予選前のプラクティス2、佐藤琢磨は11番手
プラクティス1終了から2時間プラスのインターバルを置いて、プラクティス2が開催された。快晴の下、ザ・ミルウォーキー・マイルの気温はいよいよ摂氏30度を越えた。暑さのためかトップのタイムはプラクティス1の方が速かったが、全体的にはタイムが向上していた。因に、トップはテキサス・ウィナーのジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)の22ボユ1744=164.785mphだった。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、22秒5021へとコンマ1秒ほどタイムを縮めた。1時間のセッションで65ラップと周回数が多いのは、ロング・ランをトライしていたからだ。このセッションでの順位は11番手だった。
上位陣を見ていても、フレッシュ・タイヤでは22秒台が出るものの、ロング・ランでは25秒台にまでトラフィックの状況によって落ちることがあった。明日のレースは、各スティントのレベルを全体的に上げるマシン・セッティング、タイヤをケアしつつハイペースを保つ走り、そして、トラフィックをうまく利用したオーバーテイク術が必要となる。
――予選を前にしたセッション、マシンの仕上がり具合はどうですか?
佐藤琢磨:まずは午前中からの続きで、レースセットアップを行いました。ひとつのスティントの中でクルマが安定してないといけない。それだけに基本は集中していました。今日は午後になって気温が上がったせいもあると思うんですけど、全体的にグリップが低くなってました。欲しかったバランスのグリップが出てなくて、それを追いかけて自分たちとしては幾つかセットアップを変更しました。そして、セミロングランみたいなカタチで走っていて、かなりスピードも落ちてましたけど、バランスをチェックしました。そして最後は、ニュータイヤで予選シミュレーションに近い走りをやりました。
――タイムで見ると11番手でしたが、満足度はどうですか?
佐藤琢磨:うーん……半分も行ってない。全体的なスタビリティが足りないし、その中で、1コーナー側と3コーナー側で全然バランスが違うし、バンプを越えた時の動きとか、トラフィックの中の動きとか、すべての部分で満足は行ってないですね。
――レースに向けては、クルマをどうしようと考えていますか?
佐藤琢磨:少なくとも、この2回のセッションで幾つかデータはちゃんと取れているので、それを基にセットアップします。もう後は予選しかないけれどね。予選は思い切り行きます。全開では絶対に行けないだろうけど、少なくとも僕らのクルマでは。なるべく行けるように頑張るけども。それで、そこでの変更がポジティブであれば、それをレース用セットアップに反映させるっていうアプローチになると思います。
――この2セッションで走ったものからガラリとマシンを変更させる可能性もありますか?
佐藤琢磨:いや、もう大きくは変えられないです。ここからはもうファインチューニングだけ。大きく変えたいけども、時間もないし、それだけのリソースもデータもないですね。だから、もうここからはファインチューニングで、決勝に向けてクルマを作るためにもシッカリとデータを分析しないとダメだと思います。
――ロングランでの自分たちのマシンのフィーリング、仕上がりはどうですか?
佐藤琢磨:スピード自体はそんなに悪くないと思うんですね。ロングランをやっていた他のクルマも150mph前後でホバリングしてたので、スピード的に大きな差はないんですけど、とにかく近づけない。他のクルマに。だから、近づこうとするとダウンフォースを大きく失うし、去年みたいに半車身内側につけてコーナーを回ろうとしても、内側に行くと、コーナーのイン側の黒いターマックの部分は非常に滑り易くなってて、あそこに行くとラインをトレースできない。それのいたちごっこで、全然他のマシンに近づけないんですよ。
――ロングランでのラップタイムの落ちが少ないことが重要。しかし、オーバーテイクも至難……では、非常に難しい戦いになりますね?
佐藤琢磨:そうですね。とにかくタイヤがどういう風にギブ・アップして行くのか、それが今回のセッションでは見たかった。自分たちとしては、通しでの40~50ラップというのはできなかったんですよね。10、10、20周というように、何度かヒートサイクルを繰り返しながらなんで、タイヤとしてはラクな感じなんですけど、それでもやっぱりスティントの最後の方はフラついて来てました。なおかつ、フロントはアンダーステアが強いので、その辺をどういう風にバランスを縮めて行くかというのが課題だと思います。
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