今年の2月に引き続いてのテキサスでのテスト
去年の最終戦ラスヴェガスでダン・ウェルドンが事故死した。インディーカーは集団でのアクセル全開レース、所謂パックレーシングの危険性について再考し、その結果として、2012年のカレンダーに1.5マイルオーバルはテキサス・モーター・スピードウェイ(TMS)しか載らなくなった。ラスヴェガスが落っこちたのは当然だったが、ケンタッキーも外れた。
その代わりに……ではないが、インディーカーは全長2マイルのフォンタナ(カリフォルニア州)を新たにカレンダー入りさせ、1マイルのミルウォーキーも開催不能から一転、カレンダー復帰を果たした。こちらはコースの危険性云々ではなく、プロモーターの事情だったが、「危険なのはハイバンクの1.5マイルオーバル」との結論が出てしまったようなものだった。
しかし、開催を決定していたレースを辞めるのは、そうそう簡単ではない。特に、訴訟天国のアメリカでは。そこでインディーカーは、今年から新しくされているシャシーに一縷の望みを賭けることになった。超超接近戦にならないエアロパッケージとすることを目指したのだ。
今年の2月、インディーカーはトニー・カナーン(KVレーシング・テクノロジー)と、ライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)の2台をTMSで走らせた。まずは、DW12のハイバンクオーバルでの特性に対して評価を行った。多くの空力データが収集され、リヤバンパーの大型化など、必要と思われる対策がなされることになった。
ペンスキーとガナッシは全ドライバー参加
そして今回、インディーカーは2回目のテストを開催し、今度は10台を同時走行させ、どの程度マシン同士が接近したまま走れるかをチェックすることになった。1日だけのテストだが、走行時間は朝の8時半から夕方の5時半までという長さが用意されるという。参加ドライバーは以下のとおり。
ライアン・ブリスコー (チーム・ペンスキー)
エリオ・カストロネベス (チーム・ペンスキー)
ウィル・パワー (チーム・ペンスキー)
スコット・ディクソン (チップ・ガナッシ・レーシング)
ダリオ・フランキッティ (チップ・ガナッシ・レーシング)
グレアム・レイホール (チップ・ガナッシ・レーシング)
チャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング)
マイク・コンウェイ (AJ・フォイト・エンタープライゼス)
ウェイド・カニンガム (AJ・フォイト・エンタープライゼス)
エド・カーペンター (エド・カーペンター・レーシング)
ルーベンス・バリケロ (KVレーシング・テクノロジー)
ペンスキーとガナッシが全ドライバーを参加させることからも、このテストの持つ有効性の高さは明らかだ。しかし、アンドレッティ・オートスポートは不参加と決め、佐藤琢磨の名前もリストにない。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングは、インディー500にスポット参戦させるミチェル・ジョルダインJr.用のマシンの準備などで忙しくしているということなのだろう。
なお、カニンガムの同テスト参加は、チームメイトのコンウェイとマシンをシェアして行われ、バリケロは今回のテスト前日にインディーカーによるオーバルテストを受けることになっている。
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