2012年5月13日日曜日

2012 INDYCAR 佐藤琢磨コメント19:第96回インディアナポリス500 5月12日 オープニングデイ 「今日はチームの人手が足らないこともあって、少ししか走れませんでしたが、周回数が少ないながらも、きっちり走って良いキックオフとすることができました。ミチェルとの2台体制の強みですね」

第96回インディアナポリス500
インディアナ州インディアナポリス
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
1周2.5マイル(=約4.023㎞)×200周

5月12日 オープニングデイ
プラクティス1 12位 217.180mph(=約349.443㎞/h) 2周走行

プラクティスの残り時間30分を切ってから琢磨のマシンはピットに姿を見せた。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati
「走り出してすぐから、クルマはカンフォタブルなレベルでした」

今日はもう、佐藤琢磨は走らないのかと思った。走行開始直後に、「3時過ぎから走ります」と本人から聞いていたのだが、チームメイトのミチェル・ジョルダインのマシンがガレージに帰った後、いつまで経っても琢磨の15号車がピットに運び込まれて来なかったのだ。ガレージに様子を見に行くと、マシンがちょうど引っ張り出されるところだった。もう夕方の5時半を回っている。残り時間は30分を切っていた。

Jack Amano(以下――):ギリギリで何とか走ることはできましたね?


佐藤琢磨:そうですね、ほんとにギリギリでした。でも、走れて良かった。
ミチェル・ジョルダインJr.とピットで情報交換する琢磨。すでに2台体制の
強みをインディー500初日から実感することに。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati
――すぐにポンポンッとタイムが出ましたね。計測1周目で216マイル台、2周目で217マイル台ですから。4月のテストが大きくプラスに作用しているというところでしょうか?

佐藤琢磨:それもありますけど、今日、ミチェルが走ってくれたのが大きかったですね。あと、今日はもう500周以上が多くのマシンによって行われた後での走行でしたから、タイヤラバーもキチッと乗ってました。気温も夕方になって低くなって来てるところでしたから、コンディションが速いですよね? しかもニュータイヤだったから、速くって当たり前。でも、今日の目的としては、クルマのシェイク・ダウンと、前回のテストのセットアップをこのクルマに施して、同じようなバランスが出るか……というあたりを見るというのがありました。その結果、走り出してすぐからカンファタブルなレベルになっていまいた。安定感があったから、問題なくスピードを出せました。

――去年まででインディー500はもう2回経験していますが、今年は新型マシンになりました。フィーリングはかなり違うものですか?

佐藤琢磨:4月に走った時にはそう感じました。ものすごくクルマの特性として、「ポインティ」って表現をするんですけど、ターンイン、つまりクルマがコーナーに入った瞬間、ハンドルを切った瞬間に大きくマシンのフロントが反応して入ってっちゃうんですけれども、その後にアンダーステアが出る。そのアンダーステアの出方も、舵角を切って行ってるんだけれども、リヤが落ち着かずに、細かく揺れるんですよね。そういう点で、ちょっと不安要素が大きかったんです。それが、今日走ったらそれがまったく感じられなかったですね。4月に比べてセットアップが進んでいるということと、さっきも言ったとおり、500周もみんなが走った後でラバーが乗っていたこととかがあったんだと思います。

――今年からの小排気量ターボエンジンのフィーリングは、去年までと比べてどうですか?

佐藤琢磨:うーん……それはほとんど感じないですね。というのも、このスピード域で、加減速がないので、ちゃんとブーストがかかってる状態ではターボエンジンであることを感じないので。ストリートやロードみたくブーストがコーナーで下がってしまうという時にはターボエンジンだと感ずるけれど。インディーでだと、ピットの出口では急激にトルクが立ち上がって行くけれども、スピードが上がってのラップに入ってからは全く影響ないですね。

「周回数は少なかったけれどもその中できっちりプログラムをこなせました」

――タイヤのセット数にも限りがあり、それらもよく検討して走行プログラムを立てなければならないのがインディー500だと思います。3年目の今年は、例えば今日のようにほとんど走れなかったことも大きく気にはならないですか?

佐藤琢磨:別に、焦りとかはないですね。確かに今日の場合、まさか最後の最後にあれだけしか走れなくなるなんて考えもしなかったけど、その中でキッチリと僕らなりのプログラムをこなせた。セットアップを僕がやれたわけではないけれどミチェルが走ってくれたから。やっぱりそこが2台体制の強みですよね。今日、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは西海岸でアメリカン・ル・マン・シリーズのレースに出場しているので、1台体制のクルーで2台を走らせているに近い状態でした。自分たちとしては、今日はマシンのシェイクダウンが目的。明日は天気が悪いみたいだし、今日キッチリ走れたことが月曜からの走行で活きて来るはずなので、いいキックオフにできたと思います。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Assiciati 
――明日は雨でもいいぐらいですね?

佐藤琢磨:そうですね。無理に2台を一緒に走らせても、データのクォリティが落ちたのでは意味がないですから。クルーが少ないのでは効率も落ちます。

――明日、もし天気が持って走れることになった場合、目標、テーマは何になりますか?

佐藤琢磨:今日の延長で、僕は僕の、ミチェルはミチェルのプログラムをこなして行きます。今日、2人それぞれが終わったところからのスタートって感じですね。2人で3時間ずつの走行っていう風に分けると思います。でも、僕としてはまったく焦ってない。月曜以降の天気はかなり安定するという予報が出ているし、もともとタイヤのセット数には限りがあるので。今日、ほとんど走れなかったことは、逆に良かったぐらいです。

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