”は10個のグリッド降格となる。シボレー勢がロングビーチで全員がこのペナルティを受けねばならないということだ。

2012年4月12日木曜日

2012 INDYCAR レポート:4月9日 インフィネオン・レースウェイでのテスト最速はダリオ・フランキッティ

ガナッシの3台がトップ3を独占

 5チーム、13人が参加して月曜日に行われたカリフォルニア州ソノマでのテスト、最速タイム=1分17秒2を出したのはダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。
このテストではガナッシ勢=ホンダエンジン搭載=がトップ3を独占した。2番手はチャーリー・キンボールの1分17秒4、3番手はグレアム・レイホールの1分17秒5だったのだ。
4、5、6番手はKVレーシング・テクノロジー=シボレーエンジン搭載=で、EJ・ビソとトニー・カナーン、ルーベンス・バリケロの順。いずれもタイムは1分17秒8台だった。
チーム・ペンスキー=シボレーエンジン搭載=のウィル・パワーは1分18秒5がベストで、ライアン・ブリスコーは1分18秒8、エリオ・カストロネベスは1分18秒9が自己ベストだった。
 

2012年4月8日日曜日

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:4月9日、ソノマでもテスト開催


いきなり発表された西海岸テスト。メインチームは参加するが……。
Photo:INDYCAR
RLLはなぜか今回のテストに不参加
 4月9日、カリフォルニア州ソノマにあるインフィネオン・レースウェイでインディーカーのテストが行われる。13人ものドライバーが走る大規模なテストだ。ソノマでのレース本番は8月26日と遠い先なのだが……。参加ドライバーは以下のとおり。
アンドレッティ・オートスポート: マルコ・アンドレッティ、ライアン・ハンター-レイ、ジェイムス・ヒンチクリフ
チップ・ガナッシ・レーシング: ダリオ・フランキッティ、スコット・ディクソン、チャーリー・キンボール、グレアム・レイホール
KVレーシング・テクノロジー: トニー・カナーン、EJ・ビソ、ルーベンス・バリケロ
チーム・ペンスキー: ウィル・パワー、エリオ・カストロネベス、ライアン・ブリスコー

 さすがに西海岸まで遠征してのテストとあって、ビッグチームばかり。しかも、それらのチームが所属ドライバー全員に走るチャンスを与えている。
 シボレーが3チームに対し、ホンダは1チームのみ。サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシングとシュミット・ハミルトン・モータースポーツはテキサスでのテストもあって、こちらは物理的に難しかったのだろうが、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング&佐藤琢磨、そしてAJ・フォイト・レーシング&マイク・コンウェイはなぜこれに参加しないのか……。RLLはテキサスのオーバル・ルーキー・テストにルカ・フィリッペを参加させることもしなかった。

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:アナ・ベアトリスがサン・パウロでの第4戦に出場

ベアトリスは、今シーズン、サンパウロから今年も参戦開始。
Photo:INDYCAR
AARは、インディー500では5台体制に

 アンドレッティ・オートスポートの4カー体制がサン・パウロでの第4戦で復活する。4台目に乗るのはブラジルの女性ドライバー、アナ・ベアトリス(27歳)だ。スポンサーは昨年と同様にイピランガ(ガソリン・スタンドとコンビニエンス・ストア)、カーナンバーは25になる。彼女は開幕前の合同テストをアンドレッティ・オートスポートのジェイムス・ヒンチクリフ車で走っていた。
ベアトリスは続く第5戦インディー500にも出場する計画しているが、そちらはアンドレッティ・オートスポートとコンクェスト・レーシングの共同体制でのものとなる。アンドレッティ・オートスポートはインディーにセバスチャン・サーベドラを参戦させることを既に決定している。ベアトリスはコンクェストとの共同エントリーとはなるが、4人と情報を完全にシェアする戦い方になると思われる。アンドレッティ・オートスポートは、アンドレッティ・グリーン・レーシング時代の2007年以来となる5台体制を実現させるわけだ。

2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース:4月4日 テキサスでルーキーテスト開催

テストに参加したニューガデン
Photo:INDYCAR\LAT USA
ホンダユーザー2チーム3選手が参加

 4月4日、テキサス州フォート・ワース郊外のテキサス・モーター・スピードウェイ(全長1.5マイル)でインディーカーによるルーキーテストが開催され、ジョセフ・ニューガデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)とシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)、そして、USACのオーバルレース出身のブライアン・クロウソンが参加し、この3人は今後のオーバルレースに出場する権利を取得した。
「初めてのオーバル体験はとても楽しかった。最初は単独走行で、パックで走るより断然簡単だった。しかし、私が安心して走れたのは、そうなるようにエンジニアが頑張ってくれていたおかげだ。今回のテストは、オーバルでのマシンがどのようなものなのかを感じ取ること、マシンを理解することが目標。インディー500の前に経験を積んでおくことは大きな意味がある。まだ私は勉強を始めたばかりだけれど、良いスタートが切れたと感じられ、とてもエキサイトしている」とパジェノーは語った。


クロウソンはUSAC出身のカリフォルニアン
クロウソンは生粋のオーバルレーサーだ。
Photo:INDYCAR(Dan Helrigel)
 クロウソンのマシンを用意したのはニューガデンと同じサラ・フィッシャー・ハートマン・レーシングだった。彼は今年のインディー500に同チームから出場することを目指している。カリフォルニア出身だが、レースデビューはオハイオ州。2010年にはUSACナショナル・ドライバーズ・チャンピオンとなり、USACミジェット・シリーズ・チャンピオンの栄冠も獲得。スカラシップを手にした彼は2011年にサム・シュミット・モータースポーツからインディーライツのオーバル6レースに参戦。ルーキーながらアイオワで3位フィニッシュを達成した。
テキサスでのテストに参加したのはホンダユーザーの2チームだった。テキサスはハイバンクの1.5マイルで、ウイング・パッケージもインディアナポリス・モータースピードウェイとは異なるが、DW12が投入されたばかりの現在はどんなオーバル走行もシャシーの理解を進める上で大きな価値を持つ。