2012年5月31日木曜日

2012 INDYCARレポート:「ゴール前20周が、それまでの180周と全然違っていた」バリケロがINDY500ルーキー最上位

ルーキー最上位はルーベンス・バリケロ

史上2番目に暑いコンディションで行われたインディー500は、ルーキーたちにとってはさぞ難しいものとなっていたことでしょう。前の週のプラクティスまでとは大きく気候が変わって、それも暑い方に振れたので、マシンの安定感が失われちゃったケース、バランスが崩れちゃったパターン、多かったと思う。それでルーキーたちは戸惑い、自信を失ってしまってた、と。

Photo:Naoki Shigenobu


予選7位だったジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)は、自らの苦戦に驚いていた。「レースではマシンが最初から悪かった。ピットアウトする際のギヤのセレクトがうまく行かないトラブルも出た。大きく順位を落としても自分としては頑張り続けたけれど、残念ながらゴールまで走り切ることはできなかった」。不完全燃焼ですね。プラクティスでは「ハンドリングは絶好調!」。それがレースでははまったく逆になってしまってた。

「スピンの後が全然ダメだった」とブライアン・クロウソン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)もガックリ来ていた。「来年に向けての経験を積むためにも、ゴールまで走りたかった。スピンしても壁にぶつからなかったのは良かった。でも、その後はハンドリングに悩まされ、スピードがまったく上がらなかった。残念だ」とUSACドライバーは語った。

開幕4戦で活躍していたルーキー、シモン・パジェノー(シュミット・ハートマン・モータースポーツ)は、「おおいに勉強になった1日だった。最初の2スティントは最高だった。レース中に攻撃的なリスタートの仕方も教わり、順位をいくつか上げることにも成功した。あと少しのスピードアップが僕らには必要だった」と彼はコメント。

ウェイド・カニンガム(AJ・フォイト・エンタープライゼス)は不運に過ぎた。エンジントラブルでほとんどレースを戦えずに終わってしまったのだ。せっかく掴んだインディー500初挑戦だったのに。「ガックリ来ている。30周ぐらいでエンジンからパワーがダウンして6速で走れなくなった。トラブルの原因がエンジン内部なのか、電気系に由来するものかはまだ判明していない。ただ、スピードが保てないなら他車の迷惑になるだけ。アクシデントを引き起こすことのないようガレージにマシンを運んだ。7カ月もかけてスポンサーを見つけ、チームとの交渉も成立させたというのに……」。来年、もっといい体制で再挑戦して欲しい。

11位でルーキー最上位フィニッシュを達成したのは、ルーベンス・バリケロ(KVレーシングテクノロジー)だった。レースをまとめる力、やっぱりあるね、この人には。全部同一周回とはいってないまでも、デビューから5戦連続完走。さすがです。「この結果は素晴らしい。最初のオーバルレースだったんだからね。今までやって来たことの、どれとも違う感覚だった。ダウンフォースを大きく設定し過ぎていた。それによって安全だったとも言えるけど……。今日、全行程を戦い抜いたことで、ライバル・ドライバーたちの特徴も掴めた。驚いたのは、ゴール前20周が、そこに至る180周と全然違っていたところ」と彼は語っていた。

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