2012年12月10日月曜日

2012-13 INDYCAR オフシーズン情報 12月3日 インディー/シャーロット・ダブルにトニー・スチュワートが挑戦か

ロジャー・ペンスキー直々にインディー500出走をオファー

 1997年インディー・レーシング・リーグ(IRL)チャンピオンで、NASCARチャンピオンにも三度輝いているトニー・スチュワート(41歳)が、来る2013年のインディー500にスポット参戦する可能性が出て来た。ロジャー・ペンスキーが彼にオファーを出したのだ。
 インディアナ州出身で、ミジェット&スプリント・カーを走らせて育ったスチュワート。当然、彼の子供時代からの夢はインディーカー・チャンピオン、インディー500での優勝だった。しかし、いざインディーカー・ドライバーとなって挑戦した5回での最高位は5位(1997年)、インディー未勝利のスチュワートとすれば、世界最長の歴史を誇るレースで最多の15勝を飾っているチーム・ペンスキーからの出場は拒絶し難いチャンスだろう。
 

シボレーから強力なバックアップ

 スチュワートがオープンホイールのトップカテゴリーに到達したのは、ちょうどインディーカーがまっ二つに分断されていた時期。彼はCARTシリーズより世間の評価が低いIRLでタイトルを獲ったが、その後は人気絶大なNASCARへと移り、そちらでも才能を発揮して3度のシリーズ制覇を果たして来ている。そして、スチュワートは2009年からチームオーナー兼ドライバーとなった。シボレーからの強力なサポートを受ける体制だ。そのような彼とシボレーの関係を考えれば、インディーカーでのシボレー・ナンバー・ワン・チームであるペンスキーからの参戦話は、決して実現性の低いものではない。ペンスキーとスチュワートが手を組むとなれば、全米での注目度は極めて大きなものになる。それはインディー500やインディーカー・シリーズにとってはもちろんのこと、NASCAR、そして、シボレーにとっても大きなメリットになるはずだ。
2004年以来久々となる「ダブル」、果たして障壁をクリアできるか?

 スチュワートにとっての悩みの種は、インディー500の行われる週末、NASCARがノースキャロライナ州シャーロットでシリーズの公式戦を開催する点だ。そちらはナイトレースなので、インディー500のゴール後にヘリコプターとプライベートジェットを利用すれば参戦は可能となるが、時間的に非常にタイトなのだ。そこでペンスキー御大は、インディカーとNASCARの両シリーズに働きかけ、両イベントのスケジュールを調整することまで考えているのだという。
 少し前までは、”インディー/シャーロット・ダブル”は普通に行われていた。ところが、2005年からインディー500のスタートが1時間遅らされて正午になったため(2006年からはインディアナ州のサマー・タイム採用で午後1時スタートになっているが、前年までのサマー・タイム採用無しでの正午と同時刻)、一番最近の”ダブル”実現は、2004年のロビー・ゴードンによるものとなっている。
 インディー500に出場すると、シャーロットでの決勝当日のドライバーズミーティングに出席できないため、NASCARのルールで最後尾グリッドからのスタートを強いられる。これをまず、NASCARサイドのスポンサーに理解してもらわねばならない。また、インディー500のスタートや進行が雨で遅れた場合など、どのような対処をするのか(インディーとNASCAR、どちらにどのような代役を立てるのか……など)、多方面からの了承を得なくてはならない。
 スチュワート自身、1999年と2001年の2回、“ダブル”にトライをしている。1999年はインディーで9位、シャーロットで4位に入賞。2001年にはチップ・ガナッシ・レーシングからの出場でインディー=6位、シャーロット=3位だった。二度の挑戦とも両レースでトップ10入りするという素晴らしい成績をスチュワートは残しているわけだ。また、2004年には予選最終日に突然姿を現したスチュワートに対してAJ・フォイトがマシン提供を申し出、挑戦が急遽決まりかけた。最終的には、彼とシボレーの契約などからホンダ・エンジン搭載インディーカーでの走行は実現しなかった。
 2013年のインディー/シャーロット・ダブルに関しては、いよいよNASCARのトップ・シリーズへのフルエントリーを開始するダニカ・パトリックにも計画がある。ダニカもNASCARではシボレー・ドライバーだ。


以上

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