パワー、57周リードしながらイエローのタイミングでブリスコーに勝利を譲る形に
予選2位だったライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)が優勝した。今季初勝利、通算7勝目は、2010年の6月のテキサス以来だ。
ポールポジションからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)はスタートから63周目までの57周をリードする速さを見せていたが、最後のピットストップを行った翌周、この3レースで初めてとなるフルコースコーションが発生した。それも、3位フィニッシュがほぼ確実と見えていたセバスチャン・ブルデイ(ドラゴン・レーシング)が、マシン・トラブルからなのかコントロールを失い、運悪くそこを走っていたルーキーのジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)に突っ込むという非常に珍しいアクシデントによって。
すぐさまフルコースコーションが出され、パワーはスロー走行。その間にピットストップを行ったブリスコーはまんまとチームメイトの前に出ることとなった。
ゴールを前にして二度のリスタートがあったが、パワーはブリスコーを抜けず。ミド‐オハイオから2戦連続での2位フィニッシュとなった。
「イエローのせいでレースを失った。あれだけの速さを見せつけてポイントリードを広げられたことを喜ぶことにする」とパワーは語った。彼は苦笑いを浮かべてインタビューに応えていた。自らの不運に飽きれているかのようだった。
ブリスコー、実に2年2か月ぶりの勝利
ブリスコーは久しぶりの勝利を喜んでいた。今年限りでペンスキーから放出されるとの噂もある彼だが、今日の勝利で状況は好転するかもしれない。
「大きな勝利だ。もう二度と勝てないかと考えてたから」とブリスコーは語った。「ウィルは不運だったが、僕らはずっと彼の後ろにポジションを保ち続けていたから勝つことができた。次に勝った時用にスピンターンも練習しておかないと」とゴール後のスピンターンでエンジンをストールさせてしまった彼は笑った。
3位は6番手スタートだったダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)。ペンスキー勢と作戦を違えたブラックでのスタートを切ったが、第2スティントでブラック装着のブルデイをレッドを履いていながら抜けず、第3スティントではピットストップで先行されたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)を、相手がやはりブラック装着だったというのに抜けず、と成功しなかった。しかし、粘り強く戦って表彰台に手を届かせた。
「ソノマではペンスキー勢が速い。最後にはプレッシャーをかけることができたが、パスをするまでには至らなかった」とフランキッティは完敗を認めていた。
ハンター‐レイ、74周目リスタートでタグリアーニにぶつけられて18位に
パワー同様に初タイトルのチャンスにいるハンター-レイは、7番手スタートで、レース終盤のリスタートを4位で迎えていた。ポイント3位のエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)と、ポイント4位のスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)より上位につけており、決して悪くないレース展開とできていた。しかし、74周目のリスタートが切られた後、ヘアピン状のターン7でアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)にヒットされ、スピン。エンジンをストールさせてラップダウンに陥ったハンター-レイは、怒りで思考能力も集中力もすべて失ってしまったようだった。77周目のリスタート後、自分がスピンさせられたのと同じターン7で何の罪も無いEJ・ビソを突き飛ばした。これはチャンピオン候補に似つかわしくない失態だった。前のリスタートで彼をスピンさせたタグリアーニと同罪ということで、ハンター-レイもピット・ドライブ・スルーのペナルティを受けた。その結果、彼のフィニッシュは18位となり、パワーとのポイント差は5点から36点へと広がった。
カストロネベスは粘りの走りでなおタイトルの可能性を残す
ポイント3位のカストロネベスは1周目、やはりターン7でディクソンをスピンさせてしまい、ペナルティを課せられた。しかし、まだレースがスタート直後で、挽回のチャンスが残されていたこともあって、彼は最後尾まで順位が落ちても真摯にレースを戦い続けた。そして、6位まで順位を挽回してチェッカー。ポイントランキングで3位を保った。トップとのポイント差は17点差から41点に広がったが、まだチャンスは残されている。
ディクソンは1周目のスピンで15位までポジションダウンしたが、ピット・タイミングを早める作戦を使い、前に誰もいない状況で速いラップを重ねて、6位にまで順位を挽回させた。しかし、フロントウィングの損傷などがあって順位を再び下げ、13位でのゴールとなった。そして、パワーとのポイント差は54点とに広がった。
シボレー、マニュファクチャラーズタイトルを決定
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、10グリッド降格のペナルティで26番手スタートだった。グリーン・フラッグ直後の1周目にエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)をパスして25位に浮上。しかし、今週ずっとミスファイアが出ていた彼のホンダ・エンジンは、2周目に突如としててブローし、あっという間のリタイアとなった。
今日のレースでは、パワーの3年連続マリオ・アンドレッティ・トロフィー(ロードコース・チャンピオン)獲得が決まり、7位フィニッシュしたシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)はルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得を決定づけた。そして、9勝目を挙げたシボレーが今年のマニュファクチャラーズ・タイトル獲得を決めている。
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