2012年6月11日月曜日

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント40 R7テキサス決勝「リスタートをうまく決めたことで上位に行け、無理はしてないけど上位陣の速いペースに食いついて行こうとしてた。落ち着いて走れてたつもりなんだけど、悔しい。次のショート・オーバルはまだこのクルマで走ったことがないので何とも言えないが、これまでショート・オーバルは楽しく走れているので、挽回したい」

6位まで順位を上げた佐藤琢磨だったが、悔しいアクシデントによるリタイヤ
予選結果は10位。しかし、ファイナルプラクティスでエンジントラブル発生。佐藤琢磨は10グリッド降格のペナルティを受け、25台出走中の20番手からスタートを切った。
インディーカーの狙い通り、接近戦が難しいレースになっていた。グリップを失ったタイヤで誰もコントロールに苦しみ、ラップタイムは1スティントの中で大きく下がって行った。

そんなバトルで佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が面目躍如。リスタートでのジャンプアップ、ピットクルーの素早い作業ぶりもプラスされ、6位にまで順位を上げた。
しかし、戦いは64周目にして終わってしまった。ターン2でスピンを喫したのだった。このコーナーの出口は、25度バンクが一気にフラットに近づく。ダウンフォースが急激に抜けるドライビングの難しい場所なのだ。

路面がグリップレベルを変え、逆にタイヤはグリップを落とし始めた頃だったのか、琢磨のマシンは突然コントロールを乱した。
上位フィニッシュが期待できていた序盤だっただけに、とても悔しい結果になった。インディー500で優勝争いを行った琢磨は、テキサスでもトップ争いに加われる力を強力にアピールしたが、3戦連続で完走を逃した。

Jack AMANO(以下——)64周目、何が起こったんですか?


佐藤琢磨:クルマがスライドしてコントロールを失ってしまいました。リヤがスポッと抜けてしまいました。

——バックストレッチの結構真ん中寄りからスピンしたように見えたんですが?

佐藤琢磨:そうですね。ターン2以外の他のコーナーは結構曲がれない状態が強くて、とにかくスタートから1回もアクセルを踏みっ切りでは行けてなかった。全部(アクセルを)抜いて行かなきゃいけなかった。それはそれでいいんですけど、結構クルマがナイフエッジのまま走っていて、ピットストップしてニュータイヤにして、大分感触が良くなって来たかなって思ってたんですけど、逆にフロント(のグリップ)が強くなって来た分、リヤが凄く弱くなってて、ターン2で一気に流れてしまいましたね。

——あそこまで、何台もオーバーテイクして行ってましたよね?

佐藤琢磨:そうですね。スタートから13番手になるまでは、1台ずつ順位を上げてって、ピットでトップ10になって、そこからリスタートをうまく決めて……と、ある意味良いポジションでは走れてたんですけど、かなりハンドリングの方はずっと苦労をしてました。

——昨日のNASCARレースの影響で、路面が悪くなっていましたか?

佐藤琢磨:うん、最初はハイ・ラインとかが凄いグリップしなかったですね。

——クルマ的に言うと、ポジションは上げることができていたけれど、その割に苦し目の部分もあったということですか?

佐藤琢磨:そうですね。リスタートはね、もうホントに展開でうまくジャンプアップできたけど、そこから先になかなか行けなかったですね。レースを見ていても、やっぱりスティントの後半になると相当苦労して、みんなスピードも落ちてた。スティントによって、良いドライバーと悪いドライバーとが結構分かれていたので、最後までどうなるかわからない戦いになっていましたね。そこに残れなかったのが残念ですね。

——マシンの中、ピットストップで調整を行える幅があると思いますが、あのまま次のスティントに行っていたら、まだセッティング変更を行えるだけの幅はあったんですか?

佐藤琢磨:うーん、多少はあったと思いますけど、凄く難しかった。あっちはアンダーステアで、こっちはオーバーステアって状態だったので。ダウンフォースが足りないことで両方出ちゃってた。まぁ、それがインディーカーの狙いだったワケですけど、自分たちとしては相当厳しかったですね。

——路面はレースが進んで行く中でグリップが向上して行ったと思います。それが救いとなって、終盤も戦える、というようになる可能性があったのですか?

佐藤琢磨:多少は良くなったと思います。だから、走ってレースがスタートしてすぐ、インサイドのレーンは大分良くなって、グリップするようになってましたから。でも、外側はグリップ感がなくて、特にターン2の出口のバンクの角度が大きく変わるところで、かなりマシンがナーバスになってました。

——今回のように1スティントの中でラップタイムが大きくダウンする、というのが今後のインディーカーのオーバルのトレンドになる可能性があると思いますが。

佐藤琢磨:でもね、ここ1戦だけしかないから、こういうオーバルは。

——フォンタナは今日のようにはなりませんか?

佐藤琢磨:フォンタナは多分、インディアナポリスのスペックに近いので……。うん、確かにフォンタナはこうなる可能性があるかもしれない。でも、フォンタナを僕は走ったことがないので何とも言えないですけど、エアロパッケージとしては、(インディーカーの)狙いとしては多分、(今回と)同じようにレス・ダウンフォースでシリーズとしては行くんだと思います。

——それについて琢磨選手はどう思いますか?

佐藤琢磨:今日、今回こう走ったのは、みんな、ある意味、誰もわからない状態だった。タイヤも(今回のようなレースに合わせて)デザインされてなかった。去年までのダウンフォース量に合わせたタイヤでね。ある意味、レースは面白くなってるけど、別の面白さになっているというか……どううまく持たせて、どう生き残るレースになっていた。2ワイドで抜きつ抜かれるってレースには、今回はなってなかったですよね。そこら辺は、わからない。これから見直すところもあるのかなって思います。まぁ、圧倒的にダウンフォース少なくて、みんな苦労をしていたと思います。

——もうちょっとルールにモディファイが必要かな? って感じていますか?

佐藤琢磨:そうですね。もう少しダウンフォースあってもいいかなって思いますけど。クルマ作りとしても、テストがない状態なのでね、1時間のプラクティスでクルマ作って、30分のファイナルプラクティスで仕上げてって週末になってました。もう少し足廻りを煮詰めたかったかな、というのが正直なところ。でも、そういう状況で走らざるを得なかった。それで展開もあって、リスタートをうまく決めたことで上位に行けたんだけど、上位はペースが速かった。それに、無理はしてないんですけど食いついて行こうとしてました。慎重に、落ち着いて走れてたつもりなんですけどね。悔しいですね、オーバルレースでね。

——また、今日もファンは盛り上がってたと思います。20位スタートで6位まで上がったんだから。

佐藤琢磨:はい。そういう意味では、ゴールできなかったのは申し訳ない。残念です。

——来週はミルウォーキー。また違ったオーバルですね、全長1マイルの。

佐藤琢磨:こっから先のふたつはショート・オーバルで、パッケージはまた今回とは異なります。ショート・オーバルはまだこのクルマで走ったことがないし、チームともやったことがないので何とも言えないですけど、去年も一昨年もショート・オーバルはなかなか楽しく走れているので、挽回したいです。

——この後、アイオワにテストに行く予定なんですよね?

佐藤琢磨:行く予定だったんですけど、ちょっとわからない。今回アクシデントだったんで、クルマの状況を見て行くか、行かないかは決まります。

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