Round3 Toyota Grand Prix of Long Beach
Streets of Long Beach
ロングビーチ市街地コース
カリフォルニア州ロングビーチ
全長:1.968マイル(=約3.167㎞)×85周
4月14日 Day3 予選
天候:快晴
気温:17〜18℃
ロング・ビーチのポールはライアン・ブリスコー
予選日は朝から晴れ。完全ドライだとなった路面でのプラクティス3の60分は非常に重要な時間になるはずだった。しかし、このセッションが赤旗続きで、まともな走行ができたチームはないに等しかった。
「2周連続で走れたのはたったの1回だった。しかも、その1周がアウト・ラップだったのだから……」とダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)はあきれていた。彼が20位のラップタイムしか出せなかったのは、マシンがとても扱いにくいものになっていたからではなく、こうした状況に陥っていたからだった。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も同様だった。「まともに走れたのは数周かな……」と彼も話していた。それでも彼は9位につけていたのだが……。
十分に暖まったタイヤで、グリップレベルもある程度ある路面で、冷静にマシンの挙動を感じ取り、何をどう改善すべきかを検討する……そういう時間はどのドライバーにもほとんど与えられなかったに等しい。通常では考えられない特殊な状況になっていたのだ。昨日の豪雨のために路面に乗っているラバーが非常に少なく、今年は新車での戦いでもある。未知の要素がとても多い事態になっていたということだ。
それでも、プラクティス3よりマシンを明確に良くして来るのが優秀な、エンジニアリング能力の高いチームだ。そこではドライバーのインプットも大きな意味を持つ。
シボレー勢グリッド降格で、ホンダ勢が一気にトップ10に9台
そんな今日の予選でトップタイムを出したのはライアン・ブリスコー(チーム・ペンスキー)だった。久しぶりに期待に沿ったパフォーマンスを彼が見せた形となった。
おそらく、10個のグリッド降格というペナルティを受けると決まった時点でパワーのモチベーションはグッと下がったことだろう。そこは彼の弱い部分だ。勝ちたい気持ちが強いのは悪くないことだが、自分は一切のミスをしていないのに不利な立場に立たされる……そういうことを彼は嫌い過ぎる傾向にある。テストでのアタックも本当に気持ちの入りまくったものにはならない。それでも今日の予選では2位のタイムを出したわけだが……。
バーバー・モータースポーツ・パークでの第2戦、パワーはチームの作戦の巧みさで優勝を手に入れた。彼はチームの力を大きく借りて勝利をつかんだはずだが……。
シボレー勢全員のグリッド降格により、明日のスターティンググリッドはトップ10のうちの9台がホンダ勢になる。残る1グリッドはロータスのアレックス・タグリアー二のものだ。
なお、ロータス勢は今日の予選の後、オリオール・セルビア(ロータスDDRレーシング)とキャサリン・レッグ(ロータス・ドラゴン・レーシング)のエンジン交換。彼らもシボレー勢と同じグリッド降格の憂き目に遭うこととなった。かくして現在想定される明日のグリッドは以下の通りとなる。
1 フランキッティ
2 ニューガーデン
3 ウィルソン
4 パジェノー
5 ディクソン
6 琢磨
7 コンウェイ
8 レイホール
9 キンボール
10 タグリアーニ
11 ブリスコー
12 パワー
13 ハンター−レイ
14 ジェイクス
15 ビソ
16 ヒンチクリフ
17 デ・シルベストロ
18 カストロネベス
19 カナーン
20 ヒルデブランド
21 アンドレッティ
22 バリケロ
23 セルビア
24 カーペンター
25 ブルデイ
26 レッグ
琢磨、マシンを痛めてQ2進出はならなかったが……
琢磨は予選中に壁に後輪をヒット。そのせいでサスペンションが曲がり、思い通りのアタック・ラップを重ねることができなかった。左後輪をターン5で接触させ、そのホイールだけがトーアウトになってしまったようだ。それでも様子を見ながらのアタックでタイムを少しずつ削って行った琢磨の順位は7位だった。惜しいところで第2セグメントへの進出を逃したのである。6位でQ2へと進んだトニー・カナーンとの差は0.1455秒しかなかった。
今日の走行で明らかになったのは、ソフトコンパウンドのオルタネート・タイヤ=レッド・タイヤのグリップが普段よりも長持ちする点だ。もちろん、それは今日の気温、路面温度がともに低かったことも大きく影響している可能であろうが、予報によれば、明日のプラクティス3もコンディションは大きく変わらない。ウォームアップはさらに気温が低い状態で行われる。摂氏13度程度という話だ。
マルコはQ1でブラックタイヤを選択
そうした状況を踏まえ、マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は、今日のQ1のグループ2でブラックタイヤをチョイスした。全エントラントの中で彼だけがブラックで走った。彼は9位となってセカンドステージ進出を果たせなかったが、それは作戦が失敗したからではなく、レッドを温存するためだったのだ。明日のレース、彼らは新品のレッドを3セット投入して戦うということなのだ。ブラックで走る周回数を少なく抑える作戦が見事に当たれば、レッドで次々とオーバーテイクをして上位へと進出する……ということも可能かもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿