2012年9月16日日曜日

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント78 R15 MAV TV 500フォンタナ Day1 プラクティス2「サバイバル度が高いレースになると思いますが、今回のプラクティスでいいデータが取れたのでそれで臨みます」

R15 MAV TV 500
カリフォルニア州フォンタナ
オートクラブ・スピードウェイ
2マイル・スーパースピードウェイ×250周

Day1 プラクティス2
14位 210.940mph(=約339.402km/h)

エンジン交換で決勝は21番グリッドからのスタートに

 金曜日夕方のファイナルプラクティス、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は40周の走り込みを行なった。ベストは210.940mphで14番手だったが、多くのデータを収集。それらをレースに向けてのセッティングに役立てることとなる。エンジン交換のペナルティで10グリッドの降格がある琢磨は、決勝レースに21番グリッドから
スタートして行く。


「良くなるであろうというセットアップをかなり施して行ったんだけど、
完全に手放しで喜べるほどではまだないですね」
Jack Amano(以下――):40周を走ったファイナルプラクティスでしたが、トラフィックを走れた度、その中でのマシンに対する満足度はどうでしたか?
佐藤琢磨:うーん、そんなに激しいトラフィックに入れなかったんですよね。なんだかまた、例によってタイミングが悪くて。単独走行に近い状態と、数台の後ろに着いたりはしたんだけど、結構抜くのは難しいですね。

――タイヤはどうでしたか?
佐藤琢磨:最初のフレッシュの状態の時はすごいグリップもあって、古いタイヤで走っているマシンとのスピード差も大きい。1回走って来て、次に出てく時のタイヤはもう全然グリップ感がない。フレッシュにしても最初の3、4、5周ぐらいでもうタイヤのグリップがダーッと落っこちちゃう。

――落っこちた後はどうなるんでしょう?
佐藤琢磨:厳しいですよ。最初に右フロントがギブアップしてアンダーステアが酷くなって行くんですけど、それを例えばツールを使って直そうとしても、リヤのスタビリティがどんどんなくなっちゃう。そうなると今度は右リヤが酷くなって来て、どっちにも動けないってことになりますね。

――落ち始めてからは全体的にどんどん落ち続けて行くって感じですか。じゃ、ラップタイムも1スティントの中で大きく変わって来る。
佐藤琢磨:うん、10マイル近く差があるかもしれない。

――だからってピット回数を多くしてフレッシュタイヤを多く投入したら有利になるってものでもない。
佐藤琢磨:そう。グリーンの状態でピットストップが2回とか増やした場合、そこまでコース上でリカバーできないと思う。さっき言った通り、タイヤは5ラップぐらいしか本当に高いグリップが持たないから、あまり意味ないですよね。ニュータイヤはすごい速いんだけども、そのグリップに頼っている走りだとヤッパリ厳しい。クルマのメカニカルグリップを上げて、エアロダイナミクスの安定感も出してあげないと。そういう意味では、良くなるであろうというセットアップをかなり施して行ったんだけど、完全に手放しで喜べるほどではまだないですね。

――このセッション、結構ステイアウトしていたというか、長く走ってたのはタイヤの状況を一番見たいと考えたからなんですか?
佐藤琢磨:そうです。あと、トラフィックに入った時のクルマの動きを見たかったっていうのもありましたけど、でもやっぱり後ろに着くとフロントのグリップもなくなるし、全体的なスタビリティもなくなって、バンプを越える時にクルマが簡単にスライドし始めるし、ドライビングはすごく難しいですね。

「ボトムのラインは一番グリップが高い感じ
第2レーンは滑りやすい。第3レーンは安定するけど
それなりのマシンと練習が必要で難しい」

――バンプっていうのはコース全体で結構あるんですか? 画像だとバックストレッチがかなりすごいみたいですけど?

佐藤琢磨:バックストレッチでみんな跳ねてるでしょ? その状態のまま、揺れが残ったまんまコーナーに入って行かなきゃならない。不思議なことにボトムのラインは一番グリップ感じは高いですね。第二レーンは滑り易い。コースに繋ぎ目があるんですけど、そこに入るとマシンがフラフラになっちゃう。それを避けて第三レーンに行くとちょっとは安定するんですけど、第三レーンは高いスピードを維持して行くにはそれなりのマシンと練習が必要。僕も少しトライしたけど、相当難しいですね。何人かが高いところをキープして速く走ってますよね。でも、彼らもアクセルは結構抜いている。まぁ、抜いてても下でグチャグチャしている時には、上を走れる人はストレートに出た時に有利ですよね。僕はそこまではまだ行けてなかったですね。

――明日のレース中、タイヤラバーがさらに乗って、気温も路面も温度が低くなって行くと、コンディションとしてはタイヤには多少優しくなるんですよね?
佐藤琢磨:でグラデーションは大分落ち着くでしょうね。でも、そうなると今度はペースも上がって来るのでね、またタイヤに対しては厳しくなっちゃうところがある。ただ、タイヤの劣化は小さくなるでしょうね、気温が下がれば。

――夕日がターン4に沈みますが、視界はかなり厳しいですね、レース序盤。
佐藤琢磨:全然見えない、逆光で。レーススタートしてから1時間半とかになるのかな?

――バック・ストレッチでターン3側が見えない。
佐藤琢磨:バックストレッチからターン3へのターンインが見えないです。イエローも見るのは大変。ランプが点いても薄暗いというか……。

――かなりサバイバル度の高いレースになりそうですか?
佐藤琢磨:うーん、そうですね。ここはあんまりイエローが出ないことで有名だったみたいですね、過去のレースでは。でも、今回極端にダウンフォースが低いので、プラクティスでもクラッシュが続出している通り、レースでもその可能性はあります。ただ、気温が下がってからは安定すると思いますけど。

――フィニッシュすることが第一の目標というところですか?
佐藤琢磨:はい。まぁ、今日のファイナルプラクティスでかなり良いデータは取れたと思うので、それでやるしかないです。

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