第96回インディアナポリス500
インディアナ州インディアナポリス
インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
1周2.5マイル(=約4.023㎞)×200周
5月25日 カーブデイ
ファイナルプラクティス 4位 221.078mph(=約355.715㎞/h) 43周走行
決勝用エンジンでホンダ勢ジャンプアップ
決勝のスタート前に走れる最後のチャンス、カーブデイのファイナルプラクティスは1時間しかない。フレッシュエンジンが正しく搭載されているかの確認に始まり、レース用マシンセッティングの確認を32台が行った。出場予定の全33台ではかったのは、アナ・ベアトリス(アンドレッティ・オートスポート/コンクェスト・レーシング)が走らなかったため。彼女のマシンは今朝になってエンジンからのフルード漏れが見つかり、慎重を期して走行を諦め、新品のエンジンに載せ換えることとなった。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は43周を走り、4番手につける221.078mph(=約355.715㎞/h)を記録した。トップはダリオ・フランキッティの222.360mph(=約357.777㎞/h)で、2番手はスコット・ディクソンの222.274mph(=約357.639㎞/h)とチップ・ガナッシ・レーシングのターゲット・コンビが1、2位を独占。3番手はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)の221.702mph(=約356.718㎞/h)だった。ポール・シッターのライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)は221.025mph(=約355.629㎞/h)で5番手につけた。ホンダはフレッシュエンジンでより大きなパワーの供給を実現し、琢磨陣営はマシンセッティングで何か光明を見い出したということなのだろうか?
「今日はもう少し大きなパックで走りたかったですね」
Jack Amano(以下――):1時間のセッション、満足度はどのぐらいですか?
佐藤琢磨:うーん、半分ぐらいかな? クルマは大分良くなったとはいえ、まだもう少し。プログラムも、半分ぐらいしかやりたいことができなかった。トラフィックももうちょっとタイミング良く入りたかった。ちょうどピットに入ってる時に大きなパックがあって、出てくとなくなっちゃうというタイミングの悪いセッションだった。多少はトラフィックの中でやれたんだけど、数台しかいなくてね、もうちょっと大きいパックの中で走りたかったですね。
――自分の出していたスピードに対して、あるいはマシンのハンドリングに対しては、どういう印象ですか?
佐藤琢磨:ウィングレベルも幾つか試したんですけど、やっぱり軽くして行くとね、単独ではいいけども、トラフィック入って行くと全然近づけなくなってくしね。ウィングを足せばトラフィックの中でも大分安定して来るんだけども、前に出たら、あっという間に抜き返されちゃう。そこらへん、シーソーみたいに行ったり来たりだったんで、もうちょっとクルマ全体のメカニカルグリップを上げてあげないと、ウィングを軽くはできない状態ですね。
――今日は蒸し暑いコンディションで、決勝日は、もしかしたら今月一番暑いコンディションになりそうです。今日のセッションは、似たコンディションと言っていいものですか? もっと厳しいものになりますか?
佐藤琢磨:もうちょっと暑くなると思いますよ。今日は何度ぐらいだったのかわからないけど……。
――28℃ぐらいです。
佐藤琢磨:じゃ、もっと上がりますよね。30℃は軽く越えるって言ってたから。でもまあ、どうなんだろ? 今日は走行時間が午前11時と少し早めで、決勝はもっと遅いスタートでしょう? だから、もっともっと暑くなると思う。
――決勝日が暑くなると、どうなりますか?
佐藤琢磨:その条件自体はみんな一緒なんですけど、涼しい状態でうまく走れていても暑い状態ではマシンがルーズになって来るんで、今よりもクルマのセットアップをもっと良いものにしたいですね。
「一概にシボレーとの差が縮まったとは言えない」
――予選2日目のプラクティス時よりもホンダとシボレーのエンジンの差が小さかったのでは? と感じさせるタイム差になっていたと見えたんですが、走っている身としてはどう感じましたか?
佐藤琢磨:一概には言えないと思いますね、各チームの採用しているウィングレベルの違いもありますから。僕の場合、シボレー勢について行くことはできてたんだけど、トウから抜け出してイコールコンディションになると下がっちゃってた。だから、抜き切れないっていうジレンマみたいな、ね。で、ウィングを軽くして行くと、どんどんマシンがスライドアップしちゃって、上の方に上がって行っちゃうんで、そこらへんのバランスをもう少しうまく取れないとレースは結構厳しい。
――今日やったセッティングをベースとして、ここから進化させたいってとこですか?
佐藤琢磨:はい。そうですね。
――今日からロジャー安川がスポッターとして加わりましたが、ジェフ・マッコウムとの2人体制、コンビネーションはどうでしたか?
佐藤琢磨:良かったですね。やっぱりね、ロジャーの声はすぐに入って来て、去年の良い状態に戻った。プラクティス序盤から一気にトラフィックに入ったので、ロジャーにとっても凄く良いウォームアップになったんじゃないかな? ジェフとロジャーのコンビも凄く良さそう。ただ、ここ2週間はジェフひとりでスポッターをやっていたでしょう? だから、ターン1に関してはピット・スタンドにいるボビー(・レイホール)が担当してたから、今日もボビーが入って来てスポッターが3人になってた。決勝ではメインストレートで混乱が起こらないようにしないといけないですね。ボビーの声がターン1に入る前に残っちゃってたのでね。あそこはもっと早い段階からロジャーに切り替えた方がいいと思いますね。
――誰の声が伝わるか、その一番の優先権は当然ボビーにセットされているんですよね?
佐藤琢磨:そうです。だから、声が被るようだと危ない。ターン4を立ち上がったら、もうボビーは何も言う必要はなくて、ターン1にいてくれるロジャーに任せる方がいいですね。
――では、レースに向けた更なるセッティングの検討、頑張ってください。そして、決勝での熱い追い上げ、バトルを期待しています。
佐藤琢磨:はい、ありがとうございます。頑張ります!
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