2012年6月13日水曜日

2012 INDYCAR レースアナリシス:第7戦テキサス ファイアストン550 ポイントリーダーのウィル・パワーがブロッキングで失ったもの

オーバルを苦手としていたウィルソンがついに優勝!
Photo:INDYCAR\LAT USA
あと少しの冷静さを欠いたパワー
ガナッシ勢不振の大チャンスを生かせず……


 テキサスでは、ロングランで安定していたジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)が大逆転優勝を飾った。もうあと2周とちょっと……というところでグレアム・レイホール(チップ・ガナッシ・レーシング)はウォールにヒット。08年以来となるキャリア2勝目を逃した。最後の勝負は、ニューマン・ハース・レーシングに籍を置いたことのある長身ドライバーたちによって繰り広げられていた。
 悔しい思いをしたドライバーはもう一人いた。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だ。228周のレースが184周目にリスタートとなった後、パワーはチームメイトのライアン・ブリスコーとトップ争いをしていた。そこへトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)がうまいことドラフティングを捕まえてアタック。それに自然と反応して、パワーはラインをインへ大きく寄せた。今年はブロッキングのルールがかなり緩和されているけれど、あの動きは「完全アウト」と判定され、パワーはペナルティのピット・ドライブ・スルー。勝利の権利を失った。
 「アレは受け入れられない危険なブロッキング」とレース後のカナーン。パワーも、「トニーの1日を台無しにしてしまった。申し訳ない」と全面的に非を認めた。
 テキサスでのパワーは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がクラッシュしていなくなった時点で優勝候補の筆頭に浮上。しかし、あと少しの冷静さを彼は欠いていた。ファイター・タイプのレーサーは、ああいう反応をしてしまいがちだ。パワーは結局8位でゴールした。

痛恨のドライブスルーペナルティを受けたパワー。この一戦が
今後のシリーズタイトルの行方にどんな影響を及ぼすのだろうか?
Photo:INDYCAR\LAT USA
 ペナルティがなければ、パワーは悪くとも4位にはなれていたと思う。ポイント2位のディクソンがリアイア(18位)、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)はラップダウンに陥る珍しいほどのメロメロぶり(14位)。パワーは彼ら二人よりは上位でフィニッシュできたものの、もっともっとシリーズポイントで大きな差を彼らにつけられるチャンスも逃した。優勝ができなかったとしても、3位だったら35点、4位だったら32点が手に入るところだったのに、加算できたのは24点。フランキッティとディクソンが獲得したのは、それぞれ16点と14点だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿