Photo:Masahiko Amano/Amano e Associati |
Jack AMANO(以下——)辛いレースだったようですが、フィニッシュまで漕ぎ着けましたね。
佐藤琢磨:いやぁ、タフでした。
——クルマの仕上がりが良くなかった?
佐藤琢磨:僕らなりには、自分たちの中では少しずつ前進した週末でしたけど、全体を通してまったくスピードもスタビリティも足りなかったと思いますね。レースでも完全にそれが鬼門になってたし、ここまで苦労するとは思ってなかったですね。ここに来るまではね。まぁ、プラクティスを走ってる時点で感じてましたけども。
——スタート前に雨が降って、路面も変わってたし、気温も下がっていた。コンディションの与えた影響はどうでしたか?
佐藤琢磨:そういう面からだと、タイヤの持ち具合が良くなっていたと思います。全体的にレースペースも上がっていたと思うし、その中でラインも1本ではなく、もう少し広がってバトルになってたんじゃないのかな。僕自身はラインが1本しかなかったけど。そこに留まり続けるのが自分たちとしては精一杯でしたね。
——そういうマシンだと、何としてもゴールまでっていうのがレースの中でフォーカスになって行ってしまいますね?
佐藤琢磨:はい。
——悔しいアイオワになりましたね?
佐藤琢磨:うん。非常に残念です。レースになってなかったから。悔しさもないぐらい残念。だけど、何でここまでクルマのスタビリティが上がらないのか、ちょっと色々と考え、分析する必要がありますね。この後暫くオーバルはないのでね、それはせめてもの救いというか……。最終戦のフォンタナに関して言えば、これまでのとは全然違うオーバルだし。自分が好きなショート・オーバルでこういう結果になるとは思ってませんでした。でも、しょうがないです。
——今日はボビー・レイホールがスポッターだったんですね?
佐藤琢磨:はい。
——どうでしたか?
佐藤琢磨:やっぱり良かったです。何度もタイトル獲って、優勝しているドライバーだけに、コクピットでの仕事をよく知っているし、どういうスポッターがドライバーにとって一番望ましいのかっていうのを彼自身がよくわかってるので。そういう意味では、彼は長らく経験してなかったってことですから。最後にスポッティングしたのはいつかわからないですけども、僕としては凄くやり易かったですね。
——どの辺がいいんですか?
佐藤琢磨:やはり、必要な情報を常にくれるっていうところ。そこが凄くやり易かったですね。今日はバトルをして前に上がって行く中でっていうよりも、もうほとんど後ろからどれぐらいの台数が来て、どれぐらいのクロージング・スピードで来て、というのをクルマ30台分バックぐらいからの情報をくれるので、1周で5台ぐらいの間隔を追いつかれてたでしょ? だから、どこら辺で相手が来るかっていうのが自分なりに把握ができてた。それが良かったと思いますね。
——ハードにバトルのできるマシンに仕上がった時にもボビーにスポッティングして欲しいですか?
佐藤琢磨:そうですね。今回はロジャー(・安川)が来れなかった。それが凄く残念だった。ボビーは本来ならピットスタンドにいるチームオーナーなのだけれど、スポッターとしても素晴らしかった。ロジャーはフォンタナ、スケジュール的に大丈夫だということなので、来てくれると思いますよ。
——連戦が終わって、次はトロント、エドモントンとストリート系が続きます。
佐藤琢磨:楽しみですね。久しぶりにロードコースに帰れます。デトロイトでのペースがあまりにも上がらなかったので、最後に良いレースだったのはロングビーチとブラジルなので、シーズン序盤まで戻りますけど、トロントは今まであんまり良い思い出がないんだけども、今年は良いレースになると願いたいです。そして、それが終わったらエドモントンも来るし、ミド-オハイオも来るし、自分にとって良いコースが続くので、自分たちのパフォーマンスが復活するのを楽しみにしてます。
4戦連続のクラッシュ&リタイアだった琢磨だが、アイオワでは今シーズン最も悪い仕上がりのマシンながら粘り強くゴールまで走り切った。もちろん、レースでの彼は全力をふり絞ってバトルを続けていた。これで悪い流れは断ち切った。次からはロードレースが9月上旬までで5連(あるいは6戦)続く。
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