シーズン最多の4勝目をハンター‐レイが挙げた。精神的安定度を取り戻したその裏には何があったのか?? Photo:INDYCAR LAT USA |
ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)=RHRは第13戦ソノマで3位を走っていたレース終盤、アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)にヒットされてスピンし、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)に大きくポイント差を広げられた。表彰台フィニッシュを逃して彼はプッツン。リスタート後にまったく無関係のEJ・ビソ(KVレーシング・テクノロジー)を突き飛ばし、ゴール下の後にはテレビのインタビューでタグリアーニを大馬鹿呼ばわりしていた。前々週のミッド・オハイオでエンジンにトラブルに遭い、2レース続けて上位フィニッシュを逃したんでキレちゃったんだろうが、RHRの履歴を考えれば他人様のことを非難する資格なんかない。ましてや、八つ当たりのビソ突き飛ばし行為は「列の最後尾へ」なんて甘いペナルティで済むもんじゃない。数レースの出場停止を言い渡されても文句を言えない悪行だった。少なくとも、半年とか1年の執行猶予つきで彼は監視下に置かれるべきと思う。
それが、ソノマの翌週のボルティモア戦を迎えてみると、RHRは自分の行為を深く反省していたようだった。「まだチャンスはある。この状況は覆せる」とコメントは真摯なものになっており、冷静にチャンピオン争いに臨む姿となっていた。自らの不運を嘆いて喚き散らし、ミスをした相手を口汚く罵っていたあの男が……。
的確だったマイケル・アンドレッティの指示
対するペンスキーはまたも裏目に
RHRも、彼がタイトルを争っているパワーも、レースで不運に遭遇するケースは確かに少なくない。しかし、アンドレッティ・オートスポートのオーナー、マイケルの現役時代と比べたら、彼らなんてまだまだ幸運な方だ。そのマイケルがソノマでのレースの後、あるいはボルティモア入りした時、RHRに何かを言葉をかけたのかもしれない。とくとくと誰かを諭すようなタイプではないマイケルだけれど、不運を跳ね退けて歴代3位にランクされる42勝を挙げたドライバーの言葉には十分な重みがあるはずだ。
そして、RHRのピットで陣頭指揮を執っているマイケルはレース中に雨が降り出した時、「タイトルを獲りに行く。そのためにはパワーと同じ作戦を選んでいてはダメだ。チャンピオンになるためにここはスリックで行く」と無線でドライバーに告げたという。走っている当人にタイヤチョイスを相談するのではなく、スリックでのステイアウトを命じたのだった。RHRはレイン・タイヤへのスイッチの方が妥当な作戦と考えていたが、マイケルが攻めの作戦へと舵を切り、それは見事的中した。対するパワー&ティム・シンドリック(ペンスキー・レーシング社長)のコンビネーションは、このところ作戦がことごとく外れている。最終戦フォンタナはどうなる??
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