思わぬ中断もあったが、ディクソンは終始つけ入る隙のない走りを見せた Photo:INDYCAR\LAT USA |
スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が久しぶりにアンタッチャブルなレースを見せた。ストリートキングとして君臨して来たウィル・パワー(チーム・ペンスキー)をもってしても、今日のディクソンにはまったく歯が立たなかった。
「優勝できてスーパーハッピー!」とシャイなディクソンが笑顔を見せた。「リスタート後のターン6、ターン7はメチャクチャ滑り易くなっていた。かなり際どい、スリリングな戦いになっていた」。
ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)の2位は驚くべき集中力と、ドライビングスキルの賜物だった。赤旗中断時に6位だったというのに、リスタートからの混乱を見事に潜り抜けて4つもポジションを上げた。
「赤旗中断でバッテリーを充電できた。レースモードにまた戻るのは大変なんだけど、それが今回はうまくできた」とフランキッティは2位フィニッシュにおおいに満足していた。
3位はシモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)。最後のリスタートでフランキッティにパスされなければ自己ベストタイの2位フィニッシュだったが、3位で二度目の表彰台なら、ルーキーとしては悪くない結果だ。「ホンダのためにも嬉しい1日となった。デトロイトでトップ3スウィープ! 彼らのハードワーク、素晴らしいエンジンに見合うリザルトだ」とパジェノーはコメントした。「シュミット・ハミルトン・モータースポーツというチームも素晴らしい。1台体制でガナッシやペンスキーという資金を豊富に持つ強豪相手に互角に戦っている」。
ポイントリーダーのパワーは今回ホンダ勢に屈した形に
パワーは珍しく終盤に失速した。「厳しい1日だった。プロモーターでもあるロジャー・ペンスキーのためにも、シボレーのためにも勝ちたかった。しかし、それは叶わなかった。今週のレースから学び取るべき事は多い。まだ僕らはシリーズポイントでトップにいる。オーバルでのレースに戻るのも楽しみだ」とパワーは語った。
赤旗中断の間、必死の路面の補修作業が続く。大きな事故とならなかったことはラッキーだった。 Photo:INDYCAR\LAT USA |
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・レーシング)はクラッシュ、リタイヤとなった。11番グリッドからスタート。アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)がピット・スタートだったので10番手スタートで、1回目のピット・ストップを終えた時点で7位につけていた。トニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)とマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)はかなり早めのピットインをしていたので、彼らが2回目のピットに入って5位へと浮上できるポジションだった。
しかし、縁石に乗ってバランスを崩した。剥がれ始めていた路面の影響を受けてのアクシデントだった可能性も否定はできないが、完全にコントロール下に置いて走らせ続けるマシンとなっていなかった。そこが今回のリタイアの原因と思われる。そうしたマシンでも3つのポジションアップを、コース上のバトルで実現するところは、いかにも琢磨だった。
路面の崩壊は、不必要なトラブルだった。クラッシュしたジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)には深く同情する。長々と待たされたファンにも(帰っちゃった人も多かったようだが)。来年は問題の部分がコンクリート舗装などにされ、一切の心配が無いようになっていることを期待する。
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