2012年6月1日金曜日

2012 INDYCAR レースプレビュー:R6 シボレー・デトロイト・ベル・アイルGP エンジン勢力図は塗り替えられるのか? 自動車産業の都でストリート・ファイト

ホンダ、シボレーの地元でロング・ビーチのリベンジを果たせるか?
 デトロイトでのインディーカー・レースは2008年以来となる。イベント名はシボレー・デトロイト・ベル・アイルGP。2012年IZODインディーカー・シリーズの第6戦だ。
 アメリカ自動車産業の首都デトロイトは、もちろんシボレーの地元だ。その上にレースのタイトル・スポンサーもシボレーと来れば、シボレー・チームとすれば勝たないワケにはいかない。しかし、先週のインディー500ではホンダが勝ったばかり。それも1-2フィニッシュだった。全長2.1マイル、14のコーナーを持つコースでシボレーとホンダのエンジンの力関係は果たしてどうなっているのか、とても楽しみだ。ドライバビリティが大事なコースレイアウトでは、ツインターボのシボレーが依然としてアドバンテージを持っているのだろうか。あるいは、ホンダが優位を手に入れて地元ロング・ビーチで勝てなかったリベンジを果たすのだろうか。


ストリートコースでホンダ新エンジンの燃費に注目!
 開幕からの4レース、ストリート&ロードコースで4連勝を記録したシボレー勢は、ポールポジションも全部獲得。彼らのアドバンテージは明確だった。しかし、オーバルであるとはいえ、インディーではホンダ・エンジンの燃費が急激に良くなっていた。開幕4戦ではシボレーが断然優っていたのに、立場は1戦で完全に入れ替わっていた。ストリートコースのデトロイトでもホンダは燃費での優位を得られるのか? それもまた注目だ。
 IRL主催のデトロイト戦で勝っているのは、トニー・カナーンとジャスティン・ウィルソンだ。CART時代に遡ると、エリオ・カストロネベスが2勝、ダリオ・フランキッティが1勝。チームオーナーの中ではマイケル・アンドレッティとボビー・レイホールが優勝している。


ロータスついに1台に。ドラゴンも今回はブルデイ1台だけのエントリー
 エントリー・リストを見て残念なのは、ロータスがついに1台になってしまった点。HVMレーシングだけ=シモーナ・デ・シルベストロだけといのは寂し過ぎる。このままでは、来シーズンにユーザーチームを確保することすら難しいだろう。今シーズン中にエンジンの競争力を飛躍的に向上させ、対等に戦えるところを見せることがロータスには求められている。
 ロータスを離れシボレー入りしたドラゴン・レーシングは、インディー500では2台を走らせたものの、デトロイトからのシーズンの残りは1台しか走らせないことになった。
 シボレーとしては、フルシーズンを11台で戦う計画だったが、4戦を終えたところでロータスからパンサー/DRRら移籍して来て、供給台数は12台に増えた。その上に、インディー500開催期間中にドラゴンまで受け入れることになって、アンドレッティのスポット参戦2台も含めて16台への供給を行った。
 インディーが終わってもドラゴンはフルシーズン参戦の計画なので、彼らを受け入れるとシボレー勢は14台になる。それだけの台数に万全の体制を整えるのは難しいと判断し、シボレーはドラゴンには1台の供給枠しか与えなかったのだ。
 ドラゴンは苦肉の策として、セバスチャン・ブルデイにストリート&ロードコースを担当させ、キャサリン・レッグがオーバルレースを走ることにした。今週はベル・アイルでのストリート・レースなので、ブルデイの出番だ。


ルカ・フィリッピの参戦は先送りに
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)にとっては、今回が初めてのデトロイト。ベル・アイルのコースはバンピー&ハイスピード。琢磨とRLLのエンジニアリングスタッフはマシンをいかに仕上げ、ドライバーがどんな走りを見せてくれるのか。楽しみにしたい。なお、RLLはデトロイトから琢磨のチームメイトとしてルカ・フィリッピを走らせる予定だったが、それは先送りとなったようで、今週末のエントリーは25台となっている。

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