2012年9月17日月曜日

2012 INDYCAR レポート R15 MAV TV 500 フォンタナ 決勝 ドラマチックなシーズン・フィナーレ エド・カーペンター優勝! チャンピオン争いはハンター‐レイが制す

Photo:INDYCAR LAT USA
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壮絶な戦いとなった500マイルレース

 すごいレースだった! 6年間インディーカー・レースをやって来なかったフォンタナの2マイルオーバルは驚くほどバンピーに変わっていた。そこで新型シャシーを使ったレースは行われたわけだが、インディーカーの技術部門が巧みなエアロ・パッケージ・コントロールを行ったことと、ファイアストンの作るタイヤの絶妙なライフの長さによって、順位変動の目まぐるしい、誰が勝つかわからないレースとなった。
 エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)が優勝! どれだけ予測のつきにくいレースになっていたかは、このウィナーの名前を聞けばわかるでしょう。もちろん、彼はオーバルでは速いんだけれど。
 最終ラップにダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)をパスしての優勝。去年のケンタッキーでのキャリア初優勝の時と同じ。
 今日のエドが大きな喜びに包まれていたのは、キャリア2勝目を自らがオーナーを務めるチームで記録できたから。去年の勝利はサラ・フィッシャー・ハートマン・レーシングでのものだった。彼女たちに初勝利をもたらした、そういう価値ある勝利でもあった、
 結成初年度に優勝。これは素晴らしいことだ。
 予選9位だったカーペンターだが、ファイナルプラクティスではトップタイムを出していた。トラフィックでのマシンの仕上がりが良かったということ。ロードコースではからっきしダメなエドだけれど、オーバルではデビューイヤーから速さを発揮している。そして、それはシャシーが新型に代わっても保たれている。


残り6周、ラストチャンスで逆転勝利

 今回はライバル勢がグリッド降格ペナルティを受け、エドのグリッドは5番手へと浮上していた。そして、レースでの彼はそのまま上位を保け続け、チャンスを待っていた。ラッキーな面もあった。トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)のクラッシュが241周目に起こった直後、インディーカーがグリーン下でのゴールとするためにレッドフラッグを出したところが、それ。フランキッティの勝利はほぼ確定していたが、エドに最後のチャンスが用意された。
 残り6周でレースが再開されると、フランキッティは赤旗前と同じ強さでトップを走り続けた。トップでホワイトフラッグを受けた。ところが、その後にカーペンターが強烈なアタックを敢行。ターン2でトップを奪った。
 そして、トップ交代劇の直後に佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)がターン2でクラッシュ。レースはそこで終了。カーペンターが勝者となった。「去年の11月に生まれたばかりの新しいチームで勝てた。本当にうれしい」とカーペンター。「インディーは自分のミスで勝ち損ねた。今日、こうして勝つことができて最高の気分だ」。

ウィル・パワー自滅! 3年連続でタイトルを逃す

 チャンピオン争いはライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)が制した。22番手スタートから4位でゴールして。
 


Photo:INDYCAR LAT USA
 ポイント・リーダーのウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は自滅した。55周でクラッシュ。しかも、自らコントロールを失ってのことだった。3年連続で最終戦までタイトルを争いながら、今年もタイトルを取れなかった。3点の差でハンター-レイに初タイトルをさらわれた。
 

Photo:INDYCAR LAT USA
 「ハンター-レイにはチャンピオンとなる資格がある。彼は真のファイターだ。オールラウンドのドライバーとして見れば、おそらく彼が現在のシリーズ最強だ。どんなコースでも彼は勝っている。一方で、シーズンを振り返れば、私はまたしてもオーバルだ。3回クラッシュし、大きくポイントをロスした。ロードコース・チャンピオンには、圧倒的成績で3年連続で輝いているというのに。自分に足りないものが何なのかは明らかだ」とパワーは悔しがり、チャンピオンを賞賛した。

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