マルコ・アンドレッティのドクター・ペッパーカラー Photo:INDYCAR LAT USA |
今回はフレッシュなカラーリングがあります! その1はマルコ・アンドレッティ、その2はオリオール・セルビア。残念ながらどちらのドライバーも予選までのパフォーマンスはマイチでしたが、去年のレースではトニー・カナーン(27番グリッド)とセルビア(14番グリッド)が後方スタートから表彰台に到達していたし、今年はよりエキサイティングなレースになることが期待できる状況にもなっています=走行時間の少なさとか、新設シケインの難しさとか、プッシュ・トゥ・パスのディレイ廃止とか……。
ところでこのカラーリングガイドって企画ですが、シーズンを通して同じカラーリングを使い続けた場合、チームメイトとの比較でもない限り紹介されなくなっちゃってます。そこで、今回は通年カラーリングの面々についても何人かだけですが、少しずつアレコレ書くことにしてみました。
2 ライアン・ブリスコー
2010年以来の勝利を挙げた日立カラーではなく、今回はPPGカラーでの登場。白/青/青のトリコロールは一番ブリスコーっぽいし、ウィル・パワー号との差も明確だからいいと思うんだけど、どうでしょう? 先週の勝利でチーム残留なんて話も聞こえて来てますけど、一度決まった(と思われる)契約終了が更新に覆ることなんてこち、常識的には考えられませんよね? ベツに、私がブリスコーのペンスキー離脱を歓迎しているワケじゃないんですけど。ただ、パワーと同じチームで戦って、彼に勝ち続けるのは難しいかもな、とは思います。他チームで、総合力で強敵を敗るってアプローチ、挑戦の価値アリと思います。G2がそうなる実力を秘めてるかは別の話です。ブリスコーの現在のランキングは8位。ただし、ランキング5位のシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)とは21点の差しかない。
3 エリオ・カストロネベス
ペンスキー・トラック・レンタルの白/青/黄パターン。去年は勝利なしだったのに、今季は2勝を挙げてるんですから、37歳のドライバーとしちゃ素晴らしいパフォーマンスです。ダリオ・フランキッティ様でも1勝ですよ、今年は。チームメイトのパワーが、「エリオは素晴らしい能力を持ったドライバー」と賞賛してました。お世辞じゃなく、マジメに。彼にとっちゃ、ロング・ビーチで弾き飛ばされたり(去年)、結構迷惑もかけてくれたセンパイですけど、「新しいダラーラは2ペダル。彼はもうベテランだというのに、それに合わせてドライビング・スタイルを変えた。長年ブレーキを右足で踏んで来たのに」と、いつだったか話してました。41点差を逆転してのタイトル獲得、あるでしょうか、ね?
10 ダリオ・フランキッティ
メモリーカードなどのブランド=レクサーがメインスポンサーとなって、マシン全体が黒に。ブラジルと同じパターンで、ウィング類は一部が薄茶色。今年はインディー500での1勝のみ。そのレースは健気にもターゲットカラーで記録してましたね。それも、創業50周年のカーナンバー50で。今回は真っ赤なマシンではないですけど、2勝目を挙げる大きなチャンス。作戦も絡めてスマートに戦い、運も味方につけられれば打倒パワーは可能なはず。でも、彼としては僚友ディクシーの逆転タイトル獲得に少しでも役立ちたいって考えてるんじゃないでしょうか。現在ランキング9位で、もうタイトルの目はなし。
11 トニー・カナーン
保険会社のガイコがメインスポンサーで、白/青/緑のシンプル&クリーンな、TKらしくないカラーリング。現在ランキング6位。ひとつ上のパジェノーとの差は10点しかありません。当然トップ5狙い。
14 マイク・コンウェイ
建設会社のABCカンパニーがメインスポンサー。赤/青/白の星条旗カラー。白い部分が多いとはいえ、同パターンが多過ぎ(グレアム・レイホール、ジェイムズ・ジェイクス)。自国ダイスキのアメリカンとしては仕方がないのかな、これも。ホンダがガナッシの次に契約したのがこのチーム。生きる伝説=AJ・フォイトのチームで、将来性を期待される若手の一人=コンウェイを抜擢。インディーカーのシャシーデザインをした経験も持つベテランエンジ二アのドン・ハリデーを起用したのは、AJからチームを受け継いで切り盛り=近代化を推し進めている元ドライバーのラリー・フォイト。来シーズンはもっとパフォーマンスが上がるはず。今年のベスト・リザルトはトロントでの3位で、ランキングは現在19位。
15 佐藤琢磨
サイド・ポッドのロゴはソノマでのBigge(ビギー)が1戦だけで消え、もとのMI-JACK(マイジャック)へと戻されている。琢磨のランキングは2戦を残して15位。ひとつ上のルーベンス・バリケロ(KVレーシング・テクノロジー)とは4点差、ランク11位につけるJR・ヒルデブランド(パンサー・レーシング)とでも14点しか差はない。10位のグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)との間だと差は43点と少々あるけれど……。どこまでランキングを上げられるか。
22 オリオール・セルビア
Photo:INDYCAR LAT USA |
26 マルコ・アンドレッティ
ドクター・ペッパーがメイン・スポンサー。しかし、カナダ連戦とはカラーリングが違う。マットなグレー、ワインレッドというかエンジ色というか、と白のコンビネーション。目新しさはある。RCコーラなんぞのアリキタリな青/白/赤よりは全然イイ。マルコのランキングは16位。チームメイトふたりはトップ10にいて、そのうちの一人はタイトルを争ってる。来年は奮起しないと。
27 ジェイムズ・ヒンチクリフ
ニューマン-ハース・レーシングからデビューしたが、名門チームが閉鎖に。キャリア継続の危機に陥っているところを、元ニューマン-ハースのエース=マイケル・アンドレッティが救った。インターネットドメイン会社であるゴーダディ・ドット・コムはダニカ・パトリック(すでに懐かしい)のスポンサーだったが、”ヒンチタウンの市長”というウェブサイトを運営してスポンサー獲得に努めて来ていた”ヒンチ”の方がよりピッタリのスポンサーと言える。ヒンチはコース上でのパフォーマンスでダニカを軽々と上回る上(まだ勝利はないが)、明るく人なつこい人柄でメディアやファンの間での人気も着実に上昇している。開幕から5戦連続トップ10フィニッシュ、その後にさらに3回トップ0入り。表彰台2回は2シーズン目としたは素晴らしい成績。で、現在ランキング7位。
36 グレアム・レイホール
今回はサイド・ポッドにNTBのロゴ。これはサーヴィス・セントラル(SC)の系列。マイダス、ビッグ・オー・タイヤズ、NTB、SCとSC系列だけで4パターンがあったということ。今日は幾人かのドライバーに予選第1セグメント・第1グループで迷惑をかけてしまったグレアムだが、同時に2人のドライバーに初の予選第2セグメント進出をもたらした。この二世代目、チャンプカーからインディーカーにスイッチした最初のレースで優勝(多分にラッキーだった)しているが、アンドレッティの三代目と同様、レースに賭ける本気度が低い気がしてならない。ハングリーさがヤッパリ足りないということか。マルコよりコメントはスマートだが……。今年のベストリザルトはテキサスでの2位。ランキングは10位。トップ10を保てるか?
67 ブルーノ・ジュンケイラ
青/黒に白の細ストライプ、ウィングなどに蛍光イエローのアクセント。ジャンキーはソノマで負傷したジョセフ・ニューガーデンの代役。この1戦のみの予定。ソノマでのアクシデントでは、ぶつかって来たセバスチャン・ブルデイ号ともどもシャシー・タブが破壊されてしまった。ダラーラ製の新型シャシー=DW12は安全性が高く、ドライバーたちは大怪我をせずに済んだ。しかし、よりによって規模の小さい2チームのシャシーがお払い箱の憂き目に遭った。サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシングは青く塗ったシャシーでのボルティモア登場となった。今回もSFHRのマシンにはスポンサーロゴが少なく、どれもが小さい。新生チームとしてはかなり良いパフォーマンス、若く才能がありルックスも良いドライバー、元レーサーの女性オーナー=サラ・フィッシャーとセールスポイントは少なくない。来年はより強力な体制での参戦を期待したい。
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