2012年5月17日木曜日

2012 IZOD INDYCAR シリーズレポート:5月16日 第96回インディアナポリス500 Day5  プラクティス5回目 涼しいが風が強いコンディションの中、初のアクシデントも。佐藤琢磨は3日連続の9番手と依然好調

5月16日 Day5
プラクティス5

天候:晴れ
気温:22〜26℃
 

走行5日目も朝から快晴だったが、少々風が吹くコンディション。
写真はパゴダ裏の旗。ドライバーたちはターン3外側と、メインストレートの
タワーてっぺんにあるウィンドソックスで風向きと強さをチェックしている。
Photo:Masahiko Amano\Amano e Associati
ニューガーデン、3回目のトップタイムをマークするが…… 

 昨日より1日を通して涼しいコンディションが続いていた。今日は風がやや強めだったこと、昨日ほど多くの台数による集団走行が実現しなかったことから、トップ・スピードは222.785mph(=約358.461㎞/h)にとどまった。
トップタイムをマークしたがクラッシュも経験したニューガーデン。
Photo:Naoki Shigenobu
 その最速スピードをマークしたのは、またしてもルーキーのジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)だった。オープニング・デイからの5日間で3回目のトップである。
 今日の彼は夕方の、いわゆるハッピーアワーのトラフィックで最速ラップをマークした。
 しかし、彼はその後、今年初めてのアクシデントを起こすドライバーともなってしまった。3台のマシンの後ろを走っていた時、ターン4からメインストレートへと出るところでマシンが突如としてスピン! 幸いにも彼は二度のスピンの後にコースイン側の壁に前後ホイールを軽くぶつけるだけで済んだ。ニューガーデンはメディカルチェックを受けてすぐにドライビング再開の許可をもらった。そして、マシンへのダメージも非常に小さいものだった。


 「このコースでラッキーはそうそう起こるもんじゃない。僕は今日、その1回に恵まれたんだと思う。チームが素晴らしい状態に仕上げてくれたマシンを壊したくはない。今日、どうしてスピンをしてしまったのか、その原因をキッチリ解明したい。今日はみんながレース用セッティングをより良くしようと周回を重ねていた。僕らももう少しマシンを良くする必要がある。今日の僕らはかなりのラップを重ねたタイヤを装着していたためか、ドラフティングの中での走りが難しくなっていた。あのアクシデントは、インディーの小さな洗礼を受けたっていうことなのかな?」とニューガーデンは語った。

アンドレッティのレギュラー組3人衆が2~4位に並び
佐藤琢磨も自己ベストを更新して3日連続9番手と好調


 今日の2、3、4番手はアンドレッティ・オートスポートのレギュラー・トリオだった。マルコ・アンドレッティが222.108mph(=357.372㎞/h)、ライアン・ハンター-レイが221.763mph(=約356.817㎞/h)、ジェイムス・ヒンチクリフが221.638mph(=約356.615㎞/h)をマークしてのことだった。今年の彼らは非常に高いレベルで安定している。彼らのチームメイトとしてスポット参戦をしているセバスチャン・サーベドラも220.802mph(=約355.270㎞/h)を出して初めてのトップ10入りを果たした。アナ・ベアトリスも少しだが自己ベストを更新する219.761mph(=約353.595㎞/h)をマークして18 番手につけた。
 5番手はダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)で、スピードは221.623mph(=約356.591㎞/h)。今日の彼は87周と多くのラップをこなし、キッチリと上位につけてみせた。

カーナンバー50のマシンを駆るフランキッティ。いよいよ調子を上げてきた。
Photo:Naoki Shigenobu
 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、3日連続で9番手につけた。今日は51周を走行。ベストはハッピーアワーに、今日の47周目に出した220.856mph(=約355.357㎞/h)で、昨日出した自己ベストを僅かながら上回った。もっと走っても良かったが、ニューガーデンのアクシデントが発生したところでマシンを停めた。
 「昨日までの続きでレース用セッティングを進めました。今日は風が強めのコンディションでしたが、その中で良いセッティングを見つけることもできていました。順調に、着実にプログラムを進めて来ることができています。明日も天気は良さそうですね。決勝用セッティングを明日も続けて、金曜日は予選用セッティングだけをやるようになるのかな?」と琢磨は話していた。


バリケロはスピード不足で苦境にアレジらロータス勢のパワー不足は一段と深刻

ジャン・アレジは今日、ベストが205mph台にとどまった。ロータスエンジンの
パワー不足を改善する手段はあるのか?
Photo:Naoki Shigenosu
 F1出身のインディー500ルーキー、ルーベンス・バリケロ(KVレーシング・テクノロジー)は今日だけで118周も走ったが、ベストは30台が走行した中で26番手にしかなれない216.255mph(=約347.954㎞/h)止まりだった。スピードを上げられない状況に完全にスタックしている。チームメイトのトニー・カナーンは豊富な経験を活かして220mph台をドラフティング利用で出しているが、EJ・ビソもバリケロ以上に遅い215.512mph(=約346.758㎞/h)が今日63周を走ってのベストと、苦境に陥っている。
 もう一人のF1出身ルーキー、ジャン・アレジ(ロータス・ファン・フォース・ユナイテッド)も、46周を走りながら205.389mph(=約330.470㎞/h)が精一杯と、レース用セッティングでのスピードはかなり厳しい状況にある。30台走行中の29番手だ。これはロータス・エンジンのパワー不足が大きな原因で、同じロータス・エンジンで走るシモーナ・デ・シルベストロ(ロータス・HVMレーシング)が今日の最下位だった。彼女のベストは205.009mphm(=約329.859㎞/h)だった。トップのニューガーデンとの間には、実に17.776mph(=約28.602㎞/h)もの差があった。

0 件のコメント:

コメントを投稿