2012年5月11日金曜日

2012 INDYCARレポート:Indy500ルーキーテスト実施。アレジは出場条件クリアできず追試が急遽、行われることに

第96回インディー500向けたルーキー・オリエンテーション・プログラム(ROP)は、午前9時にグリーンフラッグが振られたが、気温が12℃と低く、走行が本格化したのは11時過ぎだった。このため、午後2時半で終了の予定が午後2時50分まで走行時間は延長され、ジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)、ジェイムス・ジェイクス(デイル・コイン・レーシング)、ルーベンス・バリケロ(KVレーシングテクノロジー)、シモン・パジェノー(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)、ブライアン・クロウソン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)が全3フェーズを終了、インディー500への挑戦権を手にした。96年以来のインディアナポリス走行となるミチェル・ジョルダインJr.(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)はルーキーではないが、ROPに参加してスピードテストをパスした。

新シャシーが導入された今年はスピードが下がっているため、ROPの規定が変更された。215mph以上で10周連続というフェーズ4がなくされ、3フェーズへと簡略化がされたのだ。その他は去年までと同じだが、フェーズ1が200〜205mph平均を保っての10周連続走行であるのに対して、フェーズ2とフェーズ3は205〜210mph平均、210mph平均以上で、それぞれ去年までよりも5周多い15周の連走行が要求されることとなった。

ウェイド・カニンガム(AJ・フォイト・エンタープライゼス)はフェーズ2までで今日は終了。ジャン・アレジ(ファン・フォース・ユナイテッド)は、走行開始までに手間取ったために17周しか走れず、ベストは186マイル台にとどまった。もちろん、これではフェーズ1も終了できていない。そして、注目のドラゴン・レーシング、キャサリン・レッグと、久しぶりのインディーであることからリフレッシャー・プログラムを行う予定だったセバスチャン・ブルデイのふたりのドライバー、そして彼らのマシンは、とうとうピットに姿を見せることもなかった。ロータスとの関係を断ち切って告訴し、シボレーへのスイッチを模索して来ている彼らだが、まだエンジンの供給を受ける話は正式に決まっていないようだ。このままドラゴンの2台がインディー500に出られない事態になったら、彼らのロータスへの賠償請求額はさらに上がるだろう。最も重要なレース=インディー500に出られなくなるのだから。しかし、彼ら2台を失ってはインディー500としてもおおいに困る。伝統ある33台を揃えられなくなっては、面目が立たないのである。この件は、シボレーが体制の更なる拡大を飲み、ドラゴンにもエンジンを出すしか解決策はなさそうだ。

今日はルーキー専用の走行日なので、プラクティス時間は午前9時から午後2時半と非常に長く設定され、ルーキーたちはフェーズ2までを終わらせるようインディーカーに言われていた。12日にベテラン(一度でも決勝を走ったことのあるドライバーたちがインディーではこう呼ばれる)たちが一度走り出すと、フェーズ2を終えていないルーキーたちが走るチャンスは非常に少なくなり、ルーキー専用の走行時間が用意されるのは13日が最後だからだ。

もっとも、非常にアメリカ的で、柔軟性に富むことを誇りとしているインディーカーの場合、ルールやしきたりが日々変わることに何ら戸惑いはない(伝統にはうるさいはずなのに)。今日だけのはずのROPは、今日の状況を見て、明日の午後4時半に再開され、6時までの走行が許可されるとの決定がなされた。それが発表されたのは、午後2時5分だった。このようなフレキシビリティをインディーカー、あるいはインディアナポリス・モータースピードウェイ、もしくはその両方が発揮したのは、元F1ドライバーのアレジにROPを通過させ、決勝に出場して欲しいからだろう。ドラゴンにもう1日の時間的猶予を与えることもできる。

今日のルーキーたちの自己ベストスピードは、以下の通り。

1 ジェイクス 218.268mph
2 クロウソン 217.064mph
3 ニューガーデン 216.573mph
4 バリケロ 214.083mph
5 パジェノー 214.055mph
6 ジョルダイン 213.633mph
7 カニンガム 210.318mph

8 アレジ 186.387mph

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