予選12位、実質10番手からの決勝スタートで7位までポジションアップした佐藤琢磨
しかし、デトロイトでのリザルトはアクシデントによるリタイアというものに
アメリカン・ストリートレースは過激だ。コースはバンピーで、路面のグリップは低く、しかしコンクリートウォールに囲まれ、ミスをほとんど許さない。さらにドライバーたちは、小さな接触などまるで気にしない、ラフプレーもある程度は許容範囲と考える猛者ばかり。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、そんな中で確実に存在感を発揮して来ている。混戦の中で稼いだポジションは、失ったポジションの数を遥かに上回る。今回も琢磨は、デトロイトの難しいローリングスタートで見事なジャンプを見せた。
しかし、マシンセッティングを納得の行くレベルに近づけられていなかったため、レース中盤にはコントロールに苦しみ、結末は折り返し点前にアクシデント。実質10番スタートから7位へポジションアップし、5位への浮上も間もなく叶うところでのリタイアを喫した。
以下は琢磨の残したコメントだ。
「コース幅がとても狭く、ひどく混乱したスタートとなりました。前も横も後も完全にふさがれた状況でした。けれども、僕はターン1とターン2を無事に通過し、順位を上げました。その後はリズムに乗ってドライブし、順位も落ち着きました。僕たちは作戦を変更して早めにピットストップを行い、早めにコースに復帰することにしました。トラフィックに巻き込まれずに走行できるうえ、新しいタイアに交換できることがその狙いでした。クルマのバランスは僕好みではなく、とてもドライブしにくいものでした。とても難しいコースで、クルマを落ち着かせるのにひどく苦労しました。ターン6とターン11のコースコンディションは特に難しくなっていました。そしてターン12の高い縁石に乗り上げたとき、ステアリングにものすごいキックバックが起こり、これでグリップを失ってレースを終えることになりました。こんな形でレースを終えるとは思ってもいませんでした。今回はとても難しい週末となりましたが、テキサスではまた力強いレースをお見せしたいと願っています」
琢磨にとっての朗報は、ホンダV6シングルターボエンジンが、シボレーと対等か、それ以上のパフォーマンスをロードコースでも獲得できていることが今回判明した点。燃費性能もほぼ互角の様相となっている。シーズン中盤戦以降、バトルはさらに熾烈を極めて行くこととなりそうだ。
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