ポイントランキングもパワーを抜いてハンター‐レイが首位に
6番グリッドからプライマリー・タイヤ装着でスタートしたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)がホンダ・インディー・トロントを制した。ミルウォーキー、アイオワとショートオーバルで2連勝して来た彼は、これで3連勝。一気にポイントトップに躍り出た。最初のピット・ストップを行ったのがグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)のクラッシュの直前という運の良さに加えて、第2スティントはユーズドのプライマリーを使用し、最後にフレッシュレッドを投入と作戦もまんまと嵌っての勝利だった。
レースっぷりに問題あるハンター‐レイ、今後の戦いに一抹の不安
1シーズンで3勝もしたら、間違いなくチャンピオン候補だ。しかし、ハンター-レイといえば、去年のエドモントンと今年のロングビーチと、なぜだか佐藤琢磨にばかり超楽観主義なオーバーテイクを仕掛け、衝突したお騒がせドライバー。そのレースっぷりは、およそチャンピオンに相応しくない。チャンプカーで走り出したのが03年というから、もうトップカテゴリーで走るようになって10年にもなる。しかし、このアメリカ人ドライバーは自動車レースというものにおいて、いかにしてオーバーテイクが実現されるのか、そのルールも物理もまるで理解できていない。前述の2回のアクシデントはどちらも、相手が消えてでもしまわない限り達成不可能なオーバーテイクを仕掛けたことで発生した。
ロングビーチからはまだ3ヵ月弱しか経っていない。この短い期間で彼がオーバーテイクに対する理解度を深めたり、改めたりしたとは考えにくい。そこで心配されるのが、今以上に傲慢になった彼が、これまで以上に理不尽なオーバーテイクをアチコチで仕掛けるだろうこと。「チャンピオン争いをしている自分は優遇されるべき」なんて考え方も、彼は必要以上に強く持って行動することになる可能性が高い。ブツケられて非難されたんじゃ合わない。そうした不幸な被害者がシーズン終盤戦に多く生まれないことを祈りたい。
ドライビングスキルは誰もが認めるが……
ストリートでもガンガン攻めて走るハンター-レイは、チームメイトのマルコ・アンドレッティ以上に怖いもの知らずの、超アグレッシブなスタイルの持ち主だ。クイッ、クイッとシャープに反応するマシンで壁などまったく恐れずに走る姿が非常に魅力的だ。彼が非常に優れたマシン・コントロール能力を備えていることは、シリーズのライバルたちも全面的に認めている。しかし、もはや若手でもないのに、競争相手に十分な敬意を払った走りを体得できていない点は、いかがなものか? 去年のことだが、彼のオーバルでの走りに対して実績豊富な某ベテラン・ドライバーが、「ヤツはまるでなってない」と厳しく批判していた。
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