2012 INDYCAR インサイド情報&ニュース：エンジンのあてがないまま……。MSRインディーがジェイ・ハワードをインディー500にエントリー

今年からIZODインディーカー・シリーズに参戦する予定だったマイケル・シャンク率いるMSRインディーだったが、使用するエンジンがなく、参戦を始められないでいる。10月の最終戦ラスベガスにおける彼らの参戦計画発表は、ロータスエンジンを使うチームとしての初めてのものだったが、その後、ロータスはHVMレーシング、ブライアン・ハータ・オートスポート、DRR、そしてドラゴン・レーシングとの契約を発表、MSRインディーへのエンジン供給は見送られた。

　すでにダラーラの新シャシー＝DW12を購入しているMSRインディーは、今度はエンジンなしの状態のままインディー500へのエントリーを行った。ドライバーには2006年インディーライツ・チャンピオンで、去年インディー500にレイホール・レターマン・レーシングから出場で初めて予選を通過、予選20位、決勝30位（アクシデント）という結果を残したイギリス人、ジェイ・ハワードを起用。彼らはすでに出場のためのスポンサー確保も完了しているという。
　しかし、ロータスがハータとDRRへのエンジン供給を止めたことでMSRインディーの立場はさらに悪くなった。シリーズ主催者のインディーカーとしては、レギュラー2チームの救済がまずは必要で、その解決策としては、シボレーとホンダに1台ずつの供給増を平等に受け入れてもらうのが現在考えられる最善のものだからだ。MSRインディーはまたしても後回しにされる。デイトナ24時間レースで初優勝し、勢いを掴んだかに見えた彼らだったが、インディーカー・シリーズへの参戦意欲を強く持ち、資金も用意できているのにエンジンが手に入らない。これまでには考えられなかった苦境がMSRインディーを今後も悩ませ続けそうだ。