去年は予選で5位につけた佐藤琢磨だったが、今年は予選14位だった。インディー500の後に多くのチームがテストを行ったが、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはテストを行えなかった。予選の前に与えられた走行時間は2時間だけだった。その中で決勝用セッティングを完成させ、予選でも速く走れるマシンを作る……というのは容易なことではない。ましてやRLLは1カー体制だ。決勝を重視するプログラムを組み立てて琢磨は2回のプラクティスを走り、そこから予選用セットアップを導き出した。
Jack AMANO(以下——)予選は14位という厳しい結果になりました。
佐藤琢磨:悔しい。ホントに悔しい。うーん、不完全燃焼って感じです。
——2周目の方がラップタイムが遅くなっていた。ハンドリングが苦しかったということですか?
佐藤琢磨:いや、両方。2ラップともクルマがスライドしてしまって、リフトしなくちゃいけなかった。両ラップの3コーナーと4コーナーですね。やっぱりクルマが煮詰まってなかった。足が、ね。何とかフロント・フラップでアンダーステアを押さえつけたんだけれども、十分なメカニカル・グリップが無くて、クルマがスライドしちゃって、思い切ったアタックにはならなかったです、残念ながら。
——エンジン交換のペナルティで10グリッド下げられるので、24番手スタート。ほぼ最後尾です。かなり厳しいですけど、どういう戦いをして行く考えですか?
佐藤琢磨:エンジン交換するドライバーが全部7人いるんでしょう? みんな大きく順位を落としてしまうんだけど、僕らよりは前の人がほとんどで、ほぼ最後尾からの追い上げってことになりますね。どうだろう? さっきのセッションの後も話した通り、プラクティス2回分と今の予選とでデータは取れました。予選ではちょっと行き過ぎた感があったので、それを少し戻して、全部のセッションのいいとこ取りをしてレースに臨みたいです。
——最後列のひとつ前からのスタートとなると、周回遅れに陥るリスクが高くなる。それを避けて戦うのは非常に大変と思いますが、どうですか?
佐藤琢磨:そうですね。確かに、あっという間にミルウォーキーではラップされてしまいますからね。だから、なるべく早い段階で上に上がりたいんですけど、うーん……結構みんなコンペティティブだし、今の予選の時点で僕がP4とかだったらいいけど、14番手なのでね、どこまでのスピードを持ってるかがわかんないんですけど、とにかくトライするしかないです。
——燃費を利用した作戦などは? レースは3ストップですか? 2ストップは可能ですか?
佐藤琢磨:2ストップは無理。3ストップか、場合によっては4回か。
——4ストップになるとフレッシュタイヤがないですよね?
佐藤琢磨:そうですね、だから、そこら辺はイエローの兼ね合いでどうなるかわからないんですけど。
——ピットタイミングをずらすという作戦も、コース全長が短いので、どこでも混んでいるという状況になり易く、難しいですよね?
佐藤琢磨:はい。だからフューエル・セービングよりも、先ずはポジションを上げて行って、リードラップにいることが大事ですね。フューエル・セーブした結果としてラップされたんでは意味がないので。その辺りは、慎重に順位を上げながらも、なるべくハイペースを維持したいです。
——タイヤの使い方がかなり重要ですね?
佐藤琢磨:そうですね。プラクティスを見てて、フレッシュタイヤとスティントと中盤から後半で1ラップの平均時速で10マイル近くの差が出てました。それだけタイヤのデグラデーションが大きいので、結構バランスシフトも有り得る。スティントの後半はみんなズルズルになって来るはずなのでね、そこでどれだけ堪えられるかですね。
——そこが勝負になりますね。
佐藤琢磨:そうなると思います。
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