アップダウンがあり緑豊かなミド‐オハイオ
アメリカ東部のオハイオ州は四角いカタチをしているが、そのほぼ真ん中に位置するのがコロンバスで、ミド‐オハイオ・スポーツ・カー・コースは北へ1時間弱上がったレキシントンという小さな町にある。今年で創業50年を迎えた。
この地域の地形を活かして作られた全長2.258マイルのロードコースは、アップ&ダウンが適度にあり、コーナーには微妙なアンジュレーションがつけられた緑豊かなサーキットである。ブラインドコーナーが多いのも特徴で、テクニカル面からも、フィジカル面からも攻略が難しいコースとの評価を得ている。その上、真夏の中西部は非常に蒸し暑いコンディションとなることが少なくない。そうなれば、ドライバーたちだけでなく、クルーたちにとっても戦いは過酷になる。
2010年のウィナーはダリオ・フランキッティで、2位はポール・ポジションだったウィル・パワー。そして、予選6位からエリオ・カストロネベスが3位に入賞した。
佐藤琢磨は予選3位の好位置につけ、スタート直後にフランキッティをパス。その後抜き返されたが、1回目のピットストップまで3位を保った。
ところが、ピットストップで9位へと急降下。6つものポジションダウンをドライビングでカバーしようと琢磨の走りはアグレッシブになり過ぎ、ディクソンとのバトルでコースオフ。リタイアを喫した。
キンボールが事前テストで右手を骨折、代役はパンターノ
2011年のウィナーはスコット・ディクソン。2位でゴールしたフランキッティに7秒以上の大差をつけての圧勝だった。3位はライアン・ハンター-レイ。
琢磨は予選9位から4位でゴール。終盤のリスタートで6位から4位へとジャンプしたところが、いかにも琢磨らしかった。しかし、その後にハンター-レイに攻撃を仕掛け、3位表彰台へと到達することは叶わず。それでも、この時点まででの自己ベストのリザルトとなった。
過去2年間で表彰台に上っているフランキッティ、パワー、カストロネベス、ディクソン、ハンター-レイは、今年も速いだろう。ライアン・ブリスコーやアレックス・タグリアーニもミド‐オハイオで速さを発揮して来ているし、コロンバス近郊出身のグレアム・レイホールも上位へと食い込んで来そうな勢いを持っている。ジェイムズ・ヒンチクリフも速そうだ。
そしてもちろん、琢磨もこの分厚いトップコンテンダー層に含まれる。鍵を握るのは、路面コンディションの変化だ。サポートイベントが多いために路面が目まぐるしく変わる。そこに暑さが絡み、さらには雨が降ってラバーが流されるような事態も起こり得る。コンディションの変化に振り回されず、的確に対応を行い続けることが勝つためには求められる。
なお、今シーズン大きな伸びを見せて来ているチャーリー・キンボールは、ミド‐オハイオでの事前テストでアクシデントを起こし、右手を骨折。レース出場が不可能となり、代役には過去にもがナッシで助っ人として走った経験を持つイタリア人のジョルジョ・パンターノが起用される
事前テストで琢磨は好調。ホンダゆかりのコースでの活躍を期待
事前テストで速かったのは、昨年度ウィナーのディクソン(プライベート・テストなのでタイムは公表されていない)。DW12ですでに去年のポールタイム=1分08秒0776を上回っているという。
琢磨も事前テストに今シーズンが開幕して以来初めて参加。彼らはベストが1分07秒44であったことを明らかにしている。予選から上位で戦えるだろうことを十分期待させてくれる状況なのだ。 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングにとって、コロンバスは地元。インディーカーのオペレーションはインディアナポリスをベースとしているが、今でもスポーツカーチームはコロンバスを本拠地としている。ホンダの工場も近く、琢磨にかかる声援は普段より大きなものになる。
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